ギャラクシーエンジェルBeloved lovers

 

【新たなる戦い】

 

銀河展望台公園、そこの芝生に寝転がってタクトはレスターに渡された資料を読んでいた、紋章機Σ(シグマ)アークエンジェルについて、駐留艦隊と謎の蒼い艦隊との交戦記録、資料映像、エルシオールの物資の状況など。

無論、ここで資料を読むのはいつもの――机にかじりつくのは健康に悪い!――というやつである。

実際には半分サボりたいだけ・・・・・

 

ピンポンパンポーン〜♪

 

館内放送のチャイムが鳴りおもむろに空を見上げる。

『本艦はこれより出港します、マイヤーズ司令、ミルガルド参謀は至急ブリッチにお戻り下さい』

アルモの声が聞こえる。

「あれ?もうこんな時間か、いそがないと」

タクトは腰を上げ、書類を小脇に抱えて慌てて走り出し・・・・・

 

ツルッ

 

ドテッ

 

・・・・・コケた

 

 

 

「エルシオール出港します!」

「よし、ドライブポイントまで移動後、フリーム星系までクロノ・ドライブだ!」

レスターが指令を下す、それにココが、

「ここからですと途中でハーネス星系でドライブアウトする必要がありますが」

「それでいい」

フリーム星系はクラウル星系の隣の星系で、おそらく次に狙われると推測される為エルシオールはそこに向かっている、ハーネス星系はその途中にある星系の一つである。

「了解!ドライブポイントまで約一時間です!」

 

 

 

「ドライブアウトまで、5,4,3,2,1,ドライブアウト!」

 

ヴィュゥゥン

 

「ドライブアウトしました!艦内各部異常なし!」

エルシオールは二度のクロノドライブを行い、フリーム星系に到着した、これからフリーム星系の惑星カクリクの宇宙港に入港するのだ。

 

ビービービー

 

艦内に警報が響き渡る、

「どうした!?」

レスターの叫びにココが答える、

「本艦より二時の方向にドライブアウト反応! 距離8000! 例の艦隊と思われます!」

「敵の解析を急げ!」

「了解!」

にわかに艦内が騒がしくなっていく

「総員! 第一戦闘配置!」

「了解! 総員!第一戦闘配置! エンジェル隊は紋章機に搭乗して下さい!」

「タクト! おまえの出番だぞ!」

レスターに言われてタクトもそれに

「ああ、まかせてくれ」

自信満々という感じのタクト

「久々で腕がなまってないだろうな・・・」

皮肉な笑みをレスターが浮かべる

「うわ! 信用されてないな!」

「さすがに半年も間が開いているからな・・・」

「大丈夫だって、不足はみんなが補ってくれるだろうし・・・ね」

などとタクトが言うと

『おっ、あたしらは信用されてるみたいだねぇ』

フォルテが通信で話してくる、それにミントも

『ふふ、半年ぶりの私達の戦いぶり見て頂きましょう』

『タクト! あんた、ちゃんとやんなさいよ!』

「分かってるって、ランファもたのむよ!」

『誰に言ってるのよ! あたしを誰だと思ってんの?』

『・・・油断大敵』

『そうですよランファ先輩』

『ははは、相変わらず仲がよろしいようですね、みなさんは。』

次々と、ヴァニラ、ちとせ、レナードの順に突っ込まれていくランファ

『まあ、タクトさんが指揮を執って下さいますから、私も紋章機での戦闘に集中できると言うものです。わたしとエンジェル隊でなら、問題有りません』

 さりげなく自信満々なレナードは、にこりとほほえんだ。

『タクトさん! 私頑張ります!』

画面いっぱいに顔を出しながら、元気いっぱいに言うのは、

「ミルフィー大丈夫かい?」

『大丈夫ですよ! シュミュレーションで練習しましたから、もう勘は取り戻せましたよ!』

「そうか、じゃあ、まかせるよ!」

「マイヤーズ司令! 敵の解析が出来ました!」

アルモが報告をする。

「よし、メインスクリーンに出せ」

レスターが命令する

「戦艦クラス1駆逐艦クラス4巡洋艦クラス5だな、小惑星を挟んだ向こう側にいる、どうするタクト?」

聞かれたタクトは

「そうだな・・・、エルシオールは右側の小惑星帯(アステロイドベルト)の後ろに行こう、作戦目標は敵の全滅だ、一隻も逃がすな!」

「了解、作戦目標は敵の全滅だ」

「よし、エンジェル隊!出撃だ!」

『了解!』

 

 

「司令!敵艦から通信です!」

「!! つないでくれ!」

『おほんっ、あー、こちらは帝国宇宙軍である!』

40代くらいの男が画面に映る

「・・・まさかまたクーデターとか言うんじゃないだろうな・・」

『ふふ、わたしはギルバート・アルメイソン!我らカーネル帝国が宇宙の支配者となるため、今こそ我ら・・・』

 

『はぁ・・・』

 

ブリッジやエンジェル隊にため息が響く

『なんだ! その反応は!? 驚け!』

「いや、何か皇国以外に国があったという驚きとかよりも、何かこんな光景が前にもあったなぁとかいうほうが・・・」

タクトがあきれた声で言う

『貴様ら! 我々がどうしてこんな兵力を保有してるのかどうかとか気にならんのか!?』

 

「おお!」

「気になる気になる!」

 

『そうだろ! そうだろ! いや〜、やっと相手にしてもらえる!』

 ギルバートと名乗るその男は、菅野艦長とかがかぶってそうな艦長帽子のつばを持ち、にやりと笑う。

「よし! どうしてそんな兵力を持ってるんだ?」

タクトの質問にギルバートは嬉しそうな顔になり

『ふはははは!敵にそんなことを教えるとでも思ったか!』

 

『帰れ!!』

 

全員が一斉に怒鳴る、

『えぇい! うるさいうるさい! おい! 攻撃を開始しろ!』

『了解』

音声だけだが、おそらく部下の声だろう

「まったく、訳のわからんやつだ・・・」

レスターのつぶやきにアルモが

「本当に、でも帝国ということは、皇国以外にも国があったてことですよね、EDENが一年前に見つかって、こんどは他にも栄えていた国があったなんて。」

「その帝国がどれくらいの大きさかは知らないが、皇国まで遠征してくるとは、クリウム星系より先のいくつかの星系には誰も住んでいないはずだが、どれだけ遠くから来たんだか・・・」

「あ! 敵がこちらに接近してきます!」

ココが素早く報告する

「まあ、何にしても敵は撃退しなくちゃな、エンジェル隊! 今度こそ出撃だ!」

『了解!』

7つの光りが銀河を駆ける!

 

 

敵の旗艦内、司令官席に座るギルバート、

「ふん、たかが戦闘機ごときで何が出来る、MH部隊を発進させろ!」

「了解、MH部隊は機体に搭乗、指示があるまで待機」

ギルバートは不敵に笑う

「くくく、我らに与えられた力をとくと思い知れ」

 

 

「おいおい、なんだありゃ」

フォルテの乗るハッピートリガーのコックピット、そこでフォルテは一人つぶやく、

「おい!タクト!なんだいあの戦艦から出てきてるのは・・、十機くらいしかいないけど、あれはどう見てもアークエンジェルが変形した時みたいな人型の機械じゃないか?」

「そのようですわね」

ミントもそれに同意する

「むこうにもMHの元になるようなものでもあったのでしょうか・・・・」

レナードが興味深そうに敵MHをみる

「!! ちょっと、あのMH! 早い!」

ランファがさけぶ!

MHはもともと対戦艦用兵器として開発された物です! 紋章機のスピードならば大丈夫ですが、エルシオールに接近されると少し危険ですね。」

『全機MHをエルシオールに近づけないようにしてくれ!』

タクトから紋章機に通信が入る、

『了解!』

エンジェル隊の返事が返ってくる

『敵MH! 更に接近!』

ココの報告に緊張が走る!

「さあみんな! きばっていくよ!」

『はい!』

フォルテの言葉にエンジェル隊は声を返す、七色の光りが敵に向かっていった。

 

 

MHが紋章機に向かってビームライフルを撃ちまくる、紋章機達はあるいは攻撃をかわし、あるいはシールドではじきながら接近していた、

「気をつけて下さい! MHは接近戦が前提になっています!」

レナードが注意を促す。

元々MHと言うものは、対戦艦・戦闘機用に開発された物である、離れたところから迫る敵に対してビームを使い、接近してきた場合は近距離戦で一気に破壊する、MHが人型をしているのには物をつかむことが出来るというのがある、銃を持ち近距離専用のナイフ、場合によっては近くにあるものを掴んで放り投げる、進むときは匍匐前進、バランス取るのを機械にやらせると苦労する人型だが、利点が欠点を上回ったのだ。

「くそ! こっちの攻撃をよくかわしやがる!」

フォルテが毒づく、

「・・・敵の持つ盾はある程度のビームははじくようです・・」

ヴァニラが冷静に分析する、

「たっく、余計なもの作ったわね! このっ!アンカークロー!!」

ランファのカンフーファイターからアンカークローが発射され、敵のMHのうち、一機を落とす。

「よし!」

「すごーいランファ、よーし、あたしも!」

ラッキースターがビームを連続で発射する、手加減無しだ、盾で受けきれずに大破していく、

「烏丸ちとせ、まいります」

シャープシューターの長距離レールガンで、さらに二機が落とされる

ミントのフライヤーや、フォルテのミサイル、ヴァニラの攻撃でそれぞれ一機、

「逃がしませんよ!」

レナードのアークエンジェルから発射されたビームはMHの胴を性格に射抜く、機関部に当たったのか一撃で爆散した。

ミントが更に一機のMHの頭部を打ち抜き、

「えっ!?」

ミントの驚きの声が上がった、

「どうした?ミント?」

フォルテが聞く、ランファも

「何かあったの?」

「・・・どうされました・・」

「先輩?」

「どうしたのー?」

「何かありました?」

他のメンバーも心配する

「それが・・・、MHの胴が開いて、中から人が・・・」

「有人機だってのかい?」

「え? そうなんですか?」

驚きをあらわにする、

「両手をあげて降伏を示していますが・・・」

「みなさん! 後続が来ました!」

レナードが叫ぶ

「・・・敵が迫ってきます」

「ミント! そいつはどっかに置いときな!」

「分かりましたわ・・」

「来ます!」

レナードが叫ぶ

『一番機と二番機は前方を、他は左右から回り込んでくれ!』

『了解!』                               

タクトの指示か飛び、エンジェル隊がそれに従がってうごきだす!

 

程なく敵を壊滅させたが、敵司令官の船と他数隻を逃してしまった、新たな戦いへの予感と、新たなMHという存在が皆を不安にさせていた。

今回の戦いは本星に報告され、軍で話し合われることとなった。

 

 

 

エルシオールブリッジ、

「帝国か・・・、まさか、他の国から侵攻とは、時空震によって、先代文明が滅んだ、いや、正確には滅んでいなかったが、それから皇国以外にも国が興っていたとは・・・」

レスターがいう、

「しかも、今までと違って、今度戦うのは同じ人間です・・・」

ミルフィーユが悲しそうにつぶやく、

「でもねぇ!」

ランファが言う、

「あたし達が戦いたくなくても、敵はやってくるのよ! みすみす殺られるつもりはないわ! あんただって、タクトと暮らす為に戦おうとしてるんなら・・・、ちゃんとやんなきゃだめなのよ!!」

「ごめん・・ランファ・・」

「あ・・・・ごめん、あたしも言い過ぎた・・・」

話がとぎれたところを見計らってタクトが言う

「何にしてもだ・・・、敵の先遣隊は撃退した、おそらくクラウル星系を侵攻拠点にしているはず、まずは、軍からの指令を待とう、今は解散してくれ」

『はい』

ぞろぞろとエンジェル隊がブリッジから出て行く、

「しかし、」

レナードが残っていた、

「今回の件、そう簡単なことで終わるのでしょうか・・・」

彼は正しかった・・・

 

〈つづく・・・〉

 

 

[あとがき]

どうも蒼穹です、う〜ん、あんまりシリアス傾向に傾くのは苦手なのに・・・

さて、やっぱりここは作品の一部を解説しようかなと思います、長くならない程度に。

MH、ガ○ダムとかに出てくる連邦の量産とかを想像して下さい、いずれメカの絵も描く予定、帝国とか色々なのを出すけど、実際はたいしたこと無いオチになるかも?

まあ、今回はこんなところでしょうか?

次回はギャグになるのか?では、次回もお会いしましょう。

 

追記 7月1日

 少し変更点あり、うう、見直すたびに憂鬱になる・・・・