ギャラクシーエンジェルBeloved
lovers
【以卵投石は防がねば!】
「あの、レナードさん?」
「はい?」
〈スキーズ・ブラウニル〉の通路、エンジェル隊5人を引き連れてレナードが歩いていると、後に並ぶ一人、ミントが唐突にそう言った。
「あの・・・確か前回の終わりでは、次回も最初から説明が始まるはずでは?」
「ああ・・・・もう説明することは限られていますし、あそこで全部説明しても読者が疲れるだけなので、その時に応じて説明していこうかと」
後を振り向きつつレナードがそう言った。動作と一緒に蒼い銀髪が揺れる、モノクルの長いヒモも一緒に揺れ、何故か動作を強調する。
身につけているのはオブスティネートの制服、白い上下揃いのスーツに両肩に剣が三本組み合わさったエンブレムが付いていた。
「では、何故わたくし達をつれて艦内を案内しているのです?」
「一応皆さんをだましていたような形になっていたので、一つの誠意の形として艦内の見学は許可しようかと、前回使用したドッキングシステムを使ったままで移動しますのでいつでも自由に移動が可能ですよ」
ちなみに現在三隻の艦は前回の戦いで傷ついたエルシオールをミリエルス重工のコロニーで修理、2隻がドッキングして〈スキーズ〉に牽引してもらっている状態である。エルシオールは三隻の艦の中で一番速度が遅い艦なのだ。エルシオールのスピードに他の二隻が付き合うよりもスキーズでエルシオールを引っ張った方が速いのだ。そのせいでエルシオールのエンジンは停止状態だ。
「で、なぜ〈オブスティネート〉司令官のあなたが呑気にこんなところで油を売っているんですの?」
相変わらずきつい一言
「戦闘にでもならない限り、私は結構暇なんですよ。そうそう、こちらが食堂です、一流のシェフがいますので食事は・・・・」
「それよりも!」
最近なんだかレナードの話を聞こうとする人が少ないようだが、ランファにやはり遮られ、
「そんなに話を聞いてくれないなんて、レナード・・・悲しい」
「ええぃ! 気持ち悪い!」
「冗談はともかく」
一転して落ち着いた表情に戻ったレナード
「今の私達は敵に追われている身です、基本的に戦闘行為は避けて、敵に出会わないようにするのが定石・・・・
ですが、先日お話ししたとおりにオブスティネートは色々と仕事が多いのです。小規模な内乱やゲリラ部隊などの
殲滅作戦や、秘密裏に処理すべき超常現象の類など、そう言った事件が起これば我々は動かないわけにはいきません」
「でも・・・・」
あからさまに文句を言いたそうにランファが言う
「まさか事件が起こる度にスキーズやギャロップでその惑星に飛んで行って、エルシオールも巻き込むわけじゃないでしょうね」
と言って、その後をフォルテが続ける
「で、紋章機の力も利用してしまおう・・とか?」
「そんな分けないじゃないですかぁ」
『うそつけぇぇっ!!』
「ええぇぇぇっ!?」
絶叫するランファとフォルテに対して、どこまでもわざとらしくレナードが反応する
「そんな、証拠もなく人を疑うなんてひどいじゃないですか!!」
「人のこと言える立場じゃないだろ!」
フォルテは過去にレナードがかかわったある事件のことを言っている、まだタクトとミルフィーユがエルシオールに戻る前の話・・・・
「まあ、それはともかくとしてですね、せっかく移動場所が増えたわけですから、三十分間の移動時間であちこち見て回りたいじゃないですか」
「ゲームの移動時間と一緒にしてどうするのよ・・・」
「ははは、まあ皆さんがスキーズ見学に出るので、オブスティネートもエルシオール見学に出ていますから」
「え? あのレナードさん、タクトさんの許可は?」
おずおずとちとせが口を開く、するとレナードは事も無げに
「事後承諾」
「ええぇぇぇっ!?」
「・・・・・副司令が怒ります・・・」
ちとせが叫び、ヴァニラへは「タクトは怒らないのかよ!」と突っ込みたい
許可無しでエルシオールに移動する、というのはさすがにまずい
「まあまあ、そんなに叫ばなくても・・・クジラルームに海水浴に行っているだけですから」
「そっちの方が問題あるわぁ!!」
エルシオール―――クジラルーム
宇宙クジラが潮を噴き上げ、蒼乃がツーピースの水着を身につけて海に飛び込む。前々回スキーズのブリッジにいた二人組
―――灰色の髪をオールバックにした男と、栗色の髪を持つ美人は浜辺で日光浴を楽しんでいる。そしてセレスは
「シュミット少将・・・・・」
彼女の性格を考えれば怒っていても仕方のない状況ではあるが、相変わらず感情が出ていないので余計怖い。しかし前述の
二人は慣れているのか全く意に介さない
「シュミット少将・・・・・我々はのんびりとバカンス気分を味わうほど有利な状況にありません、至急スキーズに戻り今後
の作戦予定を立てて下さい」
ちゅぅぅぅぅぅぅ
「・・・・・・シュミット少将・・・・・我々はのんびりとバカンス気分を味わうほど有利な状況にありません、至急スキーズ
に戻り今後の作戦予定を立てて下さい。なお、私は階級の枠を超えて、強制連行をする権限をあたえられています、速やかに
スキーズにお戻り下さい」
ちゅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅっ
ぷはぁっ
「このミックストロピカルジュースというのはなかなかおいしいな、スキーズもそうだが、エルシオールも食事面には気を使っているようだ」
栗色の髪の美人がそう言う、ちなみに彼女の服装はかなり大胆なビキニ、詳しい描写はあえて避けよう。男の方はトランク
スタイプの水着の上からパーカーを羽織っている。
「シュミット少将・・・・・」
「何かね?」
「どうした?」
二人が同時に振り向き
「ああ、間違えた彼女か・・・」
「ああ、違ったあいつの方か・・・」
と言って再び日光浴に戻る
チャッチャッ
金属音を立ててセレスが取り出したのは二丁のハンドガン
「強制連行開始」
「待ちたまえキミット君」
男の方が言う、前々回かけていた細いメガネではなくサングラスだが、同じように指でサングラスを押し上げ
「連行するのと我々をこの場で射殺するのは同じではないだろう」
当たり前のことです
「はい、その通りです。ですが、対象が口頭での説得に応じない場合、私はあらゆる手段で任務を遂行します。この権限は許可されたものです」
「確かにそうだが、対象が死んでは何にもならないのではないかね?」
「はい、両手両足を撃ち抜いて抵抗できないようにしてから連れ帰れば済むだけです」
「むぅ、君なら本気でやりかねんね・・・・」
「はい、処刑・・・もとい強制連行開始」
「今処刑という言葉が聞こえたが?」
「幻聴です」
ダンッダンッダンッダンッ
「うるさいな、サプレッサー(消音器のこと)をつけるくらい出来んのか・・・」
「ふむ、冗談を言っている場合ではなさそうだ・・・・殺される前に退散しよう」
サングラスを指で押し上げ、男が言う、女もそれに同意して
「セレスには冗談が通じないからな・・・セレス、ユーモアのセンスがなければ、お笑い界では生きていけないぞ」
ダンッ
「逃げよう」
「了解」
やはり彼らも尋常な人間ではなかった、レナードの持つ驚異的な身体能力とまでは行かないものの、普通の人間を上回る
勢いで逃げ出した。しかしセレスもやはり消えたと錯覚するような早さで追いかける、いや、本当に消えたのかも知れ
ない、瞬間移動したように逃げた二人の前に立ちはだかる。
「ふむ、キミット君。遊ぶのがダメだというのなら君は何故水着を着ているのかね?」
男が落ち着いた口調で問いかける。セレスが着ているのはまぁ・・・何というか布の面積をせめて後2割は増やして欲
しいなぁ・・・と言うような水着。放漫な胸が出そうだ・・・まあそれは栗色の髪の美人も一緒で、こちらはセレスと
蒼乃のバストを上回るすごさなのだが、正確な数値はオブスティネートのレベルB機密事項のため不明だ。
「巨大な宇宙クジラのしぶきが制服にかかったのです、水につかっていたのでうかつに逃げることも出来ませんでした」
「ふむ・・・隙のない返答で私は困るよ」
ちっとも困っていない口調で男は言う
「では強制連行再開・・・・」
チャキ
『降参します』
と、アホな会話をしていると
「うわ! ホントにいた!」
エンジェル隊がクジラルームに入ってくる
「ちょっとクロミエ、あっさりあいつら入れてどうするのよ、オブスティネートの関係者よ! 色々まだ疑いとかあるんだし・・・・」
「タクトさんの許可は取ってありますよ」
詰め寄るランファに(こいつはエンジェル隊の切り込み隊長みたいに戦闘も会話も一番乗りだな)にこやかにクロミエが言う、
レナードもそうだが、にこやかな笑顔で相手を丸め込むというか何というか、そういった技術をこの少年は持っている。
「タクトがぁ?」
ランファのタクトへの信頼度が二段階ぐらい下がった
「はい、それに」
と、そこでクロミエが海の方に視線を向けて
「宇宙クジラも、『彼らは悪い人間ではない、全てはこの国の未来を思ってする行動だった』と、言っています」
宇宙クジラが言っているのはオブスティネートがエルシオールを一時的に欺していたことについてだ
「宇宙クジラがいうなら、まあ・・・まず間違いないとは思うけど・・・・」
それでも何処か含むところがある様子のランファにミントが
「ですがランファさん、あまり頭ごなしに疑うのもどうかと思いますわよ。まあ、ある程度信用しておくくらいがちょうど良いとは思いますが」
「う〜ん」
なおもうなるランファだが、ふと視線を向けた先にいる灰色の髪の男を見て
「あっ、美形!」
馬の前にニンジンをぶら下げる、ライオンの前に肉を置く、ランファの前に美形の男を立たせる。
全て同列扱い!!
「なんだかオブスティネートが信用できる気がしてきたわ!」
「おい・・・」
「単純な・・・」
口々に呆れた感想を述べるエンジェル隊だったが
Q.今まででしゃべっていないエンジェル隊員は誰でしょう
A.ミルフィーユ
「あ! みんなぁ〜、一緒に泳ごうよ!」
と、水着姿で海から手を振るミルフィーユ
「って、ミルフィー!」
「え?」
「なんだその、『あれ? 私また何か失敗しちゃいました? え〜ん、ごめんなさ〜い』みたいなことを言いたそうな目は!?」
「え〜!? なんで私の言おうとしていることが!? はっ、と言うことは私また何か失敗しちゃ・・・」
「同じセリフを二度繰り返すなぁ!!」
ミルフィーユとフォルテのドツキ漫才
「さて・・・・」
二人の会話を無視しながらミントは落ち着き払って
「タクトさんは・・・・見あたりませんわね」
きょろきょろとあたりを見渡すと
「あら、あなたは確か・・・・」
「神楽坂蒼乃よ、よろしく、ミント・ブラマンシュさん」
濡れた黒髪をタオルで拭きながら蒼乃が挨拶をした、真ん中で分けた前髪が顔に張り付いているのを指で直しながら
「それにしてもエンジェル隊も不運ね、レナード君が少し後悔しているみたいだったわ、言い過ぎたって」
「?」
「前回戦ったMH、実力が高いだけじゃなくて機動性能が桁外れなのよ、通常モードの紋章機では追い切れないわ、
翼をはやさないと。負けたのはあなた達のせいではないの」
そう言うことか―――と、ミントは納得いった。前回の戦いの後、レナードにいくらか嫌みを言われていたのだが、
そのことについて言っているようだ
「ですが神楽坂さん」
「蒼乃で良いわ、ブラマンシュさん、それとも中尉と階級で呼ぼうかしら」
「いえ・・・ミントで・・・おねがいしますわ」
「冗談よ、ミントさん。それで?」
「ええ・・・確かに敵が強かったのは事実ですが・・・紋章機の全力はあんなものではありませんわ、最大の力が出せれば・・・」
「無理よ」
ミントの言葉を遮って蒼乃が言う
「紋章機は搭乗者のテンションによってその能力が大きく変化する。それはテンションが高ければ強い力を出せる反面、
安定した能力が引き出せずに前回のような結果になるの、必要なのは安定した兵器システムなのよ」
「ですがそれは・・!」
「否定したはずの黒き月の理念だと?」
「・・・何故それを?」
ミントが少し警戒のレベルを上げた
「別に大したことではないの、エンジェル隊のことを調べた時についでに出てきたわ。それに、別に黒き月を肯定したい
わけではないの、でも否定もしないわ。紋章機は不安定すぎる、かといって無人兵器はその戦闘力に自ずと限界が見える。
私達が最後に求めるのは、いいとこ取りをした『安定して、そして多くの可能性のある』という兵器よ」
「ですが・・・」
「ストーム艦長が言っていたわ。トリガーを引くたびに弾道も威力も違う銃が紋章機だって、そんな銃を使って戦えと言わ
れたら、私は絶対に拒否するわ」
「・・・・・」
蒼乃の言っていることは正しい、だが、ミントがそれを認めることは、自分たちが今まで戦ってきたこと全てを否定するよ
うに感じられ、とても肯定する気にはなれなかった。
「でもね、紋章機が悪いと言っているわけではないの」
「え?」
「さっきも言ったように、紋章機には無限の可能性がある。機体の力を100%に引き出すだけでなく200、300と、
パイロットの扱いによってはそんなあり得ない数字が引き出せる可能性もあるわ。まあ、結局は可能性だけということも
あるのでしょうけど・・・すべてはエンジェル隊次第、あなた達が紋章機を上手く操ることが出来れば、彼らにも勝てるはずよ・・・」
そう言って蒼乃はほほえんだ
「・・・・ありがとうございましたわ。すこし、わたくし達がどう紋章機を扱うか、考えてみようと思います」
「そう、どういたしまして」
二人ともにこやかなままに別れたが、ミントの頭の中にはいくつもの考えが巡っていた。
少し蒼乃と反対方向に歩いた後、はっ、と気づき蒼乃を凝視する。
十秒ほどそうしていただろうか、ミントの表情には大きな驚きが見て取れた。
「(あの人の心も読めない・・・・)」
エルシオール―――ブリッジ
「おいタクト・・・」
「なんだよレスター」
ボーッと司令官席に座るタクトと、呆れたように、そして飽きたように横に立つレスター。
「なんでオブスティネートの連中の入艦を許可した?」
「いや・・だってさ。こっちがおじゃましてるのにエルシオールには入ってくるなってのは・・・」
「まさか本当にそんな理由じゃないだろうな」
レスターがタクトに批難の視線を向ける
「ははは・・・・まさか、取りあえず敵じゃないと思うけどね、オブスティネートは」
「根拠は?」
「行動からしてそうだろう? 助けてくれたし」
「こちらを油断させるための捨て駒だったかも知れないだろう」
「レスター、レナードのこと、好きか? 嫌いか?」
「は?」
唐突にタクトは話題を変更した
「あのなぁ・・・・まあ、嫌いだったら変わりに司令官なんぞやってもらわなかったさ・・・」
「だろ? 俺もレナードのことは好きだし、いい奴だと思う」
「それが理由か?」
「・・・・・ダメ?」
「普通ならな・・・だが、お前らしい」
レスターは苦笑すると
「それにしても、これからどうなるのか・・・心強い味方は登場してくれたが、まだまだ不安は残る」
「もっと気楽に行こうよ」
「俺はそこまで図太くない」
全くこの男は・・・
レスターは頭を押さえると、ブリッジから出ようとする
「って、レスター!? どこ行くんだよ!」
「食事だ・・・珍しくお前がいることだし、食堂で食ってくる」
シュン
音を立てて扉が閉まる
「まったく、勤務中に仕事をさぼるなんて」
ジローーーー
後から視線を感じる
「アルモ、ココ、何かな?」
「人のこと言える立場ではないでしょう? マイヤーズ司令」
「司令がちゃんとしてくれないから、副司令はコンビニのおにぎりとかサンドイッチとか言うわびしいものしか食べて
ないんですよ! 栄養とか偏るし・・・」
「アルモが手料理でも振る舞ったらどうだい?」
タクトがアルモに冗談めかして言うと、
「その手があった!!」
「へ?」
「お先に失礼します!」
風のような速さでアルモがブリッジを飛びだしていく
「・・・・・あれ?」
「マイヤーズ司令? あまりアルモを乗せないで下さい」
残されたココがタクトをジト目で見る
「すみません」
そのころレスターは食堂へ向けて歩いていた
エレベーターホールから出ようとしたその時
パシュゥゥン
「ん?」
妙な音が後から聞こえた、レスターが振り返ると
ガッ
「ぐぅっ!」
顔を何者かに捕まれ、そのまま意識は闇に落ちた
「レスター・クールダラスか、構っている暇はない。しかし・・・姫君のいる位置とは転移場所がずれたようだな」
男の声、以前のMHの隊長の声。黒い長衣と頭には鋼の編み笠をかぶっている。
「行くぞ」
『はっ』
隊長の号令で、全員が一斉に走り出す。
エルシオール―――クジラルーム
「まったく・・・別に完全に信用してない訳じゃないけど。だからって呑気に海水浴なんて・・・・」
「あとミルフィー! あんたまで混ざって泳いでるんじゃないよ!」
「す、すみませ〜ん!!」
エンジェル隊が呑気に会話をしている間、既に男達は迫っていた。
「ん?」
オブスティネート隊員の一人がうなり、一斉に全員が反応する。
「え? え?」
訳が分からずきょろきょろあたりをミルフィーユが見渡す。
「どうしたんだい?」
誰にともなくフォルテが呟き
ヒュンッ
何かが風を切り裂く音
次の瞬間セレスがその場から消失し、少し離れた場所に出現、レナードと同じ神速か?
ダンッダンッダンッダンッ
セレスが両手のハンドガンを素速く四連射、狙う場所はクジラルーム入り口。
何かの陰が散開し、再び一カ所に集まる。
「直接顔を合わせるのは初めてか・・・」
中央の男、隊長が言う。
「あいつら・・・MHの・・・」
「間違いありませんわね」
「ですが・・・・どうしてエルシオールに・・・・・」
フォルテ、ミント、ヴァニラが口々に言う。フォルテは軍服の下から銃を取り出す。
「今回は貴様らに用はない、用があるのは・・・」
と、そこで言葉を切りミルフィーユを見る。
「モテモテね・・・」
ランファがぽつりというと、
「えーっ!? うれしくな〜い!」
「いや・・・まじめに反応しなくていいから・・・」
少し呆れたようにツッコミを入れる
しかし脱力ものの光景を見ても、隊長を含めた七人組は表情を変えなかった。
「先輩方、我々だけでは不利です。ここは一時撤退を・・・」
ちとせが意見を述べる、確かに一番有効といえる手だてだが
「入り口の近くにあいつらがいるんじゃねぇ・・・オブスティネートを足止めに使うか?」
「ちょっとだけ心苦しいですけど・・・」
などといっている間にも
「斬」
隊長が言うと全員がナイフを取り出す、刃渡りは三十センチ程か・・・
「姫君以外のものは?」
一人が言うと隊長は
「殺して構わん、他のものに用はない・・・〈テレパス〉や〈癒し手〉程度はいくらでもサンプルがいる、研究する必要もない」
「研究って・・・ミルフィーの強運が研究対象かい?」
「それよりあたし達はそもそも興味の対象外って・・・ちょっと失礼じゃないの? 特殊能力者ばっかり優遇して!」
「フォルテ先輩、ランファ先輩。そう言って、じゃあ捕まえようか、とか言われても困りますけど」
アホな会話・・・・
しかしやはり隊長の表情は変わらない。
「やれ」
『はっ』
号令によって一斉に男達がエンジェル隊に向かう。セレスは無視だ。
「・・・・・」
無言でセレスがエンジェル隊に向かう男達に銃を構え―――
ぎぃんっ
金属音が響く。男の振り下ろしたナイフと、セレスの握る拳銃が火花を散らす。ナイフを持つのは隊長。
「邪魔はさせんよ・・・」
「・・・・・」
ビュゥ
空気の焼ける音か・・・・一条の光線が二人の目の前を通り過ぎる。
レーザーの出所を目で追えば、入り口に寄りかかるレスター。
「くそっ、強く殴りやがって・・・」
毒づくとレスターはその場に倒れ込んだ。
「ふん」
鼻を鳴らす隊長に向けて近距離から心臓めがけてセレスが発砲する、容赦無しだ。
ダンッダンッ
二連射
両手に持った二丁拳銃が火を噴くが、銃弾は隊長の黒い長衣に阻まれる、防弾コートの一種か?
「・・・・・」
素速くセレスが後に下がり、一瞬前までセレスがいた空間をナイフが薙ぐ。
六人の男達が一斉にエンジェル隊へと向かう。
フォルテが銃を構え、残りの五人を後に下がらせる。フォルテが銃で牽制し、近づいてきたところをランファが当て身で気絶させる作戦。
『はぁっ!』
一斉にナイフが振り上げられる、隙のない連携。
ドンッドンッドンッ
続けて三発の弾を三人に放つが、狙われた三人だけが動きを止め、残りの三人はそのまま斬りつける。
「ふっ」
ドッ
鈍い音が響き渡り、二人が行きよい良く蹴り飛ばされた。
蹴ったのは瞬時に現れた栗色の髪をした女
「ソラト! 蒼乃!」
女が叫ぶと、ソラトと呼ばれた灰色の髪をした男と蒼乃が残りの敵に向かう。
ソラトが女の蹴りで動きを止めた残りの一人を羽交い締めにし、蒼乃は銃弾で動きを止めた三人の後から銃を構える。
「ジュリア・・・取りあえず全員捕縛すべきだと私は思うが?」
ソラト―――本名ソラティアートは端的にそう言った、ジュリアと呼ばれた女もそれに同意し、しかし
「はぁっ」
男の一人が気合いと共にジュリアを蹴りつける。ジュリアはおちついてガードし、反撃をしようとするが
「ふっ」
「たぁっ」
それぞれの気合いでナイフとは違う、各々の武器を振り回す男達。
「面倒なことになった・・・・」
「てぇやぁぁぁぁ!!」
金属棒を取り出した男がソラトに向かう、しかし慌てずにソラトは僅かな動きで攻撃をかわし足払いをかけて砂浜
にたたきつける。柔らかい砂ではダメージが少ないので、とどめに心臓のあたりを思いっきり踏みつける。
ぎぃんっぎんっ
幾度となくナイフと拳銃の金属音が響く、セレスは間合いを取ろうとし、隊長はそれを許さない。
幾度となくナイフと拳銃で火花を散らしたかという時
「ほぉう・・・」
「・・・・・」
隊長がセレスの顔をのぞき込み、声を漏らす。
「よく見ればあのときの娘か・・・以前とは顔つきが違いすぎて分からなかったぞ」
「貴様・・・」
セレスの瞳が冷たさを増した。
「落ちこぼれにようはないっ!」
強くナイフをおしこみ、隊長が後へ下がる。
「はぁっ」
ナイフをエンジェル隊に投げつけた。三人が戦っているため、エンジェル隊は気が少しゆるんでいたのか、ナイフに気づくのが遅れた。
ぎぃんっ
「レナード・ミルガルド・・・貴様か・・・」
神速で表れナイフをはじいた男―――レナード・ミルガルドは静かに告げる
「これで三度目、いい加減に諦めて捕まったらどうだ?」
オブスティネートの制服の下から、二本の柄が見えている。
静かに告げると、腰に差した二本の刀の内、大和を抜く(詳細は第二部第二章で)
「くはははははははははははははははははははははははははははははははははは」
隊長の笑い声が響く、まさしく狂気。
「皆さんはミルフィーさんを連れて逃げて下さい。ここは我々が・・・」
「分かった・・・みんな行くよ!」
フォルテが先導してクジラルームから出ようとする、入り口で倒れているレスターを見るが、逃げることを優先してそのまま出て行く。
「逃がしたところで所詮は無駄だというのに・・・無駄なあがきだ」
「私の前から逃げられるとでも?」
ダッ
砂を蹴り上げ、隊長に向かって大和を構え、突進術で攻撃をする。
「はぁぁぁっ!!」
隊長は気合いと共に長衣の下から二本の刀を取り出し突進術を受け止める。
ぎぎぎぎぎぎぎっ
金属のこすれる嫌な音が響く。
レナードは知ってのとおり並の人間では無い、身体能力も剣術の腕前も尋常ではないレベルだ、しかし対する隊長
もまた並ではない、レナードの攻撃を受け流すことくらいは出来る。
「そんな逃げ方が通用するかぁ!」
受け流された刃を隊長に突き立てる、しかし、銃弾を阻むようにレナードの大和もまた阻まれる。
ダンッダンッダンッ
三点射
ワンホールショットで放たれた弾丸は背中から撃たれ、長衣に対しては・・・
「我らが実力で劣るのは認めよう! 生身での白兵戦で、貴様らには勝てぬ! だからこその防御の構え!!
打ち破れるわけがないわぁ!!」
しかし、人体の急所と呼べる場所はいくつもある、心臓ねらいだけでなく、脳天でも重要な動脈や内臓でもいい。
露出している部分は―――頭、それも額。
「ふっ!」
鋭い呼気と共に繰り出される打突は―――
「言ったはずだ・・・防御の構えは打ち破れぬ」
見えない壁に阻まれた。
「力場か・・・」
にやりと笑い隊長は再び刀を構えた。
「で、余裕でしゃべっているトコ悪いけど・・・お仲間は全員倒れたぞ」
ジュリアが余裕の見える声でそう言った。見れば、ジュリアの足もとには六人全員が気絶して転がっている。
「大人しく降伏しなさい」
蒼乃が銃を構えながらゆっくりと隊長に近づく。
「甘い」
だっ
隊長が砂を蹴り刀を蒼乃の両肩に振り下ろす。
鮮血が砂浜を濡らす――――――事は無かった。
「?」
隊長は異様な手応えを感じた、いや、正確には手応えがない。
プレートなどを仕込んであるのなら、まだ刃が通らない説明は付く、しかし、まるで柔らかく受け止められたか
のごとく衝撃が全く伝わってこない。
「貴様も能力者・・・」
「そう言うこと、あなたに攻撃が通用しないと言っても、防御力に限界はあるわ。レナード君に、今度は殺す気
で斬ってもらおうかしら?」
「なに?」
本気でなかったというのか?
ヒュッ
頬が浅く斬られた、大した傷ではない、転んですりむいたような程度。
「力場の力はたいしたこと無いな・・・鉄程度の強度なら、斬る」
くくく・・・
「?」
くくくく
「くはははははははははははははははははははははははははははははははははは」
再び哄笑。
「恐れ入った・・・予想以上だよ。次は全力で・・・貴様をつぶす」
「全力?」
「また会おう」
パシュゥゥン
「な!?」
「?」
「瞬間移動? いや・・・」
何かの音と共に、隊長と六人の男達が跡形もなく消え去った、消え去る瞬間に見えた碧の粒子は・・・
「クロノ・ドライブ?」
その呟きは誰が発したものか、互いに全力は見せ合わぬまま、勝負は幕を閉じたかに思えた。
「くっくっくっくっ」
不気味な笑いが廊下に響く、レナード達オブスティネートのメンバーが戦っている時、エンジェル隊を狙う別働隊がいた。
背は低く、髪はそり上げているのか一本の毛もない。短身痩躯、腕も足も骨に肉が申し訳程度に付いているほど、
異様にやせた男だ。この男に比べたら、ストーム艦長の不健康そうな外見(青白い顔とか、痩せた体とか)はかなり
の健康体に見えるだろう。
そして、不気味な笑い声を発するその男は・・・・
「見つけました」
ぽつりと呟き足を速める
「え?」
男が行き着く先にはレナードに言われて逃げ出してきたエンジェル隊。
「ひぃやぁぁっ!!」
奇妙な絶叫と共に男の掌底がフォルテに向かう。
「なぁっ!」
特に意味の無い声を上げながら、勘と本能で身をひねる。
間一髪で身をかわすと、他のエンジェル隊の反応は早かった。
ランファが回し蹴りを男に叩き込み、ちとせはレイザーガンを取り出す、フォルテも転がって距離を取り、残りの
三人は離れたところに待機する。白き月での戦いで、三人が別行動で逃げることの危険性を学んだのだ。
「はぁっ!!」
気合いと共に放たれた蹴りを男は手のひらで受け止める。
ちとせとフォルテはその隙にレイザーと弾丸を撃ち込む。
「痛っ」
ランファが足を押さえて男から距離を取る。弾丸は男に当たるがはじかれ、レイザーはかわされる。
「銃は放つ時の角度であらかじめ弾道が読めますよ」
男はそう言うと高速でちとせの元へ走り、レイザーガンを破壊した。
そのままちとせに攻撃を仕掛けようとする男に、フォルテは容赦なく銃弾を叩き込む。
「ちっ」
小さく舌打ち。男はいったん距離を取る。しかし命中した銃弾はことごとくはじかれている。
「防弾プレートでもはじけるとは思えないけどねぇ・・・・」
油断無く銃を構えながらフォルテが言う。男には銃が通じない。
「ランファさん・・・」
ヴァニラがランファの足の治療を始めた
「骨に・・・ヒビが・・・・」
『!?』
ヴァニラの言葉に全員が驚きを表す。
「なんだい・・・サイボーグとか言い出すんじゃないだろうね・・・」
銃はポイントしたままでフォルテが言う
「易筋行」
『エッキンギョウ?』
ランファが口にした言葉でみんなの上にクエスチョンマークが浮かぶ。
「よくお解りですね。さすがはランファ・フランポワーズさん」
「・・・ランファ、こいつ・・・」
なんで、ランファの名前を? と言おうとすると
「エンジェル隊を殺すのですから、名前など当たり前の情報ですよ」
男が先読みしたのか答えを出す。
「易筋行を知っているとは・・・なかなか博識ですねぇ」
易筋行―――ヨガの一種であり、肉体を限界まで硬くし、攻撃を無効化する。
しかし刃物を通さなくするどころか銃弾すらはじき返すほど鍛え上げられているこの男の易筋行はいかほどの域に達しているのか。
「ふふふ、特にあなた方に恨みはありませんが、ここで死んでい」
死んで頂きます
とでも言うのだろうが、会話を自ら終えずに五指をそろえた貫手を放つ、狙われたのはまで治療の終わらないランファ。会話はフェイント。
「ランファァッ!!」
ミルフィーユが叫び、フォルテが素速く男のスネを蹴りつけるカウンターを放つ。
ごぉっ!!
もろに一撃を受けながらも男は前に出てフォルテの目を襲う。易筋行によって硬化した筋肉はたかが蹴り程度跳ね返す。
フォルテの放った蹴りはランファの蹴りと違って靴のかかとを使っているため、足自体にダメージはない。
フォルテは何とか上体を大きくのけぞらせて攻撃をギリギリかわす。男の力量はかなりのものだが、エンジェル隊が複数
で戦っているため何とか持ちこたえられている。
「ちとせさんっ!!!」
唐突にミントが叫ぶ、男はフォルテを追撃せずにちとせへとねらいを定めていた。テレパスで先読みしたからこそ叫ぶこ
とが出来たが、ちとせの体は唐突な攻撃に対応が出来ない。
「しゃぁぁぁっ!」
奇声と共に貫手が迫り
ひゅっ
風を切る音と共に男の腕と背中が切りつけられる。
「邪魔が入りましたねぇ・・・」
傷口を押さえつつ男が下がる、とはいえ男の後にはエンジェル隊がいる。
「その傷口・・・何らかの方法での防御か・・・・」
男を斬りつけたナイフを放った張本人、レナードがゆっくりと男とエンジェル隊の前に現れる。
ナイフによる傷が予想よりも浅いことからの判断だろう。
「まったく、別働隊がいたとは・・・探すのに一苦労しましたよ。で、タネは何ですか?」
「易筋行よ・・・」
治療の終わったランファが起きあがりながらそう言った
「またずいぶんとマイナーな名前を知ってますねぇ・・・」
苦笑しながらレナードは、腰に下げた大和を抜き放つ
「ですが、易筋行とはいえども無敵の硬度ではありませんからね。しかしそれは不意打ちを受けた場合には防壁が完全に機能しない」
「なるほど、さすがはミルガルド家、氣についてのことも承知のご様子。ミルガルド家の次期宗主を相手にするほど・・・私は馬鹿では無いのでね」
男はジリジリと後に下がる。
「氣って・・氣功のこと?」
ランファが呟くが、それには反応せずに、
「転移開始」
男はそう言うと、碧の粒子が男の周りを舞い
パシュゥゥン
それは空間のゆがむ音なのか、男はクロノ・ドライブでその場から姿を消した。
「あの連中といい、今の男といい・・・どうやってクロノ・ドライブを・・・」
男の消えた空間をにらみながらレナードは呟いた。
「やはり姫君の力がなければ、空間転移は安定せぬか・・・」
「座標の安定もしないしねぇ。早くお姫様を連れてきてくれないと・・・」
いくつものモニターの明かりに照らされ、隊長とマーシー・ウキタケが話す。
「無論だ、新たなる秩序を築くため・・・」
「トランスバール本星でも動く予定ですから。エルシオールの仕掛けは?」
「調度今の時刻だな、作戦を開始する」
ドドドドドドドドッ!
どぉぉぉぉん!
「うわぁっ!?」
司令官席からずり落ちつつタクトが奇妙な声を上げる。
レスターが医務室で休んでいるため、タクトがブリッジ待機となったのだ。
「艦内で爆発が! 被害箇所を調査します!」
アルモがコンソールに手を走らせ、ココは周辺宙域をサーチする。
「周辺に艦影探知できません!」
「オブスティネートの光学迷彩みたいなものじゃないのか?」
メインモニターに目を向けながらタクトが言うと・・・
『それはありません』
「わぁっ!?」
いきなりタクトの目の前に通信ウィンドウが現れ間近にレナードの顔が表れる。
蒼みがかった銀髪、きめ細かい白い肌、男女問わずに見とれそうな風貌を眼前に出されて・・・・
「って、いきなり顔を出さないでくれっ!」
『まあ、それはどうでもいいとして』
「いや良くないから・・・」
『オブスティネートの光学迷彩は特殊です。一部の企業が開発を進めてはいますが、我々のレベルには達していません。
更に言えばエルシオールに探知できなくても、こちらのレーダーで先に発見できるはずです』
「うーん、たしかに・・・それじゃあ・・・さっきエルシオールに入ってきた連中が爆弾でも?」
「その可能性は高いですね。それより被害箇所は?」
「あ、そうだ、アルモ!」
少しの間忘れていたことを思い出し(ダメだろ)、アルモへと問いかける。
「はい。被害箇所は倉庫とその周辺、倉庫内は壊滅状態のようですが、そのほかの被害は大したことは無いようです」
「あれ?」
『倉庫と言えば・・・』
「食料ぅぅぅぅぅぅぅぅぅ!!!」
「また同じパタァァァァァン!!!」
「何か恨みでもあるのぉぉぉぉぉぉ!?」
『よく叫ぶ人たちですねぇ・・・』
『しかし、食糧の問題は深刻です。先日補給をしたばかりではありますが、何処かでエルシオールの補給をしなくては・・・』
『確かに』
レナードとセレスが冷静に話し合いを進めているのだが
「エルシオールのブリッジにウィンドウ広げたまま会議するなよ・・・」
数分後、付近の惑星のオブスティネートの基地での補給が決定した。
「いや、出来れば存在自体極秘のオブスティネートの大した価値のない基地とはいえ部外者は入れたくないのですが・・・
他に当てもありませんからね・・・はぁ」(レナード談)
トランスバール本星―――ミルガルド邸
「では・・・行ってくる」
レナードの父親―――ディルス・ミルガルドはそう言うと、敷地内にあるヘリポートへと歩を進めた。
バラバラバラバラバラッ
「あの・・・ご家族もご一緒で?」
「ん?」
ヘリポートでパイロットがそう言うと、ヘリの中に人影が数人。
「・・・何をやっている」
陰影の濃い顔の影を更に濃くしてディルスが言うと・・・
「あら、だってレナードちゃんにあなた一人で会いに行くなんて、ずるいじゃない」
「いい加減ちゃん付けで呼ぶのはやめたらどうだ? レナードも嫌がっていた・・・」
「あ〜ん、レナードちゃんはレナードちゃんだから、だ・め」
「・・・・・ティタニア、今年で何歳だ?」
「49歳」
にこやかにそう答えたティタニアの顔はどんなに多く見積もっても20代。
「いい加減にしろ・・・」
「あの・・お父様?」
「僕たちもついていきたいのですが?」
「レナ・・・ウィン・・・お前達もか・・」
無表情なディルスの顔に明らかな呆れの色が見えた。
「もういい、好きにしろ・・・」
ディルスは呆れてヘリに乗り込み、ヘリは空へ飛び立った。
レナードの父親、母親、妹、弟、そして
「バレてます」
「うむ」
追加一名
座席の後からひょこっと顔を出したのは十歳前後の小さな女の子
「はやくレナードの元に行って貰おう、ディルス、お前にも文句は言わせぬぞ」
「好きにして下さい」
パタパタと少女が扇子を振る、少女の体に合わせて作られた和服が妙に似合っていた。
扇子に書いてある文字は『翔ぶが如く速く行け』とのこと
「初めから飛んでいます」
「うむ」
少女は大様に肯いた。
つづく
【あとがき】
ついに戦場はエルシオールにまで、この話で分かるのが今回の敵の様に特殊な能力者に対してエンジェル隊は
まともに戦えないと言うこと、GAでも、たとえばミントの父親のダルノー・ブラマンシュが拳法の達人とかだ
ったらテレパスの先読みでものすごく強くなりそうな感じ、やっぱり何か他にはない能力があると妙に強くなり
ますよね・・・
それでもエンジェル隊には今後いっぱい活躍してもらう予定です。
ところで、この話って、他人から見るとやぱりオリキャラメイン? う〜ん、この話も次の話もそうだけど、
更にその次はエンジェル隊が大幅に活躍するのにまあ、どちらでもこの際・・・それにオブスティネートが活躍するしね。
最後には倉庫の食料を吹き飛ばされるという「何か兵糧責め攻撃ばっかりだな」という攻撃を受け、オブスティ
ネートの基地の一つに立ち寄ることに、しかし敵もまた何か始める気満々なので何が起こるのか私はドキドキです。
(お前がドキドキすんな)
ミルガルド家の皆さんも何かする気のようですよ。
それでは次回のあとがきで
ミルガルド家の連中の特殊能力は次回発表・オブスティネートはそのうち・あとがき
(長い)
次回予告
レナード「レナードです」
フォルテ「フォルテだ、次回予告をするよ!」
レナード「次回は私の苦手な人が登場します」
フォルテ「なんだそのひねりのない予告のセリフは!」
レナード「え?」
フォルテ「え? じゃないよ! 全く・・・」
レナード「そんなこと言われても・・・・」
フォルテ「いくよ・・・コホン・・・オブスティネートの基地に立ち寄ったエンジェル隊とオブスティ
ネートではあったが、彼らの後には何かをたくらむ怪しい一団の陰があった! 果たして彼らはこの困難を切り抜けることが出来るのか!」
レナード「あの・・・そこまで大変なことにはなりませんけど・・・・」
フォルテ「あれ?」
レナード「えっと・・・次回【国士無双が相まみえ?】です」
フォルテ「次回も宜しく!」
レナード「ところで、無双ってことは一人なのに、相まみえたら最低二人はいることに・・・いいんですかね?」
フォルテ「あたしに聞くなよ・・・」