そいつは動き出した。

 

 

ギャラクシーエンジェルBeloved lovers

 

 

【危急存亡!白き月の戦争!】

 

 

 

〈オブスティネート〉

軍の中に籍を置いている存在ながら、他とは関わりを持たない存在。

独立部隊と言われるが、独立した一つの機関ではないかと言われる。

キーワード

十門会議    剣   MH   独立機関    シャドーランス

 

 

 

エンジェル隊の中でこう言った情報関係に一番通じているのはミントである、コンピューターによるオンラインでの調査、軍の中でも機密度の高い情報すらも調べ上げ、やっと出てきたのが上の数行だけ。

「これでは割に合いませんわね・・・」

昨日一日、エルシオールの自室で調べてこれである、専門の調査官達が集まっても、たいした成果が得られるとは思えない。

「此処まで手間をかけて調査してもこの情報の少なさ、〈オブスティネート〉とは一体どんな機密保持の仕方を・・・・」

と、そこで。

「おーい、ミントー、会議の時間だよー」

扉の向こうからお仲間(エンジェル隊)の声が聞こえる、

「はーい、今行きますわ。」

コンピューターを待機状態にして、ミントは部屋を出た。

 

 

 

訂正  そいつは一体だけではなかった

 

 

 

 いつも通り異常なしと報告が並べられ、現在エルシオールに物資が積み込まれる途中で、紋章機の整備が終わった。一時間足らずの会議の内容はまとめるとこんな所だ。

 そして最後に

〈オブスティネート〉の件じゃが、あれっきり情報も流れてこなくなってのぅ、少なからず分かったことは、〈オブスティネート〉の情報はデマを混ぜて存在をおぼろげにしておるようじゃ

「デマ・・ですか?」

会議室、そこにいるのはエンジェル隊の5人とタクト、レスター、ルフトの合計8人、書類に記載されているだけのあくびの出そうな内容のあと(タクトは居眠りしようとしたところをレスターに殴られました)これこそ本題とルフトが話し始めた。その話にフォルテが聞き返す。

「うむ、まず、特務機動部隊などと言っておるが、あれは全くのウソのようじゃ、存在を大きく見せないためのな、実際は一つの組織と言っても良いくらいじゃ、末端も含めれば一万人以上で構成されているかもしれん・・・、さらに、特務機動部隊がデマならば、第六まで存在するなどと言うのもウソということになるな。ただ、以前言っていたように、司法部の動きが怪しいのは相変わらずじゃが、司法部と〈オブスティネート〉が繋がらないのじゃ。

「じゃあ、レナードの〈オブスティネート〉と司法部はグルじゃないって事ですか?

ランファが間髪入れずに聞き返したが、

「それは分からん、何せ情報がろくに流れてこない、〈オブスティネート〉が何をしようとしているのかが全く分からん・・・、ディルスのヤツなら何か知っているかと思ったが、タイミング良く出張に行きおって・・・・

ルフトが顔をしかめながら言った。

「ディルスってレナードの父親ですよね?だったら・・・」

「わしはレナードもディルスも信じてやりたいのだが信じるに足る証拠がないのじゃよ・・・」

 暗く、重苦しい沈黙が一同の上に覆い被さった。

 しかし、その雰囲気をぬぐい去ったものは、白き月にとって一番危険なものだった。

 

 

 

そしてそいつらは恐怖をまき散らす。

 

 

 

 警報が鳴った、白き月に敵が現れた、正体不明、数も不明、近くにいた月の巫女数人が死亡、または傷を負った、逃げ出す巫女達を敵は追わなかった。

 端的な情報と報告、血相を変えて飛び込んできた巫女をなだめて、心得の在る者は銃を取り、エンジェル隊も現場に向かった。

 現場付近は既に退避が完了していた、フォルテが先行し、警戒しながら角を飛び出すと、

ヴィ・・・ン・・

「な・・・?」

思わずフォルテが声を漏らす。

フロックコートを着た大男達の集団と出会った、いや、大男ではない、それどころか人ですら・・・、

 ジャコッ

 何かがスライドする音、フォルテのような、一部の人間には聞き慣れた音、拳銃がスライドする音、

 ドン

腹に響く重たい音が響いた、本能で撃たれる前に飛び退いていたフォルテは無傷

「逃げろっ逃げろっ逃げろぉ!!!」

のどが裂けんばかりに声を張り上げ、フォルテは仲間の背中を押した、クロノ・クリスタルから待機しているミントの声が聞こえたような気がしたが、答えている余裕など無い、なんだあれは。

なんだあれは。

なんだ!あれは!

 

慌てて走り出したエンジェル隊とは対照的に、フロックコートを着たロボと館は少しの間、微塵も動こうとはしなかった。

 

目標の認証を開始

終了

フォルテ・シュトーレンと確認

作戦行動を開始

データリンクを開始

終了

これより目標の殲滅を開始する

 

ヴィ・・・ン・・・

独特の電子音と駆動音を出し、ロボット達が動き出す、データリンクによって、今月の中にいる味方と情報をやりとりする。

 

抹殺目標を確認。

 

 

 

 

追いかけてくる、フォルテは持っている拳銃を相手に撃った、45口径の弾丸が命中するが、腕でガードされた、一瞬動きが止めるがすぐにまた動き出す。

 銃に弾を込めようとするが、焦ってなかなか入らない、今彼女が持っているのはリボルバーだ、弾数が少ない。

 また撃つ、撃つ撃つ撃つ撃つ撃つ

白き月の、それなりに広い通路だ、客室になっているような豪華の廊下ではないが、しっかりとした作りの綺麗な廊下、そこに銃声と落ちる薬莢の音がこだまする、相手の顔に当たった、相手の顔は一本だけスリットが入っているだけだった、まるで仮面のよう、ロボット、そうロボットだ、よく分からないが自分を襲っているのはロボットだ、防弾チョッキや防弾部レートをいくら入れようと、45口径を12発食らって元気に走ってくるヤツがいるわけがない、ロボットなら狙う場所は・・・

瞬間、フォルテの思考はクリアになった。

 

目標の認証を開始

終了

新たにランファ・フランポワーズ  ヴァニラ・H  ミルフィーユ・桜葉・マイヤーズを確認。

殲滅を開始。

 

ちなみに今の状況は、先頭(逃げているから先頭になってしまった)ミルフィーユ、すぐ後にランファ、小脇に抱えられているヴァニラ、しんがりはフォルテで、カメラになっていると思われるスリットに弾を当ててやっと一体動きが止まった、ロボットが何も見えなくなって行動不能に陥ったのだろう、しかし、

「おかしいぞ、あいつら・・・・」

いつの間にか足を止めていたフォルテが言った

「何がおかしいんですか?」

「速く逃げないと死んじゃいますよ!!」

ミルフィーユトランファが呼びかけるが、その二人も、いや、ヴァニラも含めて全員が異変に気が付いた、動かなくなった一体がその場に倒れた、これはまあいい、だが残りのロボット達は後退して停止したロボットから距離を取っている、これではまるで・・・・

「自爆だぁぁ!!!!」

ドォォォォォォォンッ!!

まるで奥歯のスイッチを押したかのごとき早さでその場を逃げ去った四人は、近くの角に飛び込み・・・・

 

 

 

ズ・・・ン・・・

パラパラ

重い音、おそらくは何かが爆発した音だ、様子を見に行ったはずの四人は戻ってこない、これは・・・まさか・・・

「タクトさん!!エルシオールの出港準備を!白き月の中(ここ)は危険ですわ!!」

「わかった!!」

出番久々のタクトはカメラ(と言うか読者の視点)からはずれて格納庫へと向かったのだった。

しかし、数分後に絶望的な言葉が投げかけられる、それはレスターから

「無茶を言うな!物資の積み込みを全て中断して艦の調整に全力を挙げても、エンジン周りやリアクターの作業で、40分はかかるぞ!!!」

 

 

 

ズ・・・ン・・・

パラパラ

四人は何とか無事だった、ミルフィーユの幸運か、フォルテのとっさの判断か、はたまた他の要因か、しかし今はそのどれでも良い、彼女達に休んでいる時間はないのだ。

フォルテは頭の中で状況を整理した。

後からはまだあのロボットが迫っている、武器が足りない、部屋か射撃場に戻ればともかく、そんなことをすれば連中をエルシオールにご招待することになる、それとも、艦内の狭い通路に誘い込んで一気にしとめるか?

否、実体弾を使う火薬式銃を扱える人間など自分を除いては誰もいない、いくら士官学校のでとはいえ、ミルフィーやランファに銃を持たせても役には立つまい、月の巫女は男も含めて戦闘訓練など受けていない、当たり前だ、ただの一般人なのだから。

まともに戦える人間は両手で数えたら指が余ってしまう、レナードなら何かしら作戦を思いついただろうか、それとも、タクトなら奇抜な案が出てくるだろうか。

否、前者は遠いところにいるし、下手すれば敵になるかもと言われている、後者は他のことで忙しい、おそらくミントかレスターあたりが、白き月から避難するように言っていることだろう。

怒鳴りながら首根っこひっつかみ、無理矢理みんなを立たせて走り出す、時折見えるロボット連中の頭を撃とうとするが、まともな効果も上がらない、それに逃げる方向も考える必要がある、今日はタイミング悪く、白き月のシャトヤーン様の所にシヴァ女王陛下がきているのだ、あの二人も避難することになるだろう、無事だと良いが・・・

「フォルテさん!!」

「!!」

ミルフィーユの声で気が付いた、とっさに後に飛ぶと、目の前を腕が通り過ぎていった、硬質な腕、義手か?違う、これはロボットの腕だ、顔は黒い仮面のようだったが、腕もつや消しの黒になっている。

 別働隊がいた!? 考えるのはあとだ。

フォルテは床に転がり、腕を振り下ろしたロボットの足にしがみつき、ひざの裏に銃口を突きつけ。

ダンッダンッダンッ

三連射

フォルテは以前、ひざの裏は装甲の施しようがないとレナードから教わった、アークエンジェルの人型形態のことを説明された時に聞いたのだ、心の中で秘かに感謝する。

もう片方も同様に撃って素速く離れる、どうせまた自爆する、追いかけてくるロボットが一体くらい巻き込まれてくれないだろうかと思ったが、連鎖爆発されたらこのあたりのブロックが使い物にならなくなる、宗教的象徴だけでなく、今や皇国の象徴とも言える白き月がぼろぼろだ。

「逃げるぞ!とにかくドックに行ってエルシオールに・・・・」

 とにかく走った、開いていた差がまた縮まった、追いつかれるのも時間の問題だ、こっちの体力も落ちてきている、ミルフィーユは目の焦点が合っていない、ヴァニラを抱えるランファを肩で息をしている、自分(フォルテ)ももう限界だ。

「くそっ!ミルフィー、ランファ!先に行きな!!」

先頭のロボットになけなしの残弾を浴びせたが、たいした効果はなかった、連中のスピードが上がってきた、今までは地の利でなんとか差を開かせたが、こちらは限界、向こうは疲れ知らずで地形にもなれた、これが森の中などだったらやりようがあるが、白き月には隠れられそうな障害物などない。

 銃口がこちらを向いた、隠れる場所など無い、さっき通信がきた、エルシオール出港まであと20分ほど、持つわけがない、

 

死ぬな・・・・これは・・・・

 

半ば諦め駆けたその時、狙ったようなタイミングで、救世主が現れた。

 

ボンッ

 

しかし聞こえたのは銃声ではなかった、爆発音、ロボットの自爆する音とも違う、もっと小さい。

「なんだ?」

全身から力が抜け、全員が床に倒れ込む。

見れば先頭を走っていたロボットが煙を上げて倒れている、その横には黒縁メガネを掛けた男。

両手には鋼の手袋、両足には鋼の靴(ふくらはぎの真ん中あたりまである)、肘と膝にはそれぞれ防具が付けられている、何から何まで鋼鉄製、全身鎧の一部だけを取って身につけたような出で立ちだった。

「しっ」

鋭い呼気と共に二体目を吹き飛ばす、続いて回し蹴りで三体目を沈めそのまま三体目の頭にひじ鉄、四体目は男に銃口を向ける、ロボット達の銃口はフロックコートの袖から覗いている―――手で持つのではなく、内蔵されているようだ―――男に向けて銃弾が放たれる。

ドン

ボンッ

二つの音はほぼ同時に聞こえた、ロボットの放った弾丸は男の放った右フックによってはじき返された、ロボットを殴る時も、今銃弾を殴る時も、蹴りもひじ鉄も全て爆発が起こっている。

 男はそのまま四体目を沈め、この場にいるロボットを全て行動不能にした、

「早く逃げろ、爆発するぞ。」

言うと男はダッシュで走り去った

「・・・今の人・・・いったい・・」

へたり込むミルフィーユが呟くと、ランファがいきなり

「って・・・・それよりも」

「・・・あ」

「に、逃げろぉぉぉ!!!」

 

我に返った四人は、その場から逃げ出し、一番大きな爆発音を聞いた。

 

 

四人はまさしく命からがら、エルシオールの格納庫にたどり着いた、艦の外で指揮を執っていたレスターに問いかけると、

「シヴァ陛下、ルフト将軍、それにノアも乗り込んだ、月の巫女もほぼ全員収容した、だがシャトヤーン様が・・・」

「シャトヤーン様が!?」

ランファがレスターに詰め寄る、それに若干たじろぎながらも

「シャ、シャトヤーン様が、白き月に結界を張ると言って、白き月に残るそうだ」

「何で結界!?」

「言ってなかったか!?白き月の近くに、戦闘態勢に入った艦隊がいるぞ!」

『ええぇぇーーー!?』

 

 

「しっ」

ボンッ

最後の一体を倒すと、黒縁メガネの男は駆けだした、爆発に巻き込まれないようにするためもあるが、早くしなければ結界に閉じこめられてしまうからだ、結界が張られる前に白き月内部の〈クラッカー〉つまり、破壊者を殲滅、味方と共に閉じこめられる前に脱出する手はずだ。

途中でUCRTOPRTのエージェントと合流、小型艇に乗り込み〈スキーズ・ブラウニル〉に帰還する。

頭の中で作戦を反芻し、男は隠してあった小型艇に乗り込んだ。

 

 

いるだけの人間をエルシオールに乗せる、エンジェル隊が渋っていたが、白き月の内部にシャトヤーンの放送が流れた

「白き月の中にいるロボットは、全て破壊されたようです、ですが、白き月を囲む艦隊は健在です、私は月を守ります、エルシオールは脱出し、機を待って下さい。」

簡潔に告げると、それで放送は終わりだった。

「シャトヤーン様を思う気持ちは分かるが!今の放送を聞いただろう!早く乗り込め!」

タクトやレスターにせかされ、エンジェル隊も乗り込み、最大船速で白き月を飛び出した、

目の前には十隻以上の船があった、だが

「各砲座は迎撃!!ミサイル発射管に全弾装填!!前方の目標に発射!!エンジェル隊は発進後、エルシオールを囲んで援護!!」

白き月の周りにいる戦艦の数は、彼ら、彼女らにとってみれば極端に多くはなかった、いくつもの修羅場を経験し(恋愛も含む)、いくつもの死線をかいくぐり、今も生き残った者達にとって、これはまだ楽な方・・・・・・だが、おかしい、白き月を取り囲む艦隊で、一隻を覗いて全ての艦に生命反応が存在しないのだ、無人艦隊?まさか・・・・

エルシオールが飛び出した瞬間には白き月に結界が張られ、エルシオールも一点突破で包囲網を抜け出した。

そして、全ての人間に同じ疑問がよぎる。

 

 

        何が起きている

 

 

全ては謎のまま、エルシオールは慌ただしい出港をしたのであった。

 

 

 

「そうか、予定より早かったな。」

「はい、ですが、フォセッタ第四隊長の予言では正確な時間は出ていませんので。」

暗い部屋に男女が二組、一人は青みがかった銀色の髪―――蒼銀色とでも言うのだろうか―――の男、レナード、そして、もう一人、こちらはモニターの向こうにいる金髪の女性。

「ああ、だが〈スキーズ・ブラウニル〉は出られるのか?予定より早い出港になる。」

「問題在りません、物資、弾薬その他の積み込みは完了しています、艦の艤装も全て完全、二時間後に出港予定です。〈ギャロップ〉も同じく出港準備が出来ています。」

女の法が淡々と報告をする、レナードも、いつもの笑みとは少し違う微笑をたたえながら、今日の天気でも聞くようにして話を聞いている。

「なら問題ないな、二隻とも高速艦だし。」

「はい、光学迷彩の機能も問題在りません。それでは、これより任務を遂行します。」

「ああ、頼むよ。」

「はい、司令。」

プツッ

通信が切断され、あとにはレナードだけが残った。

「さて、計画の修正を始めなければ・・・、まずは、」

そこで彼は扉の向こう、ちとせやフェイツイ、シリアに視線を向け・・・

「ちとせの問題から・・・・だな。」

まずは荷造りを始めなければ。

彼はイスから立ち上がった

 

 

 

トランスバール皇国首都星

その南部地域、公式には無人島とされている南の島

その島は、一部の人間からコーク島と言われていたが、なぜこの名が付いたのかを知るものは少ない。

その島の海岸、正確には水深数百メートルはあるような所に、明らかな人工物があった、堅牢なシャッターだ。

その中に、世界最強の賦ねと言っても過言ではない艦と、次席の強力な艦があった。

 外部電力によりエンジンに火が入り、大型艦のエンジンの機構が回転する、もう一隻の艦もエンジンが動き始める。

 渓流作、電気ケーブルなど、外部と艦を繋ぐ物が全て取り払われていく、油圧式ロックボルトを最後に、二隻の艦が解き放たれる。全てのハッチが閉じていき、とてつもない広さのドックにサイレンが響いた。

「格納庫に注水完了、ハッチ開放します。」

特殊ガラスの向こうでは、基地要因が二隻の船に向かって敬礼をしていた、ドックに海水が流れ込み、ゆっくりとハッチが開放されていく。

「エンジン出力正常。」

「オールウェポンズ、オールグリーン。」

「ハッチ解放完了。」

それぞれの部署の責任者から報告が上がってくる、最後に金髪の女性―――先ほどレナードと話していた女性―――が、

「全作業完了、付近に艦影在りません、いつでも発進できます。艦長代理」

それに黒髪の美女が

「結構、それにしても、いつもは艦長代理は貴女でしょう?」

「いえ、私は他のことで忙しいのです、貴女はいつも暇でしょう?」

と金髪女性、やはり全く表情が変化しない。

「まったく、レナード君もそんな理由で私を代理にしたのかしら?」

「知りません、いいから発進して下さい、エルシオールと離れすぎると、追いつくのに時間がかかります。」

「〈スキーズ〉はエルシオールの三倍以上のスピードが出るのでしょう?」

「正確には4.52倍です、最大船速の話ですが。とは言え、一緒に行動する〈ギャロップ〉が2.96倍のスピードまでしか出ないので、追いつきにくいのです。」

「こまった話ね。」

「困った代理です。」

「あら生意気。」

「いいから早くして下さい、会話だけで何行使う気ですか・・・・」

「はいはい、早速発進、通常推進、迷彩モード維持、前進三分の一、ポイントに着き次第上昇、大気圏脱出後、エルシオールを追尾します・・・・・で良かったのかしら?」

「やる気のない・・・・」

変なノリで、二隻の船は大海原に出た、巨体に似合わぬ静かな動き、そして、海から空中に飛び出し、そして、宇宙へと飛び出した。

そして次の瞬間、二隻の艦がまるで溶けるかのように、その姿を消した。

 

   つづく

 

 

 

 

【あとがき】

 えー、いや、投稿規定にあとがきを書け、とは書いていませんよ?

でもこのシリーズ、途中で始めた次回予告が無くなるのはともかくとして(いや、今のところやめる予定はないですけど)、第一章から在るあとがきを書かないわけにはいかないじゃないですか?

でもネタがない、じゃあ内容の解説かな?と思ったらこの話は複線いっぱい、本編で開かす謎もあってあら大変。

 

でも書きます。

 

この話、投稿するかどうか今の状態でも悩んでいます、でも皆さんが読んでいるということは投稿したのですが・・・、なんせ、いきなり白き月壊れていますよ!?文章読み直すと月の巫女が最低一人は死んでいます!?いいのかこれは!?自分自身これはどうしようと叫びすぎです。

ですが、あれだけエンジェル隊を苦しめる謎のロボット達が、一般人のような月の巫女を一人も殺さないはずはない!作品の内容に妙な違和感(探せばもっと致命的なところでいくつもあるのですが)が生じてしまう!じゃあこれでいいや。(軽いノリで)

 皆さん次回はもっと大変なことになる予定、既にもう大変ですけどね。

      

さようなら〜

                  勝手に殺された巫女のご冥福を祈るあとがき

 

 

【次回予告】

全ては動き出した

エルシオールは宇宙を走り

二隻の艦もエルシオールを追う

策謀が交錯し

深く静かに全ては進行する

そして

ちとせの思いも崩れ去る時が来る

 

次回【暗雲低迷?不穏な世界】

 

罠にはまるエルシオールに

再会する者達の運命は・・・