ギャラクシーエンジェルBeloved lovers

第二部

第一章【遺跡探索!迷宮を進む者!】

 

「今回エンジェル隊に与えられた任務は、」

ブリーフィングルーム、書類を片手にエンジェル隊の司令官タクト・マイヤーズが言う。

「とある遺跡の奥にある、「失われた技術(ロスト・テクノロジー)」の回収だ!」

沈黙・・・・・・

「あたし達が今までやっていた雑用と変わらないじゃない!」

ランファが叫び、ミルフィーユがなだめる

「でもタクトさん、何で遺跡の奥に隠されているんですか?」

全員が疑問に思うらしく、他のメンバーも肯く





「それが、どっかの馬鹿が宝探しでもする気なのか、偶然見つけた、「失われた技術(ロスト・テクノロジー)」を隠したらしくて、その人が書いた宝の地図みたいな物もあるんだけど・・・」

「あ、アホらし・・・」

フォルテがテーブルに突っ伏しながら声を上げる

「変な趣味の人もいたものですわね・・・」

ミントがあきれた声を出す

「遺跡探索・・・・」

ヴァニラがつぶやくとこめかみに一筋汗を垂らしつつタクトが

「あんまり乗り気じゃないけど、取りあえず、今回はエルシオールで行くよ。」

『了解』

さっぱり乗り気じゃない声が返ってくる

 

 

 

「このあたりか・・・?」

タクトがつぶやく、

丘の上、エンジェル隊と共に宝の地図を見ながら遺跡への入口を捜す

「ヴァニラ、宝の地図にはなんて書いてあるの?」

「それが・・・」

ヴァニラが視線を前に戻す

「地図が暗号になっているらしく、それを解かなくてはなりません」

「暗号?」

ミルフィーユが聞き返す

「はい、たいして難しいものではありませんが」

全員が地図をのぞき込み

『なんじゃこりゃーー!』

地図に書いてある

おたかのうたえたのすぎたのきたのねたもと(以下略)

そして、その文字の下に狸の絵

 

『今時タヌキの暗号で宝を隠せると思うかぁ!?』

 

みんなの叫びはむなしく丘に響き渡った。

 

 

 

「で、ここが遺跡の入り口?」

ランファが腰に手を当て誰にともなく問いかける

「侵入者よ」

「え?」

「だれ?」

突然聞こえる声に辺りを見回す一同

「ここだ」

文字通り、なんの前触れもなく現れた鎧、全身くまなく覆う鎧は腰から長剣を引き抜き

「我はこの研究所の守護者(ガーディアン)、貴様らに・・・・・」

「発射」

ばしゅぅぅん!!

ドグォォォン!!

どこからともなくフォルテが取り出した対戦車ミサイルが守護者(ガーディアン)とやらを一撃で吹っ飛ばす

「身も蓋もないですわね・・・」

あきれかえった様子でミントに同意する一同、フォルテ自身は全く気にしていないが。

 

 

 

「あれ?行き止まりですね?」

ミルフィーユが言う、彼女の言うとおり、どこにも道らしき物は見つからない

「ヴァニラ、その地図にはなんて?」

タクトが聞くと、ヴァニラが

「行き止まりの右の壁を勢い良く押す・・・」

「そりゃぁぁ!!」

ランファが右の壁に蹴りを入れる

「と、罠がある」

『えーー!?』

「きゃーー!」

壁がすっぽりと抜け落ちランファが穴に落ちていく、

「ランファさん、ご冥福をお祈り致しますわ」

ミントが手を合わせて祈ったりする、殉職したらしい。

「死んでないわよ!」

穴からはい上がってくるランファに

「あら、なかなか元気ですわね」

心底意外そうにミントが言う

穴に両手両足で突っ張って落ちるのを防いだらしい

「ヴァニラ!紛らわしい言い方しないでよ!!」

「話しを、最後まで聞いて下さい・・・・」

「うっ」

 

 

 

「右の通路には罠がある、正しい道は左である」

肯き一同は揃って左の通路へ

 

 

「壁にあるボタンを・・・」

「あったよ」

ヴァニラの言葉を聞いてフォルテが壁のボタンを見つける

「押してはならない」

「・・・・押しちまった・・」





『ええーーー!?』

フォルテの頭に金槌が振り下ろされる

ガンガンガンッ!

「ぐはぁ!!」

「話を聞いて下さい・・・」

ヴァニラが無表情につぶやく

 

 

 

「壁にあるボタンを・・・」

「おさないよ!」

ヴァニラの言葉を聞いて、フォルテはボタンを見つけるが今度は押さないように気をつける

「押さずに進んではならない」

「進んじまったよ・・・」

『ええーーー!?』

フォルテの頭に先ほどの倍はある石が落ちてくる

ガンガンガンッ!

「ぐはぁ!!」

「しつこいようですが話を聞いて下さい・・・」

相変わらずヴァニラが無表情につぶやく

「この遺跡、EDEN時代の研究所ですか・・・、警備システムが変わってますわね・・・」

ミントが誰にともなく呟いた

 

 

 

「もうあたしはなにも触らないよ!」

ある意味自業自得なのだが半分怒りつついうフォルテ

「このまままっすぐです・・・・」

ヴァニラがつぶやく

「この道を進むとき」

「あたしはなにもしないよ!」

「壁にふれずに進んではならない」

「もうしるかぁぁ!!!」

 

 

 

「や、やっと着いた・・・」

なんかあちこちぼろぼろになりながら、どこにあったのか知らないが木の棒を杖代わりになどしてつぶやく一同。

「この扉の向こうに?」

タクトが息も切れ切れに問い掛ける

「はい、この先に失われた技術(ロスト・テクノロジー)が・・・・・」

「通すわけにはいかぬな・・・」

「え!?」

唐突に聞こえる声に彼女たちに動揺が走る

「我はこの研究所の守護者、シリアルナンバー07〈ガースト〉、何人たりとも通すわけには行かぬ!」

よろい姿の守護者が朗々と告げる。

「そこを通してください!」

ミルフィーユが叫ぶ、話が通じるのだろうか?

「私たちは、ただその奥にある、失われた技術(ロスト・テクノロジー)の回収に来ただけなんです!」

「我に与えられた命令はこの研究施設に存在する情報、開発された技術等の漏洩を防ぐため、部外者は誰であろうと通すわけには行かぬ。」

守護者〈ガースト〉の言葉に、エンジェル隊に動揺が走る

「なぜ?私たちがエンジェル隊だとわかった!」

フォルテの問いかけにやはり朗々と〈ガースト〉は、

「我は『律法を守護する者(プロヴィデンス・ガーディアン)』シリーズの鎧型式(アーマータイプ)としてEDENに作られた存在、我にはある程度の範囲の通信を傍受する能力が備わっている、お前たちのこともそれで知った、しかし、」

〈ガースト〉はそこでいったん言葉を切り

「我は兵器、我は機械、与えられた命令をこなすのが役目、たとえ数百年の時が経とうと、我は我の役目を果たすのみ!たとえお前たちがEDENを救ったものたちであっても!」

実のところ、エンジェル隊は誰一人彼の話す内容を半分も理解できていないのだが、大体の事情はつかんだのか、

「なら、あんたを倒して先に進ませてもらうわ!」

ランファが威勢良く宣言する。しかし、微塵の同様もなく〈ガースト〉は

「我に挑むか・・・、我は白き月、黒き月とともに対ヴァル・ファスク用とに開発された、『律法を守護する者(プロヴィデンス・ガーディアン)』シリーズ、後に開発された『秩序守護者(ピ−ス・ガーディアン)』シリーズや『脅威を滅ぼす者(マーヴェル・スレイヤー)』シリーズには劣るが、この状態でも、生身の人間に遅れはとらん!」

相変わらず理解できない単語だったが、同じ対ヴァル・ファスク用の兵器のことだろう、

フォルテとランファが前に出る、ほかは後ろに下がり、数人はレーザーガンを構える。

「行くぞ」

〈ガースト〉が静かに告げ、右手から長剣が現れ、一気に間合いを詰める!

「ちっ!」

フォルテがフルオートで銃を連射するが、見た目通り装甲は厚いのか、蚊ほどにも感じずにそのまま向かってくる。

振り下ろされる斬撃を紙一重でランファがかわし、フォルテが脇からマグナム弾を叩き込むが、

「無駄だ」

静かに告げる〈ガースト〉に

「どうかねぇ?」

「なに?」

それには答えず、フォルテとランファはその場を離れる、いつの間にか他のエンジェル隊達もいなくなっており

「!!」

〈ガースト〉はその時になって自分が敵の術中にはまったことを悟った

グゴォォォォ!

〈ガースト〉の足下が爆発を起こし、爆炎に飲み込まれる

「よしゃぁ!」

歓喜の声を上げるフォルテ、後ろでもタクトとミルフィーが異常な喜びを見せていたりもする。

「むぅ、やはり名高きエンジェル隊、一筋縄ではいかぬか・・・」

『なっ!?』

土煙から現れたのは、あちこちに小さな傷を作った〈ガースト〉だった。

「まさか!?戦車でも粉みじんにする高性能小型指向性爆薬だぞ!」

「我は元々戦艦などと戦う為の存在、今の私は本来の力の一割も出せていない、が、

おまえ達は、勝てない・・・・」

「へぇ?」

〈ガースト〉相手に余裕の表情をフォルテは浮かべる

「はったり、か?どちらにせよ、無駄だ・・」

静かにそう告げると、再び剣を構えて突進してくる。

「こういう手もあるんだよ」

言ってフォルテは懐から取り出したスイッチを押す

グゴォォォォォン!

爆音が、EDENの研究所を揺るがした。

 

 

 

「まさか、あの短時間にいくつもの爆弾を仕掛けておいたとは・・・、さすがだな・・・」

心底感心した様子で〈ガースト〉は言う、なぜかあぐらを掻いて腕を組み、うんうんうなずいている姿は人間らしすぎる。

ただその姿を見ても、誰一人何も言ってこない、〈ガースト〉は心底憔悴しきったエンジェル隊に、

「どうした、何か落ち込むことでもあったのか?」

などと、うかつなことを言ってしまった、エンジェル隊(特にフォルテ、ランファ、ミント)の目が怪しく光る。

鎧の下部とのはずの彼の顔が、青くなったように見えたのは目の錯覚だろうか?

『しねぇぇぇ!!』

「ぐわーーー!!」

彼、〈ガースト〉の役目は、この研究施設にある、情報、開発された技術などの漏洩を防ぐこと、が、彼が守っていたコンピュータはすでに前データが抹消済みだった、おそらく、〈ガースト〉の機動実験のような者を行う為、この廃研究所で試験をしていたのだろう。

で、EDENの作り出したヴァル・ファスク兵器は、

「ぐわーーー!!」

どこか遠くでスクラップになりそうだ・・・

 

 

 

 

 

 

【あとがき】

 

う〜ん、最近少し暑くなってきたなぁ、そろそろ毎日半袖を着るようになるか・・・

などと言いつつ皆さん、蒼穹一です。

遺跡探索!迷宮を進む者!いかがでしたか?

などと言いますが、そんなことはどうでも良い!

今回の話、本当なら出番があまりないフォルテを活躍させよう、と言う予定だったのに、

なんだ?この話は!責任者出てこい!(あなたです)

 

ちなみにこれは第三稿、念のため第一稿を読み返してみると、

次の話で出てくる、レナードの妹とストリートファイトしています、どうすりゃこうなるんだ?

まあ、取りあえず第二部、これからが本番、のはずなのに、こんなので大丈夫なのか?

 

それでは皆さんまた次回!

 

              あとがき労働組合会長  蒼穹一  (ウソ)