『クリスマス』がキリストの誕生日を祝福する人々のイベントというのならば………

 

『バレンタイン・デー』は恋人たちの愛を確かめ合う聖なる日となるのかも知れない………

 

ここ、トランスバール皇国宙域内、いや、銀河の中心でも『バレンタイン・デー』に心寄せる者たちが居る―――

 

今か、今かと、運命の日を待ちわびながら―――

 

 

 

 

 

St. Valentine’s Day

聖なる日に詠う恋人たちのラヴ・ソング

 

 

 

 

 

 

これは、ある1人の少女の部屋での光景―――

 

湯せんで置いておいた鍋のお湯を捨て、その中から緑色のボウルを取り出す。

かちゃかちゃと、ボウルの中にある、こげ茶色の粘質状の液体を、へらでかき混ぜながら、横目で隣にあるオーブンレンジの確認を行う。

(残り……一分…)

レンジの目盛は『60sec』と表示している。

(あと一枚くらい入れてもいいかな?)

油断は禁物といっても、量が少なければどうしようもない。だからといって多すぎるのもなんだが………

 

今作っているものは、甘党ならば大抵の人間が好きというような、カカオマスが主成分のこげ茶色の甘いお菓子、チョコレートである。

別に自分がチョコレートを食べたくて作っているわけでもなく、普通に食べるだけならば店で買ってきたほうが手早い。

では、何故自分で作っているのか?

 

それは、自分で作ったチョコレートをあげたい人物が居るからである。

誰に? という疑問は尤もである。チョコレートを渡すという行事は、銀河のとある星の行事『バレンタイン・デー』というものがある。

しかし、何たる偶然か、エルシオールの中にも、この『バレンタイン・デー』というものがあったのである。

エルシオール乗組員の約8割が『白き月』の巫女で編成された女性乗組員、さらに言えばそのほとんどがうら若き乙女と言える。

『バレンタイン』という日に想いを馳せる者も少なからず存在し、胸を高鳴らせながら当日を待ちわびているようだ。

当然、ムーンエンジェル隊も例に漏れず、その日を心待ちにしている。

ここで、『バレンタインの日なんぞ、製菓産業の広告戦略に踊らされた女供の愚かな祭典』など、野暮なことは言ってはならない。その女達本人は真剣なのだから。

まあ、こんなことを言うのは、よほどの硬派か、それとも1つも貰えない寂しい男なのか………

 

と・に・か・く!

 

このお話は、『バレンタイン・デー』に想いを馳せる乙女たちの物語である―――

 

 

 

 

 

/

 

 

 

 

 

バレンタイン・デー当日。

エルシオールのとある場所で、ある部屋の前に佇む一人の軍服の少女の姿があった―――

 

(ど、ど、どうしましょう………)

今の彼女の状態は、どくん、どくん…、と、かつてない速度で、心拍数が上がっていき、心臓の鼓動が痛いほど耳朶を振わしていた。

廊下中に鼓動音が聞こえてしまっているのではないかと思うほど、思考が安定しない。

心なしか、あまりの鼓動の大きさからか、身体が振動しているようにも思えてしまう。

(こ、こ、ここれでは上手く渡せませんッ!!)

心の中でも、どもってしまう彼女の状態は、お世辞にも良いとは言えない。

今の彼女を見て、顔は紅潮し、身体が痙攣を起こしているかのように震えているのが、風邪の類ではなく、緊張のためだということが判る人はどれぐらいいるのだろう。

(そ、そうだ、こういうときこそ深呼吸ををっ!)

「す、すぅぅぅ…は、はぁぁぁぁぁ」

深呼吸を何度かに分けて繰り返す。

やや、落ち着いたところで、両手で抱き抱えるように持っている『それ』をちらりと確認する。

(じ、準備は万端ッ! 後は私の言動次第!)

出来る限り表情を引き締め、『司令官室』と真正面に書かれたドアのプレートをキッと見据える。

震える手を伸ばしながら、傍にある『ブザー』と表示された赤いボタンに指を突き出す。

極度の緊張のためか、ブザーを押すまでの時間がとても長く感じられるほど………

 

どくん、どくん、どくん―――と、鼓動は一つ瞬きをするごとに、数十回脈を打っているかの如く速度を増す。

呼吸が出来ないほど緊張しているのにも拘らず、口の中はカラカラに乾き、喉が張り付いたように声が出せない。

動くのは手と頭の中のみ………

(あと、10cmっっっっ!! もうすぐに―――)

ブザーを鳴らせば、あの人が出て来る―――!!

そう思いながら、ブザーに指が触れた瞬間、突然、蒸気のような音を立てて、目の前の自動扉が左右に開き出した。

「―――っ!?」

不意の出来事に一瞬身体を跳び退かせてしまうが、扉から出てきた顔を見た瞬間、さらに心臓の鼓動が一際高く上がった。

 

「おっと……って、あれ、ちとせ?」

「タタタタタ、タクトさんっ!」

 

ドアの前で仰け反る2人の男女………

一人は困惑げに目を見開き、もう一人は驚愕のあまり身体を硬直させていた………

 

赤いリボンを付けた長い黒髪の少女の名は、烏丸ちとせ。

将校の服を着た黒髪の青年の名は、タクト・マイヤーズ。

 

 

ついこの間、恋人同士になったばかりの、不器用なカップルであった―――

 

 

 

 

 

From  烏丸ちとせ〜

 

 

 

 

 

パールホワイトを基調とした外壁、空間の端に申し訳程度に配置された、黒塗りのソファーとコントロールパネルの付いたデスク。奥には寝室となる部屋に繋がる自動扉があった。

 

およそ12畳分の広さからなる、この司令官室という殺風景な部屋の端で向かい合う、タクトとちとせの姿があった―――

 

エンジェル隊の司令官としてエオニア戦役と、未知なる敵『ヴァル・ファスク』との戦いを勝利へ導いてきた『皇国の英雄』の異名を誇るタクト・マイヤーズ。

片や、ヴァル・ファスクとの戦いでエンジェル隊の6番目の隊員として配属された新人、烏丸ちとせ。

 

片方は、普段は楽観的な考えを持つひょうきんな性格ながら、異性関係になると優柔不断の青年。

もう片方は、真面目を絵に描いたような毅然とした性格の持ち主ながら、極度のあがり症という大和撫子。

 

このような2人が恋人同士になるまで、どれだけの困難が待ち受けていたのかが、大体の人々は想像が付くであろう。

 

そんな2人であるのに、最近は仕事の都合などで滅多に会うことがなくなっていた。

そんな2人の様子を見ていた周りにいる人達も、やきもきする気持ちを抑えきれず、後押しするきっかけを作らせたのである。

 

2人っきりになれる日に相応しい、特別な時間を………

 

そして、今日、『バレンタイン・デー』がやってきた―――

 

 

 

 

 

「えーっと……少しは落ち着いたかい?」

「は、はい……申し訳ありません……」

タクトの気遣うような質問に、ちとせは頬を染めて俯きがちに返事をする。

「いやいや気にしなくていいよ。

確かにまた気絶したのは驚いちゃったけど……」

「………………」

その言葉に何も言えず、ソファーの上で縮こまる、ちとせであった………

 

端から見れば、放課後、校舎裏の木の下で告白をする途中の初心な学生同士にも見えるこの2人の男女。

だが、誰が判ろうか、向かい合って座り、お互いの顔をちらちらと窺いながら、眼を合わせれば途端に逸らしてしまうこの2人こそ、エルシオールでは知らないものは居ない有名にして不器用なカップルなのである。

 

司令官室の前でタクトの姿を確認した瞬間、ちとせは緊張のあまりドアの前で気絶してしまい、慌てたタクトは司令官室にあるソファーの上で介抱し、意識を取り戻すまでしばらくの時間を要してしまっていた。

そして、意識を取り戻したのはいいのだが、自分の不注意とはいえ、ソファーの上で寝かされていたことを知った瞬間、ちとせは再び気絶しそうになってしまい、堂々巡りを繰り返す―――

 

 

そして、2人が部屋に入ってから既に約10分が経過していたが、会話らしい会話はまだ成立していなかった―――

 

 

 

 

 

「………………」

「………………」

現在、気まずい沈黙が2人の間を侵食する。

(えーっと……とりあえず何か言わないと……)

 

お互い言いたいことがあるはずなのに言えない……そんな感じの奇妙な雰囲気。

だが、片方は緊張のためから言葉が出てこないのだが、もう片方は困惑から話を切り出すことが出来なかった。

(ちとせ……一体どうしたんだろう)

俯いて座っているちとせを、上目づかいでちらちらと眺めながら、タクトは目の前の状況に困惑していた。

 

タクトは、溜まりに溜まっていた書類整理を行うため、今日も一日中司令官室に閉じこもっていた。

そして、気分転換に飲み物を買いに行こうとした矢先、先のような出来事が起きてしまった。

何故こうなってしまったのか、とりあえず目を覚ましたちとせから詳しい事情を聞こうとしたのだが、なかなか切り出せずズルズルと悪戯に時間だけが過ぎていった。

では、言葉を発していない今がチャンスとなっているはずなのに、あえて訊くのを躊躇ってしまうのは何故か?

 

赤く俯いて、制服のスカートを指が白くなりそうなほど手を握り締めている、目の前の恋人に、何となく遠慮し躊躇ってしまう………

………さらに言えば、もう少し眺めていたい気もしているからである。

 

―――はっきり言って、この邪な思考と本能だけならばプレイボーイのそれであるが、根は純情であるこの青年に、自分から話を切り出すということも、やや無理があった。

 

 

「あの―――」「あのさ―――」

見事にハモる、お互いの声―――

「な、何ですか、タクトさん!?」

「い、いや、ちとせの方こそどうしたんだい!?」

狼狽しながらの第一声は、同じ類の質問―――

 

「タ、タクトさんから先に!」

「いやいや! ちとせの方から先でいいよ!」

「いえ! 私は―――」

「いや! オレは―――」

お互いに譲り合う気持ちは、思いやりに繋がるのかもしれないが―――

 

 

「「………………」」

 

 

結局は、振り出しに戻ってしまう、フォローの仕様が無いこのカップル………

 

 

謙譲の心は、時には永遠に進まない状況下を作り出す―――

 

 

 

(弱ったなぁ……)

心の声に反応するかのように、人指し指で頬を掻いてしまうタクトの姿。

目の前の状況に、ただひたすら困惑し、オロオロと視線を泳がせてしまう今の彼からは、判断力と決断に富んだ『皇国の英雄』の面影は感じられない。

 

ただ、その中で、考えられることがあるとすれば―――

 

―――彼女は、何をしにここへ………

 

純粋にして素朴なる疑問がタクトの脳裏を占めていた―――

 

 

 

 

 

/

 

 

 

 

 

だが、その疑問を口にしなかったのは、彼にとって………

 

いや、彼女にとっても幸いだったのかもしれない―――

 

(ど、どう切り出せばいいのか……)

目の前に居る恋人の様子を見ると、懐にある『それ』は辛うじて、ばれてはいないようだ。

だが、状況がまったく良い方向に、改善されて行っているとは思えない。

 

今日は『バレンタイン・デー』だというのに、未だに懐にある赤いギンガムチェックの包装紙でラッピングされたハート型の物体―――チョコレートを渡せないでいるのは、吾ながらじれったく、そして情けなく思う………

 

でも、チャンスは今しかないのに、何故か上手く行かない………そんな思考が表面に出てきそうなほど、今のちとせは恥ずかしさという名の緊張に見舞われていた。

 

10分という時間は人によって捉え方、感じ方が分かれるが、今の彼女にとっては何の進展も無いこの状況は、永遠にも感じられる長い刻(とき)であるのかもしれない。

(こ、こんな時……先輩方は、どうなさるのでしょう?)

そんな状況下にもかかわらず、ちとせの脳裏に自分の先輩の言葉が思い浮かぶ―――

 

 

“優柔不断な男相手に、向こうから切り出すのを待つなんて時間の無駄! ここは一気に女の方から攻めちゃいなさい!”

 

 

ここに来るまでに、その自信たっぷりにアドバイスしてくれた金髪の先輩は、喜びと優しさと言う慈愛に満ちた眩い笑顔を浮かべて、背中を押してくれた………

 

 

自分はタクトが優柔不断だとは思ってはいない。

(そうよね―――)

けど、何も進行しないまま、時が無駄に過ぎるのは嫌だ。

(このまま時間が無駄に過ぎるくらいなら―――)

それならば、自分の役目はハッキリしているではないか………!

 

 

 

無駄だと思う前に、考えよか先に、自分の気持ちを押し出すために―――

 

 

 

(いっそ、一思いに私の想いを―――!!!)

 

 

 

失敗を恐れず、全力で突き進め―――!!!!!

 

 

 

 

 

「あの―――!!」

 

 

 

 

 

/

 

 

 

 

 

(な、なんだろう……この空気は?)

黒髪の青年―――タクト・マイヤーズは悩んでいた。

もう成り行きで出来てしまったこの状況に。

部屋に誰も居ないのならば、両腕を回して頭を抱え込んでしまいそうなくらい、膠着状態と呼んでも差し支えの無いこの時間に。

 

始めは、俯いて座る目の前の恋人を、少しの間眺めるだけにするつもりだった。

だが、時間が経つにつれ、どう話を切り出せば良いのかが判らなくなってしまった。

 

何故あの時、彼女は自分の部屋の前に居たのだろうか?

何故あの時、ぶつかりそうなほど近づいていたのだろうか?

そして、何故気絶する時、真っ赤な林檎のように顔を耳まで紅潮させていたのか?

 

 

 

考えても判らない、訊こうにも切り出せない、結局はどうすればいいのか分からない―――

 

 

 

こんな時だけに、煮え切らない言動を取る自分を、普段の自分が見たらどう思うのだろうか?

普段の陽気な性格を知っている親友や他の乗組員、エンジェル隊のみんなが今の自分を見た瞬間、どんなふうに思うのだろうか?

 

 

 

 

 

端から見れば、喜劇だと思うであろうこの状況………

彼は悩んでいた。自分は彼女に何をすれば良いのかと―――

彼女は悩んでいた。自分は彼に何をすれば良いのかと―――

 

片方は顔を紅潮させながら俯き、もう片方は困惑げに眉間に皺を寄せながらソファーに座っていたが、真剣に悩んでいるのは同じであった―――

 

 

 

 

 

(―――ああ、もう、悩んでいても仕方ないじゃないか!)

無駄に時間が流れようとしたその時、青年は決断をした。

(ちとせが何を困っているのか知らないけど、こんな時に恋人のオレが悩んでいてどうするんだ!)

 

自らの臆病さに喝を入れ、俯いて座っている目の前の少女を射抜くように凝視する。

 

(早とちりしても、誤解されようと構わない! 彼女の力になれるのはオレだけなんだ―――!)

 

彼女が困惑に包まれているのならば―――

 

遅すぎる勇気を振り絞って、この状況を打破しよう―――!!

 

 

 

 

 

「あの―――!!」

 

 

 

 

 

/

 

 

 

 

 

「「あの―――!!」」

 

 

 

 

 

身を乗り出すようにして声を上げたタイミングは、これ以上無い同時さ―――

 

 

「………………」

「………………」

 

僅かな逡巡を経て、瞳と瞳が合ったその時、お互いの意思が伝わる―――

 

再び沈黙が訪れるといった振り出しに戻ると思われたその瞬間、暗黙の了解が2人を包み込んだ―――

 

 

 

 

 

そこには先程まで悩み、躊躇い、思考と身体が硬直していた2人の姿は無く、自然な形となった情景が広がっていた―――

 

 

「あの……タクトさん」

頬の紅潮は隠さず、黒髪の少女は青年を真剣な眼差しで直視する。

「なんだい、ちとせ?」

青年は真剣な眼差しながらも、安心感を持たせる微笑を黒髪の少女に投げかけた。

「あの今日の事なんですけど……」

「うん?」

「……あのッ……」

再び訪れる逡巡。

「ちとせ落ち着いて。オレは大丈夫だから」

もじもじと胸を押さえて俯くちとせを見据えながら、タクトは微笑を崩さず続きを促した。

(………………ぁ)

その勇気付けられるような囁きは、恥ずかしさと戸惑いに溢れたちとせの心を、温かいもので覆うような“力”を与えた。

「今日は、その……」

ごそごそと懐にあったそれを取り出し、再び顔を上げて、両手で『それ』タクトの前に突き出す。

「タクトさんにこれをプレゼントしに来ました!」

「……えっ?」

まくし立てるように、一度しか言わないかのように。

 

少女はまた一歩前へと歩み寄る―――

 

 

 

 

 

/

 

 

 

 

 

(ええっと―――)

タクトは目の前の状況に、凍りついたかのように思考が停止した―――

 

 

何故自分にプレゼントをくれるのかと言う、彼にとっては当然にして歓喜に満ち溢れた疑問………

 

 

茫然としたままの状態で、赤いギンガムチェックで包まれた『それ』を受け取りながら、タクトは無理矢理凍りついた脳を解凍する。

(今日は何の日だっけ? オレの誕生日でもないし、オレたちが初めて出会った日でもないし……)

仕事に追われ、周辺の様子に気を配ることの無かった頭は、徐々に歓喜から緊張感と焦燥感に苛まれる。

 

背筋から這いずるようにして湧き上がる冷や汗の不快感に耐え切れず、タクトは反射的に言ってはならないことを口にしてしまった―――

 

 

 

 

 

「今日、何の日だっけ?」

 

 

 

 

 

/

 

 

 

 

 

「―――えっ?」

 

その言葉が耳に入った瞬間、ちとせの心を太い杭が突き刺さったような衝撃が走った―――

 

「いや……実は今日は何の日だったのか忘れちゃって―――」

「………………」

茫然と顔を上げた視線の先には、照れるように、けど気まずそうに頬を掻くタクトの姿が―――

 

その視線を泳がすようにしながら、頬を染めた恋人の表情に、悪意の類は感じられない………

 

 

 

 

―――だが、それが何よりも、ちとせの決意で固められた心を打ち砕かれたような気がした。

 

 

 

 

何が悪いとは言わない、何をして欲しかったとも言わない………

 

ただ、今日が『バレンタイン・デー』であったことを、知っていて欲しかった―――

 

 

 

この場でこの言葉を聴いたものは、恋人同士ではなく、ただの職場関係の社交辞令のように思ってしまったであろう………

 

「………いえ……ただ、私の感謝のお気持ちを。

いえ、タクトさんには日頃からお世話になっているので、感謝として、その、渡しただけで―――」

ドロドロと泥のようなものが胸の中を覆い尽くすかのような、暗澹たる心境のまま咄嗟に思いついた言葉を言い繕う。

「本当に気にしないで下さい! ただ、ここまで来るのにどう切り出せばよいのやら迷っていただけで―――!」

無理矢理作った引き攣った笑みを張り付かせながら、何を言わせないようにあたふたと両手を煽ぐ。

 

 

―――瞳の奥からとめどなく熱いものが溢れ出し、喉の奥が貼り付いたように渇きを訴える………

 

 

青年がどのような表情をしているのか窺うこともせずに、身を震わせながら深々と頭を下げると、力無く、感情の籠らない口調で、それを呟いた―――

 

 

「……失礼致しました」

 

 

視界の端に映ったものは、赤い『それ』を片手で持ったまま茫然とこちらを見据えている青年の姿と、その先にある自動扉―――

 

 

様々な負の感情で埋め尽くされた顔を見せないようにして、ソファーから立ち上がり、自動扉まで駆け寄る―――

 

 

 

 

 

「ちとせ!!!」

 

 

 

 

 

扉まであと一歩となるところで、何かに腕を掴まれて足を止めてしまうまで―――

 

 

 

 

 

 

/

 

 

 

 

 

 

『それ』の表面に貼り付けられたメッセージ・カードを視界に捉えたのは、幸運だったのか、それとも不運だったのか―――

 

 

ちとせが何故か、まくし立てていたその時、偶然にもそのメッセージの内容が眼に焼きついてしまった。

 

 

“タクトさん

不束者な私からで御座いますが、常日頃の感謝と心からの愛情を込めてお贈りさせて頂きます       

                                             烏丸ちとせ”

 

 

カードの周辺には、四角を描くように、ピンク色のハートマークに埋め尽くされた服飾と、真上に表示されたアルファベットで書かれたチョコレート色の文字。

 

 

St. Valentine’s Day』

 

 

標準成人男性の掌から少し余るくらいの大きさのハート型の物体と、その物体の四分の三を埋め尽くすかのように貼り付けられた長方形のメッセージ・カード。

 

 

メッセージの内容と、カードの表示を見た瞬間、後頭部を重いもので殴られたような衝撃が襲った―――

 

 

“タクトさんには日頃からお世話になっているので、感謝として、その、渡しただけで―――”

 

 

 

焦ったような、困ったような、心の籠らない彼女の声が耳に入る………

だが、頭の中にまで入ることは無かった………

 

 

 

ただ………痛い………

 

 

 

ズキリと胸の奥底が、鋭い針で突き刺すような疼痛が、凍りついた心に何度も訴えかける―――

 

今、己の手に持っているものが何なのかが解ってしまった為の疼痛ではない。

彼女を視界に捉えていない今の自分を咎めるような疼痛でもない。

 

 

幾度も………幾度も………幾度も………泣き叫び拳で胸板を叩くかのように………

 

 

己の不覚―――否、余りの鈍感さ、不甲斐無さに嘆き、訴えるかのような疼痛であった―――

 

 

 

自分は今まで何をしていたのだろうか?

自分の手際の悪さから、担当すべき仕事を溜めて、こんな状況を引き起こしてしまった―――

 

 

 

その時、彼女との記憶が、まるでつい先日のように胸に去来した―――

 

 

 

『ヴァル・ファスク』との決戦の時、涙を流しながら彼女は微笑んだ。

―――貴方がいるからこそ、私はどんな道でも歩んでいけると………

 

 

 

星々の煌く、緑溢れる公園の夜空を眺めながら、彼女は言った。

―――ずっと私の傍にいてくださいと………

 

 

 

幼い日に父親を亡くし、母の手一つで育てられた彼女が、自分の身を預けられるほどの頼りがいのある存在………

その存在を確立した瞬間、「父親像」という呪縛を己の心から解き放つことが出来た―――

 

 

 

そんな彼女に―――恋人に、オレは何をしてやれたんだ?

 

恋人としての大切な日を覚えることすら、今までのオレは拒否してきたのか?

 

 

 

 

 

何気ない日でも、彼女にとっては大事なこととなる日を覚えることすらしないで、よく彼女の恋人などと自称していられるな―――!!!

 

 

 

 

 

視線を前に戻した時、彼女は長い黒髪を床につけるほどの深さで頭を下げていた。

 

 

 

それはまるで、何かに失望し、落ち込んでいるかのように、項垂れているかのように………

 

 

 

失礼します………と、哀しげな呟きを口にしながら―――

 

 

 

彼女が立ち上がり、わき目も振らず、その場から立ち去ろうとする。

黒髪に覆われた顔は、視界に捉えられることが無い。

一瞬だけ見えた彼女の瞳を潤ませる、あふれ出す透明な感情―――

 

 

 

(あっ―――)

その時、全てが解ってしまった………自分が今まで何をしてきたのか―――

全て解ってしまった………自分が今すべきことが何なのかを―――

 

 

彼女が離れていく―――

 

 

―――目の前にあった透明ガラスのテーブルを蹴り飛ばす勢いで、ソファーから立ち上がる。

 

 

 

 

 

判らないのではなく、判ろうとしなかった自分を情けなく感じた………

己を無力と信じ込み、助けを求めるようなその姿にも手を伸ばすことすら恐れた………

 

 

何故なら、いつの間にか自分の手で穢したくないほど、彼女を大切に想ってしまったから―――

 

 

自分のエゴで彼女を疵付けたくないほど、愛しいと感じてしまっているから―――

 

 

 

 

 

―――それこそ、自分の中で確定された、エゴそのものであったなんて………

 

 

 

 

 

仕事に追われたことが何の言い訳になるのか。

自分から何も動こうとしなかったのは、誰のせいでもなく、自らの責任である。

彼女が積極的に主張して来ても、曖昧に完結させてきた自分は、救いようの無い愚か者だ。

 

 

 

 

 

―――立ち上がった勢いをそのままに、彼女に近づき、手を伸ばす。

 

 

 

 

 

今の彼女を安心させるためにはどうすればいいのか………

 

 

 

自分には恋人に近づくことの出来る足がある。

自分には恋人を抱きしめることの出来る腕がある。

自分には恋人へ救いの言葉を差し伸べる声がある。

 

 

 

己を、そして彼女を想いやることによって、幸せの道が開けるのならば―――

 

 

 

 

 

「ちとせ!!!」

 

 

 

 

 

例え、地を這いずってでも、自分達の道を切り開いて行け―――!!!

 

 

 

 

 

 

/

 

 

 

 

 

 

 

「離して下さい、タクトさん!!」

「ちとせ、落ち着いてくれ!」

「いやっ!」

出口の側で争うように叫びあう2人―――

 

自分に関わる全てのものを拒絶するかのように手足を振り乱し、荒れ狂うように取り乱すちとせ。

その光景は、普段の彼女から感じることの出来ない、今まで裡に秘めていた感情を爆発させたような、ヒステリックなものを感じさせた。

「ちとせっ!」

「いや! 離して!」

そんな彼女を前にしても、タクトは怯むことは無かった。

狂ったように暴れだす彼女を取り押さえる手を、決して緩めることなく自分の腕の中に秘め続ける。

「っ、ちとせッ!」

「っ!?」

さらに暴れ続けようとする彼女を、両肩を掴んで振り向かせ、その瞳を真正面から凝視する。

 

 

振り向いた瞬間、彼女の瞳に溢れていた感情が、飛沫となって頬に付着する―――

 

 

怯えたように、拒絶するかのように、大きく円らな瞳は涙を流しこちらを見据えていた。

彼女がこうなってしまったのは自分の過ちだ………

端正な顔を歪ませながら、その綺麗な容貌は損なうことなくその場にあり続けている。

彼女を哀しませてしまったのは自分の愚かさのせいだ………

 

 

キラキラと、飛沫となった涙が、彼女が首を振り乱すたび、蛍光灯に照らされ霧散する。

 

長い黒髪を宙に舞い上がらせ、涙で頬を濡らすその顔立ちは、背徳感漂う幻想的な美しさを醸し出している―――

 

 

けど、彼女が一番似合う表情は、泣き顔よりも、微笑んだ顔………

 

微笑む彼女を見たければ、自分の力で微笑ませる―――

 

 

 

プレゼントも言葉も要らない―――

 

 

 

彼女に、恋人としてのオレの愛を直接伝える方法は一つしかない―――!!

 

 

 

 

 

/

 

 

 

 

 

(ぁ―――)

一瞬何が起こったのか判らなかった―――

 

彼の腕に抱きしめられ、彼の顔が急に近づいてきたかと思えば、視界が暗闇に染まり、唇に何か柔らかなものが押し付けられた………

 

 

 

 

 

それが、恋人であるタクトの唇の感触と知った瞬間、身体中の機能が停止した―――

 

 

 

 

 

耳鳴りがするほどの静寂さが、部屋全体を覆う―――

 

 

 

 

 

「………………」

「――――――」

情熱と言った逞しさも、欲望に流された激しさも感じられない、ただ押し付けるだけの拙い口付け………

 

 

けど、それが何よりも、彼本来の泣きたくなるほどの純粋な気持ちが、唇を通して伝わってきた―――

 

 

 

そして、どれほどの時間が流れたのか………

先に顔を離したのはどちらなのかも判らずに、ゆっくりと2人は離れていった………

 

 

 

 

 

「はっ……」

「んっ……」

唇が離れた途端、同時に溜息が洩れる。

お互い何も言わない。

何も言わず、ただお互いを静かに見つめているだけだった。

 

 

 

彼の瞳に映るのは、潤んだ瞳で自分を見上げている彼女の顔。

彼女の瞳に映るものは、真摯な眼差しで自分を見下ろす彼の顔。

 

 

 

やがて口を開いたのは、青年のほうであった―――

 

 

「ちとせ……」

「………………」

 

目線を逸らさず、じっとこちらを見据えるその瞳の奥には、何が映っているのか。

 

「ゴメン……」

「………………」

 

その時、何を思ったのか、自分から顔を逸らした。

 

 

「謝って済むことじゃないと思ってる……

でも、これだけは判って欲しいんだ」

 

 

それに構わず、彼は泣きだしそうな声で、心からの言葉を放ち続ける。

 

 

「………………」

 

 

謝罪の言葉に顔を逸らしたのでもなく、真摯なる視線に耐え切れなかったわけでもない。

 

 

 

 

 

ただ、彼の口から聞きたかったのだ………

謝罪の言葉よりも、たった一つの安心できる、温かな言葉を………

 

 

 

 

それは百の想いや千の眼差しよりも、思い遣りの篭った真摯なる言葉。

今の自分の心の中を覆い尽くす、黒々とした泥のような不安を打ち消すような、真実の言葉。

 

彼の気持ちは先程伝わってきたとしても。

 

「ちとせ、オレは―――」

 

彼の口から直接その想いを聞きたかった―――

 

 

 

 

 

 

 

「オレは、君の事を、心から愛してる―――」

 

 

 

 

 

「―――解っています、そのくらい」

 

 

 

 

 

「っ!?」

 

 

 

 

 

 

その言葉を聞いた瞬間―――

 

 

心の中を巣食っていた不安が取り除かれ、嬉しさと喜びと言う温かなものが胸の奥から湧き上がった―――

 

 

意地悪げに、悪戯と自らの想いを籠めて………

 

 

少し背伸びをしながら、真剣な表情の彼の首に腕を回し、そっと口付けをした―――

 

 

 

 

 

「ふわっ!? ち、ちとせ!?」

「ふふっ」

慌てる彼をそのままに、私は涙に潤ませた瞳で微笑み返す。

驚愕に目を見開き、頬を紅潮させて立ち尽くし、私を見つめるその顔に嘘は無い。

 

 

―――かく言う私も、火が点いたように顔が熱く、彼を見つめ続けるのも一苦労だ。

 

 

お互いそんな状態で相手の顔を凝視する。

 

改めて彼の顔を見ると、決して二枚目と言った顔立ちではない。

けど、時折見せる彼の優しげな表情が、たまらなく私は好きなのだ。

彼の普段からの態度、仕草から見ても自分のことを思い遣る気持ちは伝わってくる。

けど、直接口に出して言われるその言葉は、やはり格別なものだ。

好きな人だから身体中が歓喜に満ち溢れる。

愛している人だからこそ、直接囁いて欲しいものだ。

 

 

そう―――

 

自分だけの心からの愛の言葉を―――

 

 

 

 

 

/

 

 

 

 

 

しばし見つめあっていたが、自分達が何をしていたのかを思い出し、お互い再び沈黙してしまう―――

 

「………………」

「………………」

 

燃えるように顔中が熱く、相手の顔が凝視できず、ただ俯いてしまう。

ちらっと様子を窺うと、彼女も同じ状態で、上目づかいでこちらをちらちらと窺っていた。

 

 

思い出すだけで顔どころか、胸の芯まで熱くなる。

確かに自分が犯した失態を取り消すかのように、自らの意志で起こした結果だが―――

(や、やっぱり……ものすごく恥ずかしいよなあ……)

 

 

 

今まで数えるほどしか、してはいないが………

 

 

 

「そういえば、これが2回目だったような気が……」

 

 

 

思わず口に出してしまった言葉に、慌てて口を閉ざすも―――

 

 

 

「〜〜〜〜〜〜〜!!!!」

 

 

 

聴こえてしまったのか、大きく目を見開きながらこちらを見つめると。

 

 

 

ぼんっと、まるで音を立てて湯気が出そうなくらい、真っ赤になって俯いてしまった………

 

 

 

 

 

(か、可愛いな……)

そんな状態になってしまった彼女を見て、不謹慎にもそう思ってしまった。

 

透き通るように張りのある白い肌、艶やかな長い黒髪、カモシカの様なスラリとした四肢………

 

 

白皙の頬を赤く染めたピンク色のその顔は、少女の可憐さと女性の美麗さと言った、相反する美しさが眩く脳裏に焼き付く―――

 

それはまるで、月明かりに照らされた、一輪の月下美人のように―――

 

それを見たオレは、やっぱり自分も男だなと思うよりも、どれだけ自分がちとせのことが好きなのかを思い知らせてくれた。

そっと彼女の下に歩み寄る。

「あっ……」

抱きしめた瞬間、軽く驚きの声を上げる。

だが、その後は、こちらの胸に掌を置いただけで、胸の中に納まった形で見上げてくる。

その潤んだ瞳と紅潮させた頬を見る度に、彼女に対するこれ以上無いほどの愛しさが、胸の奥からふつふつと湧き上がって来るのが分かる。

「来年のバレンタインの日は忘れないでくださいね」

上目づかいのまま、彼女はこちらの覚悟を試すかのように口を開いた。

「うん、約束する」

「本当ですか?」

「絶対に忘れたりはしないよ」

「信用できません」

甘えるようにこちらの胸に頬を寄せながら、拗ねたような表情で呟く。

「じゃあ、どうすれば信じてくれるのかな?」

負けじと耳元で囁くと、宙に浮かんで消えてしまうかのような呟きが、耳朶を打った。

「もう一度………しれくれれば……信じてあげます……」

「ん? よく聴こえなかったんだけど?」

「………………」

意地悪げにそう言うと、彼女は胸に埋めるように、顔を紅潮した顔を隠してしまう。

力関係が逆になってしまったかのような感じだ。

 

―――よし、もう一息。

 

「やっぱり……オレなんかじゃ信用できないよな……」

本心からでもなんでもなく悲しそうに呟く。

身を離そうとすると、まるで離れまいとするかのように、彼女の両手がぎゅっと僅かに力を籠めて服を掴んだ。

「……意地悪です……」

頬を赤く染めながら、拗ねた表情で呟く。

視線を逸らしながらのその表情は、岩で造られた防壁を鉄球で粉々に打ち砕いてしまうかのような衝撃を与えた。

「じ、じゃあ、どうすれば、信用してくれるんだっけ?」

うわずりそうになる声を必死で抑え付けながら、もう一度意地悪げに問い直す。

「………………」

彼女は少しの間逡巡すると、軽く深呼吸を行い、こう答えた―――

 

 

 

 

 

「もう一度、キス してくれたら、信じてあげます」

 

 

 

 

 

「よろしい」

 

 

 

 

恥ずかしげに、耳を澄まさなければ消え入りそうな、一つの囁き―――

 

 

 

お返し、とばかりに、今度は優しく、ゆっくりと自分のほうから口付けを交わす―――

 

 

 

 

 

軽く、お互いの体温を感じあうかのように、唇を押し付け合う、純粋な恋人同士の口付け―――

 

 

 

 

 

本日三度目の口付けの味は、チョコレートよりも甘く、切ないものだった―――

 

 

 

 

 

 

 

 

重なり合う二つの男女の姿………

 

 

 

たった一歩、されど、大いなる前進を遂げた恋人たちに、末永く幸あれ―――

 

 

 

 

 

FIN〜

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〜あとがき〜

 

 

 

 

 

ケッ、バカップルが!(挨拶

 

 

タクトとちとせのことじゃないですよ〜(笑

 

リアルで見た電車の中でいちゃついている、垢まみれのような不健康な色黒のクソカップルのことです(口悪過ぎ……;

 

 

申し遅れました、私の名は、いつの間にかハードシリアス作家と思われているような人間、ペイロー姉妹という者です。>くだりが長げーよ!

 

 

さて、甘いものが苦手な私にとって、バレンタイン・デーという日は、とてつもなく苦手な日となるのですが………

 

 

今回、期間限定イベント物のG.A.SSを執筆させていただきました。

 

 

ハッキリ言わせて貰います………

 

 

 

 

 

ちとせラブラブ作品SUKUNEEEEEEEEEEEE!!!!!(核爆

 

 

 

 

 

他のエンジェル隊のラブラブ物は良く見かけるんですよ!

けど、ちとせの作品って少なすぎやしませんかぃ!?

 

待てど待てど、タクトとちとせのラブラブSS作品は出てこない………

 

 

 

それならば、自らの手で創作してみようってなワケで、今回の題材をバレンタイン・デーにしてみました。

 

 

実はですね………

 

 

私、これが初めて書いたラブストーリー物ですからァァァァァァァァァァァ!!!!(爆

 

 

 

 

でも、何か、ラブストーリー物にしては、重いって言うか、何というかただのシリアスっぽくなったような気が………(汗

 

 

まあ、いいかw 一応はホッとしてるし(誰が?

 

 

 

私的に、ヴァニラと並ぶG.A.萌えキャラ、ちとせを書くことが出来たのは、かつてない至上の喜びと存じます。

 

 

この作品を書き終わった後の感想は、たった一言―――

 

 

 

 

 

は、恥ずい………//////(赤面

 

 

 

 

 

なんじゃあこりゃあ!?

よくこんな恥ずかしいストーリーに仕上げたもんだなあ、オイ!

MLとELをごちゃまぜにして、自分の脳内補完を組み合わせたものですが、

決して原作やゲーム版の後日談ではありませんのであしからず。(爆

自分で自分を無理矢理襲ってしまった気分です(ぉ

 

 

いえね、リアル知人に、「お前最近SS書くのサボってんじゃねーの」と言われて刺激されたわけじゃないんですが、もうすぐバレンタインだからそれを題材にしてなんか書け! と言われて、ミント派のそいつと殴り合いになるほど、カップリングに悩んだことはここだけの秘密です(バレてる

 

 

さて、最後に。

いかがでしたでしょうか、この作品は?

 

今度は他のキャラを見てみたいでしょうか?

私もアイデアが出てきたら、ぜひ挑戦したいと思います。

 

 

それでは、また。

筆者 ペイロー姉妹