「ミルフィー!!」

医務室の自動扉が開くのと同時に、ケーラの下へ駆けつけて来るタクト。

「あ、マイヤーズ司令」

医務室には入り口の近くにあるデスクにいるケーラと、奥のベッドで寝ているちとせ。そして、ちとせの手前のベッドに寝ているミルフィーユの姿があった。

「ケーラ先生、ミルフィーは大丈夫なんですか!?」

「ええ、ただの気絶みたい。すぐ目が覚めると思うわ」

「そうですか」

ケーラの説明にホッとするタクト。

「でも………」

言いよどむケーラ。

「でも、なんですか?」

「どうして気絶したのかがわからないのよ。心拍数、血圧、体温ともに健康そのものなのに」

「健康なのに倒れた………まさか、倉庫でまた何か!?」

思い出したように顔を上げるタクト。

「いえ、それはないハズよ。ミルフィーユは倉庫に行く前にCブロックの廊下で倒れていたらしいのよ。見つけて運んでくれた乗組員が話してくれたわ」

「そうなんですか………それじゃあ一体………」

ケーラの答えに、再び考え込んでしまうタクト。

そこに―――

 

「ミルフィーが倒れたってホントなの!?」

ランファが医務室にやってきた。

「ランファじゃないか!回収作業は………」

「それどころじゃないわよ!それよりミルフィーは………」

「安心なさい、ただの気絶よ。すぐ目が覚めると思うわ」

「そ、そうなんですか、よかった………」

ホッとするランファ。

それを見たタクトは、

「ランファは友達思いだな。ミルフィーのためにそこまで心配してくれるなんて」

と感心したように感想を漏らした。

「当然でしょ。ミルフィーはアタシの親友なんだから」

ランファはそれが当然とばかりに言った。

「ははっ」

「なによ、その笑いは?」

「いや、ランファはやさしいなと思って」

その言葉を聞いたランファは頬を染めて、

「な、なによいきなり………」

「いや、素直にそう思っただけだよ」

「も、もう」

タクトのセリフに、ランファはそっぽを向いてしまった。

医務室になんとも言えない雰囲気が漂う。

そんな時、

 

「お邪魔するようで、悪いんだけど、そろそろいいかしら?」

含み笑いをこぼしながらケーラが口を挟んできた。

「え、な、何がですか!?全然邪魔じゃないですよ、ねえ、タクト?」

「そ、そうだね、すいませんケーラ先生………。それで、何のお話でしたっけ!?」

慌てふためく2人。その様子を見てケーラは「微笑ましいわね、2人とも………」と思ったが口には出さなかった。

「ミルフィーユとちとせのことよ」

2人の?」

「そう。2人とも同じ状態で気を失っているのよ」

ケーラは不思議そうに言う。

「同じ状態?ミルフィーはともかく、ちとせは過労で倒れたんじゃないですか?」

「そうなんだけど、2人も同じ健康状態で気絶しているなんて、偶然にしては出来過ぎだとは思わない?」

ランファの質問に、腑に落ちない表情で答えるケーラ。

「あ、そうよね。ちとせならともかく、ミルフィーが過労で倒れるなんてことは、めったにあるモンじゃないし………」

ブツブツと呟くランファ。その呟きが聞こえていたタクトは、思わず苦笑いしてしまう。

「でも、それなら何がおかしいのかが、わからないのよ………」

………ケーラ先生。2人に何か変わったことはないですか?」

何かに気づいたように顔を上げるタクト。だがケーラは、

「そう言われても、検査の結果に異常があったワケじゃないし………」

と困惑したように首を振った。

「なんでもいいです。2人に何か気づいたことはありませんか?」

「うーん………」

顎に手を当てて考え込むケーラであったが、しばらくすると思いついたような表情に変わった。

「そういえば、ミルフィーユを調べていたときに………」

「調べていたときに?」

「首筋のところに、薄いんだけどアザがあったのよ」

「アザ?ミルフィーにそんなのあったかしら?」

ランファは記憶を探るような顔つきになったが、

「もしかして………」

タクトは何かに気づいたように、ミルフィーユとちとせが寝ているベッドの間に移動した。

「タクト?」

「どうしたの、マイヤーズ司令?」

ランファとケーラの問いかけには応えず、タクトはミルフィーユとちとせの首筋を調べていた。そして、

「やっぱりだ………」

と呟いた。

「やっぱりだって何がよ?」

「何かわかったの?」

タクトは2人の問いかけに頷く。

2人とも同じ位置にアザがあるんだ」

「同じ位置に?確かに不自然ね………」

タクトの言葉に、考え込んでしまうケーラ。

「でもそれがどうかしたの?」

「今日に限って、2人も倒れた。そして、同じ位置にアザをつけている。これはどう考えても偶然にしては出来すぎている」

タクトは深刻な表情をしているが、ランファには何か確信したような顔に見えた。

「何が言いたいのよタクト………」

その質問にタクトは、ゆっくりと口を開いた。

 

 

「多分………、ミルフィーとちとせは、すでにロストテクノロジーに襲われたんだと思う」

「えっ!?」

「ロストテクノロジーに襲われたってどういうこと?」

驚愕するランファと不思議がるケーラ。

まだ、事情を知らないケーラが不思議がるのは無理もないが―――

 

「そんな、だってミルフィーはともかく、ちとせがそんな簡単に襲われたりするハズが―――」

「ミルフィーとちとせには、今回のロストテクノロジーの正体は、まだ知らなかったハズさ。ブリッジには来てないんだからな。」

タクトの言葉に、先ほどまでのブリッジの様子を思い浮かべるランファ。

「じゃあ、すでにロストテクノロジーは艦内をうろついてたってこと!?」

「それもあるけど、問題はそれだけじゃない?」

「どういうこと?」

「忘れたのかい?あのロストテクノロジーに襲われた人間は、記憶障害になってしまうことに………」

「っ!?」

タクトの答えに言葉を失う。

「じゃあ、もうミルフィーやちとせは以前とは違うって事!?どうなるのかもわからないってことなの!?」

………………」

思わず絶叫するランファに口を閉ざすタクト。

「これからどうしたらいいのよ………」

何をしたらよいのか、どうすればいいのか………

もはやランファの心は混乱していた。

 

「ランファ」

タクトの声に顔を上げるランファ。

「ミルフィーとちとせは、本当にロストテクノロジーに襲われたとは決まってない。決め付けるのはまだ早いんじゃないのかい?」

真剣な表情で語るタクトに、ランファはただ呆然としながらも耳を傾けていた。

「確かに不安は残るかもしれないけど、どのような記憶障害が起きるのかはわからないし、これ以上被害を出すわけにはいかない」

「タクト………」

「それに、オレたちがしっかりしないと、2人が目を覚ましたとき不安がってしまうよ」

 

しばらく耳を傾けていたランファだったが、表情を引き締めると、

「そうね、これ以上被害を広げないためにも、アタシたちがやらなきゃ!」

と決意を述べた。

 

 

「よし………ランファ、頼んだよ!」

「了解!」

そうしてランファは医務室を出ていった―――

 

 

*

 

 

一方、銀河展望公園ではミント、フォルテ、ヴァニラの3人が集まろうとしていた―――

「あら、フォルテさん。そちらのほうは、はかどっていらっしゃいますか?」

噴水の側で佇んでいたミントが、入り口側から近づいてくるフォルテに声をかけた。

「いや、はかどってたら、ここに集まったりはしないよ」

収穫が無いと言うように首を振るフォルテ。

「ランファさんは、どうしたのでしょう……通信には出ないようですが……」

同じく噴水の近くで佇んでいたヴァニラが、球状の赤い通信機―――クロノ・クリスタルに目線を移す。

「あら、そういえば来ていらっしゃいませんわね。まだお仕事中でしょうか?」

「あの子がかい?そんなめずらしいことがあるのかねぇ」

 

スクリーンに映し出される人工太陽が、緑の地面を照らしつけ春の陽気を醸し出していた―――

 

ロストテクノロジーの回収作業に入って、1時間が経とうとしていた。

エルシオールの中を別々に探索していたランファ、フォルテ、ミント、ヴァニラであったが、あることに気付き、ランファ以外銀河展望公園に集まったのである。

 

 

儀礼艦エルシオールは多数の戦闘機を搭載する空母のような大きさであるが、艦の中のほとんどは福利厚生施設のエリアになっている。

 

エリアは4つのブロックに別れており―――

 

Aブロックはブリッジと寝室兼用の司令官室があり指揮を掌るエリアとなっている。例外として銀河展望公園があり、艦の中にあるとは思えない植林や人口太陽が備えてあった。

 

Bブロックは様々な品物を揃えている宇宙コンビニ、食堂、自販機があるホールといった福利厚生の一環としたエリアとなっている。

 

Cブロックはエンジェル隊やエルシオール乗組員の個人の部屋、皇族の人間のみ使用されない寝室兼用の謁見の間といった、居住エリアとなっている。

 

Dブロックはトレーニングルーム、シャワールーム、コンピューターを使用した模擬戦闘訓練を行なうシミュレーションルーム、人工プールがあり宇宙クジラが生息しているクジラルーム、医務室、フォルテがよく使用している射撃訓練場、商品や資料を保管する倉庫、紋章機を収納する場所である格納庫、そしてエルシオールの心臓部と言える多数のエンジンが搭載された機関室といった、複数の施設が入り混じった一際大きいエリアとなっている―――

 

 

銀河展望公園に春の陽気が漂う。

エルシオール全体には星々の人達と同じ生活が出来るよう、四季折々の季節感を醸し出されていた。

 

人工太陽が醸し出す春の陽射しは、エンジェル隊の思考力を徐々に奪っていく―――

まどろみに包まれ目を瞬かせながらも、時間だけが無駄に過ぎると思ったフォルテはある提案を行なった。

「なあ、このまま探してても、埒が明かないと思わないかい?」

先程から思っていたことなのか、フォルテは芝生を踏みしめながら提案する。

「同感ですわ。私たちがこうしている間にも、目的は別のところにいるかもしれませんし……」

「しかし……役割どおりに行なわなくてもよろしいのでしょうか?」

「それは見つけてからでもかまわないんじゃないかい?いくら役割ったっていつまでも同じ事をしてたら、どんなに時間があっても足りなくなっちまうよ」

 

どうやら3人の意見がまとまったようだ。

 

「では、ブロック別に担当を決めましょう。もし見つかりましたら、通信をお入れになってくださいまし。回収はみんなで行ないましょう」

「わかりました………では………私はAブロックの方を」

「では、私はCブロックの方を。ちょっとお部屋に用事がありますし」

「それじゃあ、アタシはBブロックの方を探索してみるよ」

そして、それぞれの方角へと散らばっていった。

 

 

 

 

―――銀河展望公園の上空に映る人工太陽の光………

 

だがそれは心なしか暗く煌く光となった―――

 

 

 

 

*

 

 

 

 

「そういえば、お部屋を出るとき、鍵は掛けておいたのでしょうか………?」

居住エリアであるCブロックを歩いているミント。

ミントは部屋の戸締りが気になったことで、率先してCブロックの探索を引き受けたのである。

(もし鍵を掛け忘れたということになれば、部屋に誰かが入ってきてもおかしくは………)

だんだん不安が広がるミント。その足は少しずつ駆け足になっていく。

(そうなれば、私の趣味である、着ぐるみのことがバレてしまいますわ!そして、そのことがエルシオール中に広まって、私の今までのお嬢様としてのイメージがメチャクチャに―――)

もはや不安が妄想と化していく………

(いえ、あれはすべて私のではなく、他の方のモノだと言い訳すればまだ………)

そんなことを頭にあるもう一対の耳をピクピクさせながら考えているうちに、自分の部屋の近くまで辿り着いたミント。

そこに、

(あら、部屋の前に誰か………。どなたでしょうか? イヤにキョロキョロしていますわね………)

部屋の前に佇む人影に気付いたが、不審なものを感じ取り、首を傾げる。

エルシオールの乗組員の制服を着ているようだが、その挙動不審な人物に近づくと声を掛けてみた。

「どなたですの? 私に何か御用向きでもありますの?」

「!?」

ビクッとしながらも、その人物は驚愕な表情をしながら振り向いた。

外見からすると黒い短髪の若い男のようであるが、ミントには見覚えの無い顔だった。

 

 

―――エルシオールの乗組員の制服というのは、上は左胸、両脇計3箇所のポケットが付いた4つボタンハイネックのブレザー、下は両脇と臀部計4箇所にポケットが付いているスラックスである。男性用女性用と素材も機能も大した違いは無い。

ただ、男性用は上下とも深緑色に統一されており、女性用は上下とも深紫色といったように区別を付けている。

班ごとに区別を付けるときは、左胸に名前と所属する班を記した名札をクリップで付けることが、この艦の規則になっている。

ただエルシオールに搭乗していても、それぞれ種類の違った軍服を着用している皇国軍出身のタクトやレスター、エンジェル隊の面々など例外もいる。

 

 

男はそんなに背が高くはないようではあるが、123cmのミントを焦ったそぶりを見せながら見下ろしていた。

ミントは目の前にいる乗組員が、名札を付けていない事と滅多にいない男性乗組員がエンジェル隊の部屋の前で何をしているのか、違和感を持った。

先ほどの行動といい、怪しさを感じたミントは、男を見上げながら質問をした。

「失礼ですが、貴方はいったい何処の班に所属しておられる方なのですか?今までお見かけたしたことがございませんので、よろしければ―――」

 

言い終えようとした刹那、

 

 

ピカッ!!!キュイーーーーーーン!!!!

 

 

「きゃっ!?」

すさまじい光と騒音に、怯むミント。

その隙をついて、男はミントの首筋に口を付けようとした。

 

その瞬間、

 

バリバリバリッ!!バチンッ!!!

 

 

ミントの体から、突然、高圧電流が発生した。

 

感電した男は思わず身を離す。

 

「ふう………、こんなこともあろうと、暴徒鎮圧用のチョッキを着てきて正解ですわ」

ミントはもしもの時のために、護身用の装備をしてきたのだった。

「さあ、どなたか存知あげませんが、おとなしくお縄についてもらいますわよ!」

「!!」

男は踵を返し、別の方向へと走りだした。

見失わないようミントも追いかけるが、男はすでにエレベーターに乗り込もうとしていた。

「お待ちなさい!逃がしませんわよ!」

逃がすまいとしたミントは、青い制服の懐に忍ばせておいたレーザーガンを取り出そうとした瞬間、

 

 

ビシュンッ!

 

 

「きゃっ!?」

男はエレベーターの中から、レーザーガンを撃ってきた。

とっさに身を伏せたミントであるが、その隙に男はエレベーターに乗って移動してしまった。

 

「っく!?逃げられた!?」

苦虫を噛み潰したような表情を作るミント。

電光表示版を見ると、男は下層部に行ったようだ。

「下層部………Dブロックに!」

ミントは急いで、懐から通信機を取り出す。

「もしもし。どなたか通信、応答願います」

捜索中のエンジェル隊に通信を始めた………

 

 

*

 

 

 

「えっ、それホントなの!?」

『ええ、詳しいことはわかりませんが、不審な人物が、Dブロックに向かいました!』

ミントの通信を受けたランファはDブロックにいた。

「わかったわ!すぐ探してみる!」

通信が終わると、捜索を開始するランファ。

 

格納庫、医務室、クジラルーム、シミュレーションルームなどを探索してみたが、今だ

に怪しい人影は見当たらない。

「ああ〜もうっ、どこに行ったのよ〜」

毒付きながらも探し回るランファ。その時、

「あれ!?」

倉庫のほうに誰かが入っていったのを目撃してしまった。

「こんな時に誰が倉庫に用があるのかしら………」

不審に思ったランファは、悟られないように倉庫に入った………

 

 

 

 

(うわーっ、なんて薄暗いのよ。もっと明るくしてもいいじゃない!)

倉庫に入ったランファは、心の中で毒づく。

 

入ったのは良かったが、事故があったのと、補給したばかりだったので、コンテナや色々な荷物が、空間いっぱいに配置されていた。

このような荷物や、薄暗さでは、目的が身を隠すのにはうってつけである。

 

(こ、こんな薄暗くても平気よ………オバケなんか出やしないんだから………)

内心ビクビクしているランファ。

映画をよく見るランファであるが、ホラー物だけは受け付けられないため、こういう雰囲気は苦手なのである。(本人は否定するであろうが………

(そ、それにしても、なんで今に限ってこんなに静かなのよ〜。もっと………)

 

カランッ

 

 

「ヒイッ!」

驚きのあまり飛び上がるランファ。

「な、何よいきなり!?………って缶?」

空き缶はコンテナから落ちて転がった物のようだ。

「もう〜、驚かさないでよ〜。なんでこんなところに空き缶が―――っ!?」

なぜ空き缶が転がって来たのか、違和感を持ったランファ。

 

不動物が多いこの場所で、艦が揺れたわけではないのに、空き缶が転がってくるのはまず不自然だ。

そのことに気付いたランファはすぐさま緊張した顔付きになり、

「誰かいるの!?」

と警戒しながら声を出す。しかし返事は無い。

「返事をしなさいよ!いったい何処に隠れてるの!?」

周りを見回し叫びながら歩き出すランファ。

 

その時ランファの後ろに現れた若い短髪の男は、銃を向け打ち放とうとする。

 

もはや振り向くヒマすら与えられないまま、命中するのは時間の問題―――

 

 

 

 

刹那―――

 

 

 

 

ドガッ!!

 

 

「っ!?」

ランファの後ろ回し蹴りが、銃を持っていた男の手にヒットした。

 

銃はそのまま何処かへ転がっていく―――

 

 

「まったく……アタシを不意打ちしようなんて、10年早いわよ」

手を押さえる男を睨みつけるランファ。

その表情は笑っているが、見る者を震えさせるような壮絶な笑みを浮かべていた。

 

その笑みを見た男は思わず後退し、背を向けながら物陰に隠れようとした。

だが、

 

「どこ行くのよ?せっかくこの美しいランファさんが、遊んであげようっていうのに!」

 

ガゴォッ!!

 

無防備の背中に飛び蹴りがヒットし、壁に衝突して男は倒れこんでしまった。

「〜〜〜!!!」

これには堪らず、男は背中を押さえ、のた打ち回っていた。

 

「あら………明るい所で見ると全然カッコよくないわね………」

壁際に追い詰めながらも、ゆっくりと歩きながら男を品定めするランファ。

「まあこれで手加減する必要は無くなったけど―――ね!」

「っ!?」

 

 

 

バキィ!ズドォ!!ベキン!!!ゴスッ!!!!

 

 

 

ランファのラッシュが男に炸裂する。

 

 

 

 

「アンタが何者かは、まだわからないけど……」

攻撃の手を緩めずに、

「ミルフィーやちとせを襲った罪を、ここで償ってもらうわよ!」

ランファは怒りの篭った表情で叫んだ。

 

戦闘は激化する。

1人の心優しき少女によって―――