ギャラクシーエンジェルBeloved lovers

 

【○○はつらいよ】

「う〜〜ん」

     ・・・

「う〜〜〜〜〜」

     ・・・・

「むむむ」

・・・・・・・・・・

「うみゅみゅみゅ」

「わけわからん・・・」

レスターは横で変な声を出し続けているタクトにつっこみを入れた。

「なんだレスター!俺は今、重大なことで頭を悩ませているというのに。」

「ミルフィーユとデートのことか?」

「う!!なぜそれを!?」

レスターはあきれ顔で

「おまえが仕事のことで悩む事態、人類滅亡の第一歩なんだ・・・それでも悩むなら、

明日世界が滅びるか、それしかないだろう。」

「なにもそこまで、しかも何でそんな二択になってるんだ・・・・」

「とにかくだ!」

タクトの言葉を遮り

「おまえには今から運ばれてくる書類に全て目を通すという重大な任務が・・・」

話の途中で予備動作をすっ飛ばし、神速の動きでタクトがブリッジから逃走する

「ふふはははは!また会おう諸君!」

変なノリで逃げ出すタクト、舞い上がりすぎだ・・・

それにレスターも

「逃がすか!前回も縄抜けなんてしやがって!」

「ミルフィーユの為なら地獄のそこからでもはい上がってみせるさ!いや、俺のことだから天国だな。」

「しね!馬鹿は死ななきゃ治らないからおまえは百回くらい死んで馬鹿を治してこい!!」

「おれは!まだ死ぬわけにはいかない!」

また変なノリでタクトが叫ぶ

「うるさい!親友だというなら!少しは俺の苦労も察しろ!」

「敵なんだ!今のあいつは!なら倒すしかないじゃないか!」

「アス○ンかおまえは!?」

「とにかく、予のため自分の為!そんでもってミルフィーのため!おれはいくぞ!」

「なんだ!世の為じゃなくて予の為って、自分のことを指すんだぞ!くそ!捕獲班!

あの銀河級馬鹿野郎を捕まえろ!」



『了解!』

突如廊下の角から何人もの声がする!

「うわ!!!」

タクトの断末魔は一瞬だった

 

「で、これが報告書なんだが・・・・」

「何事もなかったかのように話さないでくれよ・・・」

結局、タクト捕獲チームの健闘により、無事にタクトは捕獲され、

現在はブリッジの司令官席に、縄どころか鎖で縛られ、鍵もいくつも付けており、

おそらく鍵と鎖の総重量はタクトより上と言うくらいの量で拘束していた。

「(クールダラス副指令、なんだか嬉しそうね)」

「(ああ、あんなふうに小さく喜びをかみしめてる副指令もステキ・・・)」

「おい、今は勤務中だ!私語は慎め」

それにアルモは驚き

「ク、クールダラス副指令!い、今の話し・・聞いていらっしゃったんですか?」

「ん?おまえらの話の中身まで聞いていないが」

「ほっ」

「あの〜〜」

控えめにココが手をあげる

「なんだ?ココ?」

「マイヤーズ司令がいなくなっています・・・」

「なに!?」

急いで後ろを振り返るが既に司令官席には開けられた鍵と鎖しか残っていなかった。

「鍵は全てこの通り俺が持っているはずなのに、あいつ、どうやって抜け出したんだ?」

片手で鍵を取り出しながらレスターが言う

「愛です!」

アルモが断言する!

「司令のミルフィーユさんに対する愛が不可能を可能にするんです!」

「いつもなら笑うところだが・・・にわかに信じなければいけなくなってきているな・・・」

レスターはいろんな意味で恐怖した。

 

「やあ、ミルフィー!」

「あ!タクトさん!」

銀河展望台公園、一人でさんぽでもしていたのかミルフィーユがそこにいた。

「どうしたんです?お仕事は忙しくないんですか?」

「ははは!大丈夫!俺の一番の親友が代わりに引き受けてくれたよ!」

「わ〜、いい人もいるんですねぇ〜」

その「イチバンノシンユウ」とやらがいたら

「何が親友だ!!」

などといっていたことだろう

「しばらく忙しくてあえなかったからね、久々にデートしたいと思って」

「あ、お弁当とかありませんよ?」

「いや、ピクニックするまでの時間は・・・」

「う〜、やっぱり忙しいんですね?」

本当はそれだけの時間見つからずに逃げ通せる自信がないだけなのだが・・・

「取りあえず奥の芝生の方にいこう」

「はい!」

 

「タ〜〜〜ク〜〜〜ト〜〜〜!!!!」

ヤクザでもダッシュで逃げ出すような形相でレスターはブリッジにいた。

「そ、そんなに起こるなってレスター」

ミルフィーユとのデートを満喫して帰ってきたタクトは極力フレンドリーに行こうとしていた、ただしひざが笑ってる。

レスターなら俺を捜して艦内中を探し回っているだろうと踏んだのだが残念ながら待ち伏せ作戦に出たようだった。

「怒るな〜〜?貴様・・・あれだけ俺に迷惑かけておいて、一人だけすがすがしく帰ってくるな!!

おまえは司令官としての自覚は一ミクロンでもあるのか!?」

レスターの言葉にいやな汗をだらだらかきまくったタクトが

「いや、あのさ、若気のいたりというかその・・・本当に、仕事はちゃんとするから、おねがい!命だけは!」

レスターはさわやかな笑みを浮かべ

「ダーイ・・・」

それは死刑宣告だった。

 

 

 

なぜか生きていたタクトはレスターに電磁ロックのかけられた拘束具に、

後ろから三人ほどがサブマシンガンを頭に突きつけてきている、両手だけは自由になっており、開いている手で書類を片付けていく。

「そして、こいつが次の出撃までに」

レスターの的確な説明もあり取りあえず仕事ははかどっているようだった。

「レスター」

突然タクトがつぶやく

「なんだ?」

レスターは答える

「トイレ行きたい」

「引っ込めろ!!」

レスターは思わず怒鳴った

 

「ふう、まったく、マイヤーズ司令がもう少しまじめに仕事してくれればクールダラス副司令ももうちょっと楽になるのに」

エレベーターホールの自動販売機前、アルモとココは飲み物をのみながら話していた。

「ちょっと位じゃダメだろうけどね。」

ココがいう

「それでも、あんなに副指令が忙しくっちゃ私がどんなに頑張っても・・・」

「う〜ん」

「そりゃ、あのお堅い副指令だからねぇ、そう簡単な事じゃないと思うよ」

『え?』

二人が後ろを振り返ると、そこにはフォルテが立っていた

「フォルテさん!」

「はは、ま〜たタクトが何かやらかしたのかい?まったく、副司令も大変だねぇ」

それにアルモが同意して

「まったくですよ、こんなんじゃいつまでたっても私が・・・」

子供みたいにほおをふくらませる。

「う〜ん、マイヤーズ司令がちゃんと仕事をすることはまずないだろうし、どうすればいいかな?」

「ふふ、いい方法があるよ。」

「え?な、なんですか!?それは!?」

フォルテはいたずらっぽい笑みを浮かべ

「ふふ、そいつはね・・・・」

ごにょごにょ

「ええーー!?」

「それは過激じゃ・・・」

アルモとココが顔を真っ赤にする

「ん?簡単だろ?こうドンッとベットあたりに」

「ああああ!!それ以上は発言禁止です!」

「だから、こう部屋に連れ込んで・・・」

「あああ!!だめですってば!」

 

ビーーッビーーッ

艦内に警報が鳴り響く

「なに!?」

「!!アルモ!急がないと!」

「うん!それじゃあ!フォルテさん!頑張って下さい!」

それにフォルテが

「ああ!あんた達もしっかりやりな!」

と答える。

「それじゃあ!」

三人はそれぞれの持ち場に走っていった。

 

「エンジェル隊!全機の搭乗を確認しました!」

「よし!エルシオール出港!前進微速」

「了解!前進微速!」

操縦士が命令を復唱する

「敵をレーダーで捕捉、距離5500!」

ココが報告をする。

「敵の解析を急げ!」

「了解!」

「エンジェル隊!敵の艦隊の数は現在解析中だが、かなりの規模だ、

味方の艦も援護してくれるが、数では圧倒的にこちらの不利だ!注意して戦ってくれ!」

タクトがエンジェル隊に通信を入れる

『あたしらは油断何かしないよ!』

『ええ、私たちが華麗に勝利を勝ち取って見せますわ』

フォルテにミントが答える

『今までに多くの修羅場をくぐってきた皆さんですから、このくらいじゃ同様もしないんでしょうかね?』

レナードが疑問に思ったか聞いてくる

『まあ、これよりも大変なときもあったし。』

『エルシオールがかなり損傷した状態で敵陣を突破しなくてはならなくなったときもありましたし。』

『あれ?そんなことあったけ?』

ランファとちとせが答えるがそれをミルフィーユが疑問に思う

『あのときはミルフィー先輩は白き月にいらっしゃいましたから、いちよう、その間にあったことはお話ししたのですが・・・』

『う〜ん、そうだっけ?』

「おい、そろそろ無駄口は叩くのをやめたらどうだ?もう敵の解析は終了したぞ?」

『あ、す、すみませ〜ん!』

ミルフィーユがすまなそうに謝る

「まったく・・・」

レスターがあきれ顔で言う

「アルモ、作戦図をモニターへ」

「了解!」

メインモニターに周辺の宙域図と敵の配置が表示される。

「敵の数は、戦艦クラス3巡洋艦、駆逐艦が4、あと、見慣れない大型艦が一隻だ、おそらく重戦艦と思われる」

レスターが敵の数を数える

「あの大型艦、エルシオールよりでかいぞ・・・」

タクトのつぶやきに

「そうだな、スピードはたいしたことなさそうだがなかなか手強そうだ。」

「敵艦から通信です!」

アルモが叫ぶ

「!!よし、つないでくれ!」

『あー、おほんっ』

「切ってくれ」

「了解」

『うわ!おい!きるな!今回はなされる方は私などよりもずっと偉く優秀な・・・』

ギルバートが通信でなにやら叫んでいるが

「いや、おまえよりも優秀なやつなら探せばいくらでもいると思うが・・・」

レスターがもっともな意見を言うが

『うるさい!とにかく!神妙に聞け!!どうぞサーベルト様。』

「サーベルト?」

タクトがつぶやく

『うむ、ごくろう』

画面にオールバックの髪の男が映る、ほおがこけている鋭い目つきの男だった。



『はじめまして、皇国の軍人の皆さん、私はトランスバール侵攻艦隊指揮官、

サーベルト・アストレンだ、諸君らに降伏を呼びかけたい。』

「聞くと思うかい?」

タクトが司令官席から言う

『ふむ、まあ無理だろうな・・・では、諸君らは我々と徹底的に戦うと?』

「出来ればどちらも和平に望んでくれればいいんだけど」

『出来ると思うかね?』

「無理だろうね・・」

タクトが初めから諦めてました、という顔で答える。

『そういうことだ、我々は所詮相容れぬもの達だ』

「?それはどういう」

タクトの質問を遮り

『では、行かせて貰うぞ、攻撃開始!』

そこで通信はきれた

「敵艦隊こちらに接近!MHの発進を確認しました!」

ココが報告をする

「エンジェル隊!出撃!」

『了解!』

エルシオールの下部ハッチがひらき、紋章機が発進する。

 

【あとがき】

急ぎ足で話を進めていく物語、あとがきを改稿しようとしても、

大してまとまりがない為に、話題なども見つかるはずもなかった。

などと言いつつ、蒼穹一です、このあとがきは、2005/7/23に打ち直した物です。

さて、新たに登場する帝国軍(と名乗っている)の指揮官、色々と考えてはいるけれど、

なかなか大幅改稿するわけにもいかずに対して変わらないまま、取りあえずまた次回へ持ち越し。