GAオリジナル長編小説「Courage  of  Steel   〜守る力、戦う力〜」

 

 

 

                                    筆者・コードネーム「ビスマルク」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

海――――それは生命の源。

 

 

数々の生命が生まれ、そして死んでいく場所。

 

 

海――――それは大自然の意思。

 

 

ある時は穏やかで優しく波打ち、またある時には荒々しくうねり狂う。

 

 

海――――それは神秘的な場所。

 

 

そのすべてを理解することは、我々人間には不可能である。

 

 

 

 

 

 

 

「第1話      水の惑星」

 

 

 

 

 

 

 

ここは、惑星トランスバールの衛星軌道上。

 

今日も、白き月が神秘的な光を放ち、暗黒であるはずの宇宙空間を照らす。

 

それと同じ衛星軌道上には、もうひとつ……人々の目を引く施設があった。

 

まるで巻貝のような形状、白き月と同じ色の側壁、ここが天使たちの空間。

 

そう、ここがかの有名な「エンジェル隊」の衛星基地なのです。

 

彼女達は、失われた太古の技術「ロストテクノロジー」を集めるために、日夜奮闘しています。

 

どうやら、彼女達は今日も、任務みたいですね……。

 

 

 

 

 

基地から、6機の紋章機とシャトルが発進していきました。

 

シャトルの中には、ウォルコット中佐の姿があります。

 

どうやら、彼も今回の任務に同行するみたいですね。

 

紋章機は、シャトルを囲むように陣形を組みました。

 

ミルフィーユのラッキースターと、ランファのカンフーファイターが前衛に。

 

ミントのトリックマスターと、ヴァニラのハーベスターが側衛。

 

そして、後衛はフォルテのハッピートリガーと、ちとせのシャープシューターである。

 

シャトルを含めた7機はクロノドライブの体制に入り、空間に溶け込むようにして消えていきました……。

 

 

 

 

 

 

クロノドライブ中、彼女達は互いに話をしていました。

 

どうやら、ウォルコット中佐が付いてきていることを不審に思っているご様子です。

 

 

「珍しいですよね、中佐が一緒に来るなんて」

 

「そうよねぇ、それに……」

 

「任務終了後に、ありえない長期休暇とボーナスが出るってのが、ますます怪しいねぇ」

 

 

フォルテの言うように、そんなことは今までありえなかったし、明らかに怪しい。

 

何か裏があるなと、一同は疑問を持っていた。

 

 

「で、今回の目的地はどこだっけ?」

 

「ウォルフ星系第3惑星《アクアス》、表面積の約9割を海に覆われている海洋惑星ですわ。

海の綺麗さは銀河一、海洋技術も他の惑星を遥かに凌いでいますわ」

 

「へぇ、おもしろそうな星だなぁ」

 

「向こうの海軍が、迎えの船を寄越してくれるということですが……」

 

 

ちとせの言うように、惑星アクアスの海軍が迎えを寄越しているらしい。

 

そこも、何か怪しげな雰囲気ですが……。

 

一行は、多くの疑問を抱きながらも、順調に惑星アクアスへ向かっていった。

 

 

 

 

 

 

 

―――――――ヴオオォォォォォンン

 

 

彼女達がドライブアウトすると、目の前に惑星アクアスがあった。

 

青々とした神秘的な光を放ち、まるで太古の地球を思い浮かべる。

 

今まで訪れたどの星よりも、綺麗だった。

 

その概観をたっぷり堪能しつつ、彼女達は大気圏へと突入していった……。

 

 

 

 

 

 

大気圏に突入した後、彼女達は雲より下を飛行していた。

 

やはり、大海原はとても綺麗で、皆感動してしまっていた。

 

と、そのとき…。

 

 

「皆さん、誘導電波です。どうやら迎えの船が我々を確認したみたいですね」

 

 

ウォルコット中佐が声をかけたため、彼女達は目線を前方に向けた。

 

その誘導電波通りの進路を飛んでいくと、すぐにその「迎えの船」とやらが見えた。

 

彼女達の想像と違っていたのは、ただの船ではなかったし、1隻でもなかったことである。

 

 

「あ……あれが、迎えの船?」

 

「たいそうな出迎えだねぇ…」

 

「そ……それにしてはちょっと…」

 

「多すぎない? 護衛とか」

 

 

彼女達が驚くのも無理はない。

 

モニターに映っていたものは、巨大な飛行甲板を持つ軍艦「空母」。

 

さらにその周りには、多数の護衛艦が配置されていた。

 

これを歓迎と取っていいのか、それとも警戒と取っていいのか、彼女達は複雑だった。

 

でも、いちおう空母から着艦信号が発せられているので、とりあえず彼女達は空母に着艦することになった。

 

 

 

 

 

着艦すると、大勢の乗組員と、仕官らしき男性が敬礼をして迎えてくれた。

 

今までこんなことは無かったので、ミルフィーユ達は戸惑っていた。

 

ウォルコット中佐は、その仕官らしき男と握手を交わした。

 

 

「お待ちしておりました。エンジェル隊の皆さん」

 

「こちらこそ、手厚い歓迎を感謝いたします」

 

「さぁさぁ、お疲れでしょう? 艦内にはショップや遊技場もあるので、くつろいでいてください」

 

「あ、そう?  じゃあ遠慮なく行きますか」

 

 

フォルテがお先にとばかりに、艦内へと入っていった。

 

ミルフィーユ達も後に続く。

 

 

「彼女達ぐらいの年齢の時は、私は結構やんちゃでしたねぇ」

 

「私もですよ。さぁ、我々も中に入りましょう」

 

「ええ」

 

 

なぜかしんみりしていた仕官と一緒に、中佐はゆっくりと艦内へと入っていった…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

《次回予告》

 

彼女達は、アクアスの首都であり、海軍の本部でもあるメガフロートに到着した。

 

海軍本部の中で、彼女達は美しき司令官と出会う。

 

そして、ロストテクノロジーが海底沈んでいることを知る。

 

海軍が用意してくれた艦隊とともに、現場に向かうエンジェル隊。

 

だが、その場には、既に死神が忍び寄っていた……。

 

 

 

 

 

<コメント>

いやいや、長らくお待たせいたしました。

小説再開でございます!!!

アニメに沿ったものを書きたかったので、ちとせさんも参戦です!!

まだ慣れていないのですが、こんなもんでどうでしょう?

それでは、またお会いしましょう!!