ギャラクシーエンジェルBeloved lovers
【You to the partner ・・・】
アルモは悩んでいた、いつだかのタクトのように変な声こそ上げないが、とにかく悩んでいた、アルモはリロ&ス○ィッチのユキの声で言う(そのままじゃないか・・・)
「副指令をどうやって誘おう・・・」
彼女の悩む点はその一点に尽きた、舞踏会の開催が決まり、参加がレスターにも義務づけられた今、どうせ女の人を誘うなどということは今までやったことのない彼である、自分から誰かを誘うことはないだろうとはいえ、いつもの彼女の性格とは裏腹に
「そ、そんなこといえるわけないじゃないのよ!!」
とギル○メッシュのクインケの声で叫ぶ(だから同じだって)
ゲーマーズエクスプレスの司会までやった彼女だが(また声優ネタ)(しかもご本人)
レスターを舞踏会のパートナーとして誘いたいなどと、そんな恥ずかしい!と、まったく持って前に進めないでいた、彼女の友人であるココもスクラップ○プリンセスのジルの声で慰める(もういいって・・・)
「アルモ、誘い文句をちゃんと考えれば大丈夫よ。
副指令は悪い人じゃないし、むげに断ることもないはずよ。」
「うう、ココは焼きた○ジャパンに何度もゲストで出ているからいいだろうけど!こういうことには慣れてないのよ!」
「こういうことに慣れている人もどうかと思うけど・・・
とにかく、何もいわなきゃ始まらないの!デ・ジ・キャラットファンタジーで雛菊をやったときのことを思い出して、代々邪神を倒す刀を受け継ぐ一族で・・・」
そろそろ声優ネタも飽きてきたな(いいかげんにしろ)
「よくわからないけど!とにかく、やってみるしかないよね!ありがとう!ココ!」
よく分からないままネタのまま、アルモはブリッジから飛び出していった。
レスターは悩んでいた、いつだかのタクトのように変な声こそ上げないが、とにかく悩んでいた、
「俺はいったい誰を誘えばいいんだ?」
彼の頭はこれでいっぱいであった、正確に言えば誰かといっしょに踊ることはない、別に舞踏会に出席しても無理して踊ることもない、エルシオールクルーの大半が女性のため、パートナー付となるほうが少ないのだが、生真面目な彼の思考回路が混乱しており、追い討ちをかけるようにタクトの言葉で完全にショートしていた。
「そもそも俺は人付き合いをこの間のクルーとちゃんとしていたのだろうか?」
彼の場合ほとんどブリッジにいるか、部屋での書類仕事、ほかの場所にいることなどほとんどないことである、そのため、一番話すのはブリッジ要員、その中でも一番会話が多いのはアルモとココの二人だ、
「アルモか・・・」
思えば彼女はなぜか俺に世話を焼いてきて、その感謝の意味を込めても・・・
「アルモなら、大丈夫かもしれん」
言ってレスターは席を立ち、ドアから部屋を出ようと・・・
「副指令!」
扉を蹴破り(比喩なし)レスターの自室に転がり込んできたのはアルモであった
「副指令!どこです!!副指令?すみませーん!えっと、その、ぶ、ぶぶぶ舞踏会の、その・・・パパパ、パートナーで、あーうー」
勢いでここまで来たが肝心なところでうまくいえない、当人がここにいるかどうかも分からないというのに、
「アルモ・・」
「あ!副指令!どこですか?あの、つつ、伝えたいことが」
「その前にだ」
アルモの言葉をさえぎってレスターが言う
「俺の上からよけてくれ、できれば扉も」
「あ・・・」
「本当に俺でいいのか?」
思いっきりどもりながらたっぷり数分かけてアルモが話し終えた、要約すると
「今度の舞踏会で、私をパートナーにしてくださいませんか?」
だけなのだが・・・
「俺よりもふさわしいやつも探せばいくらでもいるんじゃないのか?」
「副指令は私ではいやなのですか?」
そう問い掛けるアルモの目は少し潤んでいた
「む、いや、俺もだ、おまえを誘いたいと思っていたところだ」
最後のほうは少したどたどしかったが照れているのか・・・
「え?」
思わずアルモは間抜けな声を出す
「あの?副指令」
ほおを染めてアルモが言うが
「俺が無理を言って、すまんな、俺が誰も誘えんと思っておまえも・・・」
「え?え?そうじゃなく・・・」
見当違いの方向へずれていきそうなレスターの言葉に戸惑うアルモ
結局、レスターはアルモが自分に同情していてくれたものだと誤解をしたままになった、
こういう事限定で完全に鈍感な彼にアルモは頭を抱えるのであった。
「ううう」
ちとせはうなっていた、いつもの彼女らしくない状態だがそれも致仕方あるまい、彼女は一世一代の大仕事(彼女の中では)なのだ。
彼女はレナードの部屋の前をすでに数えるのもばからしいくらい往復していた。
レナードをパートナーとして誘いたい、そう思いながらも彼女にはあと一歩が踏み出せなかった、レナードなら、誘えば
「ええ、かまいませんよ」
などといって笑いかけてくるのだろうが、彼女はすでにそんなこと頭にはなかった。
「こんなところで、うろうろしていても始まらない・・・」
意を決し、扉に手をかけるが
「ちとせさん?」
「はい!?」
いきなり後ろから声をかけられ思いっきり飛び跳ねる
「ど、どうしました?」
後ろから声をかけた張本人、レナードが不思議そうな顔で立っていた
「レ、レナードさん、あの、その、本日はお日柄もよく」
「え?ああ、まあ・・」
ちとせが混乱してよく分からない方向へ話が進む
「本日は絶好の運動会日和となりました、ご父兄の方々もお忙しい中お集まりいただき」
「ちとせさん!」
「は、はい!!」
完全に異世界へと飛んでいきそうだったちとせをレナードが引き戻す
「ちょうどよかった、ちとせさんにお話があるのです・・」
「わたしに、ですか?」
「ええ。」
そういって彼は微笑む
ほとんどの人の目から見て、彼女は舞い上がっていた、地に足がついてないとはよく言ったものだが、大気圏を通り越して銀河の外まで飛んでいくくらいちとせは嬉しそうだった。「これで、これでレナードさんと、うふふ」
すでに彼女のキャラじゃなくなっているため、周りの人間は珍しいものを見るような目でいるのだが、彼女は完全にそんなことを気にしていないようだった。
ついでに、明日ドレス等の必要なものを買い揃えるために二人で出かけるようになったため彼女は完全に舞い上がり空のかなたへ消えていきそうだった。
あんまり幸せそうだったので、近くを通った人は誰も話し掛けられなかった。
「それにしても・・・」
レナードは呆然とつぶやく
「ドレスの量が半端じゃないですね・・・」
「え、ええ・・」
横に並ぶちとせもあっけに取られている
翌日、ミントの紹介で訪れた高級ドレス専門店(支店)で、彼女に合うドレスを、と言ったところ、数十種類のドレスを持ち出してきて次々と合うかどうかを見定め、いったいこの店には何着のドレスがあるんだ、という気分にさせられていた。
「やはりお客様には落ち着いたブルーも似合いますね・・・、こちらのコバルトブルーのカクテルドレスなどは・・・」
「そ、そんなに胸の開いたのは・・・」
「あら、ではこちらのロングドレスなどは・・・」
「ス、スリットが深すぎます!」
その言葉に店員の女性は残念そうな顔をして、
「お客様はあまりエキゾチックなドレスは好みませんのね・・・でしたら・・・」
店員はいったん奥へと引っ込み、出てきたときにはうす青のドレスを持ってきていた、肩口が膨らみ、いくらか飾り布のついたドレスだ、肌の露出を好まないちとせらしく、袖も長くきわどいスリットもない。
「あ、これでしたら・・・」
「お気に召しましたか?」
店員が好感触を感じ取ったかスマイル顔をこちらに向けてくる。
「では、あちらで試着を」
「あ、はい」
言われてちとせは店員についていく
「レナードさん、ちょっと待っていてくださいね」
「ええ、ごゆっくり」
レナードは手を振って答えた
「?ちとせさん、ドレスは?」
試着室から出てきたちとせに対してレナードが問う
「少しウエストがゆるいので直して送ってもらうように頼んできました」
「いや、そういう意味ではなく・・・」
彼は少し照れたように
「その、ちとせさんのドレス姿を見たかったと・・・」
「え、ええっーー!?」
顔を真っ赤に染めてちとせが叫ぶ
「な、何もそんなに驚くことは・・・」
「いえ、あの、すみません。」
「いや、べ、別にそういう意味で言ったわけではなくて・・・」
「は、はい、分かっています、とにかくなんだかよく分かりませんが、ああ、何を言っているのでしょうか?」
いつもは冷静な二人だが、事こういう事となると途端に混乱し始める。
その後も装飾品店などを回ったのだが、もともと謙虚な彼女の性格のためほとんどそれらしいものは買わなかった。レナードはレナードで、すでにパーティー用に仕立てた服があるらしく、今回の買い物では何も買わなかった。
今彼ら、彼女らは、ひと時の平和と幸せを暮らしていた、舞踏会というイベントに向けて服を買い、相手との楽しいひと時を過ごし、タクトとミルフィーユはやはりミントの勧めで先ほどの店に、レスターとアルモはあたりを歩き回りいくつもの店を探し回ってやっと、これが似合う、と見つけたドレスだったり、ランファやフォルテは軍の経費で落とされることをいいことに余計なものまで買ったり、ヴァニラは前に買ったものがあったはずなどと言って買い物に行こうとしなかったが、半ば無理やりミントに連れて行かれ、ドレスを新調。
ココもクレータやケーらとともに買い物に出かけ、ほかの名も無きクルーたちも、平和なときを過ごしていた、だが、彼らは忘れてはいない、これが仮初の平和であるということを、そして近いうち、また新たな戦いがあるということも。
【あとがき】
You to the
partner ・・・、いかがでしたでしょうか(おお、いつもと違う切り出し方だ)
実はこのお話、そのままだと原稿用紙50枚を超える分量になってしまうはずだったのです、しかもイラスト抜きで。
それを半分以下の枚数に収めるために、どれだけエピソードを削ったか、アルモとレスターの話とか、ココ、クレータ、ケーらの三人の話とか、それだけ一つで一回分が終わるくらい長かったのに、結局お蔵入りです、あんまり長いのもどうかと思うし。
しかし、今回の話は出来れば表に出したくないような(オイ)、あまり気に入ってないんですよこの話、上手くかけてなかったし、物語の都合上入れようかなぁ、というレベルなんですけどね。
それでは、今回はこの辺で、さようなら!