ギャラクシーエンジェルBeloved lovers

 

【是々非々が相手に欠けている】

 

 「えっと・・・お知り合いですか?」

 「そう言うことになるな・・・」

 アルモがおずおずと口を開き、レスターも疲れたような声を出した。

 ブリッジにしばらく沈黙が降りると

 「こんな形で再会するとはね・・・道理で同窓会に出席しないわけだ」

 「関係ないだろ・・・」

 相変わらずタクトの軽口にレスターが突っ込むが、どうにも暗い雰囲気だけはぬぐえない。

  

 ピピッ

 

 「ん? 通信機かな?」

 タクトが胸に付いている三角形の通信機を手に取る

 「え? あ、レナード、作戦会議か・・・エンジェル隊・・・うん、うん、分かった。じゃ、レスター後は任せた」

 「っておい、何を話したんだ?」

 「あとで」

 それだけ言うととっとと(・・・・)ブリッジを出てしまった。

 「作戦会議か・・・あいつは何をやる気だ?」

 レスターの言うあいつとは、タクトではなくレナード―――

 

 

 

 1時間後、主要メンバーを集めてエルシオールブリッジに集合となった

『本星奪還作戦?』

 ブリッジに集まっている一同が異口同音にそう言った。

 ブリッジにはおなじみのオペレーターの皆さんとタクト、レスター。シヴァにルフト、そしてノア。モニターにはレナードが映っている。

 「うん、逃げてばかりではいつまで経っても自体は解決しないし、〈オブスティネート〉の艦隊の準備が整ったらしいから、ここで一気に攻め手に回ろうと思ってね」

 タクトがにこやかに発表するが、他のメンバーはあまりいい顔をしなかった、まず最初にシヴァが口を開いた。

 「しかしタクト・・・いきなりそんな大規模な行動を起こしてもよいのか?」

「あ〜、レナード・・・説明して」

 『では早速説明しましょう!!』

 説明大好き人間レナードが、画面いっぱいに映る、説明という言葉を聞いたとたんに目の色が変わったのだ。

 

 

 

『さて、陛下の質問の答えですが、作戦に参加させる艦隊は本星から一星系分離れた中域に待機させています。その場所までは今まで通り三隻で移動します』

 しかし―――となおもシヴァが言う

 「例え一星系分離れているとしても・・・待機している艦隊が敵に発見される心配はないのか?」

 『陛下、我々オブスティネートのスキーズとギャロップがどうやって表れたか覚えておいでですか? レーダーを無効化する光学迷彩で、まず敵に発見されません』

 「なるほど・・・」

 納得してシヴァが席に戻る

 「次、質問いいかしら?」

 『どうぞ、ノアさん』

 指名されてノアが席を立つ、物憂げな視線を投げかけつつ

 「色々と研究することが多くて忙しいの、とっとと白き月に戻るためにも、兵力はどれくらいなのかしら?」

 白き月での研究はノアの日課となっていた、実はスキーズの研究所にも入り浸っていたりもしたのだが、本腰入れていた研究を中断されて相変わらず不機嫌なのだ。

 『そうですね、70隻くらいですかね?』

 「一組織で良くそこまで用意できたねぇ」

などとフォルテが感心の声を上げるのだが

 「足りないわ・・・」

 『えーっ!?』

 『あ、やっぱりそうですか? 数の上ではちょっと・・・』

エンジェル隊が驚きの声を漏らすのは無理もないが、ノアもレナードも不満な数らしい。

 「異例の大艦隊じゃない、十分すぎるわよ・・・」

 「分かってないわねフランポワーズ・・・相変わらず脳みそが不足しているようね・・・」

 「KILL YOU!!」

 完全にコケにされたランファが殺気満々でノアに向かおうとするのを数人がかりで押さえ込み

「えっと、ランファ? とりあえず落ち着いて・・・」

こめかみに汗を垂らしてタクトが言った。

「今回本星奪還作戦なんて言っているけど、実際の所、エオニアの反乱のように本星は物理的な占領は受けていない。そう考えると敵艦隊は本星付近の・・・衛星軌道よりも離れた場所に展開していると考えるべきだ、そこが今回の戦場になるわけだけど。で、その艦隊が動けば、すぐにでも本星を制圧できる規模の艦隊が相手になる、少なく見積もっても百隻は超えると思うよ」

「うえ・・・」

ランファが嫌な顔をした。

「しっかし、こっちが七十の所を相手は百かい・・・ギリギリって所だねぇ」

フォルテの言葉にタクトは首を振って

「いや、多分状況はもっと悪い。百隻って言ったのは少なく見積もってだから、二百、三百いる可能性だってある」

途端その場にいた全員が何とも言えない嫌な顔をし出す。あまりにも不利な戦力差・・・その現実を突きつけられたと言うところだ。

さらに言えば最近のエンジェル対の戦績、お世辞にもほめられた物ではない。

七人組の駆るMHにはほとんど歯が立たない状況で、もっぱらオブスティネートが戦っている。

 

 

 「ワシもいいかの?」

 目つきが鋭くなっているルフトが手をあげた、レナードは肯き

 「その艦隊を指揮するのは誰じゃ?」

 『それを説明するには、まず作戦の概要を説明しなくてはなりませんね。作戦図を出して下さい』

 「あ、はい!」

 レナードに言われてアルモがコンソールを操作する。

 メインスクリーンに映し出されたのは本星を中心とした宙域図

 

 

『本星に攻め込む場合、まず艦隊を三つに分けます。とりあえず大まかに敵艦隊がこう板として・・・』

 作戦図に矢印と敵艦隊を示す黒い無数の点が表れる、ほとんど塗りつぶしだが・・・

 

進行方向       敵艦隊

             ■    / ̄ ̄

 →→→→→→→     ■   | 本星

             ■    \__

 

 『で、光学迷彩で覆った別働隊を左右に展開、包囲します』

 

進行方向       敵艦隊

 

      →→→→→エルシオール

     /       ■    / ̄ ̄

 →→→→→→→スキーズ ■   | 本星

     \       ■    \__

      →→→→→ギャロップ

 

 『中央はスキーズとメインの艦隊、オブスティネート艦隊の6割を回します。左右に展開するのはギャロップとエルシオールの艦隊、それぞれ2割の艦隊を回します』

 「エルシオールは光学迷彩無いぞ・・・」

 レスターが突っ込む

 『光学迷彩を装備した艦でエルシオールの周りを囲めば大丈夫です。エルシオールは作戦の要ですから、更にここで別の作戦をします』

 「それは?」

 オウム返しにルフトが聞く。

 『白き月のシールドを解除して中に入り込むことです。白き月を本星内部に突入する際の拠点にします』

 「そうか・・・シヴァ陛下にシールドを解いてもらってエンジェル隊で付近の艦隊を全滅させればいいんだな?」

 『はい』

 そこで更に細かい作戦図が出る。

 「これは?」

 『偵察部隊のスキャンによって敵の数も分かっています。白き月の周りだけは厳重に艦隊が配置されています』

 「聞いてないけど・・・」

 タクトが口をとがらせて言う、作戦会議に出席していたのに今まで知らなかったのが不満なのだろう。

 『ついさっき情報が届いたばかり何ですよ。敵は白き月を中心として・・・』

 

 

         エルシオール ■■

         →→→→→  ■○白き月

     スキーズ      ■  / ̄ ̄

     →→→→→    ■  | 本星

               ■  \__

         ギャロップ  ■■

         →→→→→

 

 『このように配置されています。エルシオールは白き月のすぐ近くの敵のみを相手にして下さい、他は全てオブスティネート艦隊が請け負います。少数で高速の戦闘能力のあるエンジェル隊が適任なのです』

 「了解」

 「OK

 「はい」

 等々、それぞれ肯くエンジェル隊の面々。

 「それじゃあ、白き月周辺での作戦を立てるよ」

 タクトがそう宣言すると、白き月すぐ近くの作戦図が出てくる。

                  ■■■■

                ★★★★

          ◆◆   ■               

◆◆   ■  / ̄ ̄

          ▼▼   ■ | 白き月

          ▼▼   ■  \__

                ★★★★

                  ■■■■

■―――重戦艦

◆―――装甲ミサイル艦

▼―――空母戦艦

     ―――高速突撃艦

 

「28隻か・・」

タクトが呟くとレナードが

『いえ、一つのマークで4隻くらいと考えるべきでは?』

「いやだぁぁぁ!!!」

絶叫した。少しして落ち着いたタクトは・・・とりあえず作戦を考えることに

「見てのとおり、防衛の要となる場所には重戦艦が配備されている、まあエオニア軍の残党らしいし使っている艦も似たような種類のようだね・・・ただし性能はだいぶ上がっているようだ、浮遊防塁や攻撃衛星じゃなかっただけマシかな?」

タクトがそう言うと、今度は更に一部の艦のみがズームされる。

「新しいタイプの艦のようだね、空母戦艦。艦載機は戦闘機かMHか分からないけど・・・要注意の敵だ。作戦目標は敵の全滅、急がないと周りから増援がやってくるだろう、状況に応じて作戦は変更していくよ、本星までは順調にいけば一週間ほど、それまでみんなは体を休めてくれ」

『了解』

エンジェル隊が応えると、タクトは肯き作戦図を消す。

その後タクトは後を振り向き、相変わらずスクリーンに映っているレナードを見て

「そういえば気になっていたんだけど今回の敵はどこから戦力を補充しているのかな? 生産工場があるとか?」

『ええ、生産工場の場所はだいたい押さえてありますよ。ローハイドの生産工場は本星奪還作戦と同時進行で拠点を同時に攻め込む予定です』

「って、場所が分かってる!?」

驚きの声をタクトが漏らす、ブリッジから帰ろうと思っていたエンジェル隊も足を戻して駆け寄って来る。案の定口々に文句を言い出すが。

 

『今ここで敵の生産工場を攻撃すれば敵はこちらが多くの情報を得ていると判断し、こちらの体制が整わないうちに向こうから撃て出てくるでしょう。オブスティネート艦隊を含めない状態での我々の戦力では、大艦隊は相手に出来ません』

 

と、理詰めの反撃をされては反論の余地もない。

 

『それでは、皆さんは休んでいて下さい。オブスティネート艦隊に暗号通信』

『アイ・サー』

オペレーターの誰かが応える

『ひとよひとよにひとみごろ・・・イイクニツクロウカマクラバクフ・・・ななしのごんべい・・(いち)富士(ふじ)二鷹三(にたかさん)茄子(なすび) ―――以上』

『転送完了』

 

『どんな暗号だ!!』

 

ブリッジに絶叫が響き渡った。

 

 

 

スキーズ・ブラウニル―――艦内銀河展望公園

 

『パクリ!?』

 

「何か最近騒いでばかりですね・・・」

「って、明らかにエルシオールをマネしてるだけだろ!」

「ははは、フォルテさん。クルーの精神の安定のため、青空も星々も眺められる展望台公園は有効ですから。さすがに海は作れませんでしたけど・・・」

「だから・・・そこまで忠実にせんでも・・・」

呆れたようにフォルテが喋っていると、既に他のエンジェル隊は並木道を先に進んでいた。レナードは先に進むエンジェル達を眺めつつ

「名称こそそのままですが、内装には独自の技術を取り入れてあります」

「技術?」

オウム返しにフォルテが聞く

「公園の奥には複数の個室がありまして、そこでは酸素濃度に気温、景色などを自由に変えることが出来るリラクゼーションルームになっています。のどかな田園風景から、酸素の薄いエベレスト山の頂上まで、お好み次第です」

「おお、それはすごいな」

「試しに行ってみましょうか? お勧めは酸素濃度58%の森の中にある村ですけど」

「いや、死ぬだろ・・・・」

 

 

 

タタタタタタタタタッ!

 

別に誰かが走っているわけではない、連続した発射音、おそらくはサブマシンガンか何か・・・

ダッ!

今度こそ誰かが走った音、と言うかフォルテが駆け出す。

「あ、危険です!」

レナードが慌てて止めようとするが、フォルテは銃を構えて森の中を進む

「ったく、艦内だってのに広いねぇ、エルシオールも似たようなもんだけど・・・・」

 

ドォォォォンッ!!

 

「(爆発!?)」

フォルテは油断無くあたりを見渡し、動きを止めた。

「はい、白組二人目ゲット」

後から女の声がした、二十代くらいだろうか

「って、あれ? こいつは・・・」

「フレイ! 伏せろ!」

少々切迫した声がどこからか聞こえると、目にもとまらぬ速さでしゃがみ込む、するとフォルテと女の上を何かが飛んでいく

「ぐあぁ!?」

 

タァ・・・ン・・・・

 

悲鳴の後に銃声が聞こえた。長距離からの狙撃だ

フォルテが起きあがって後ろを見れば、仰向けに倒れている男が一人。

「死んでるのかい?」

「あはは、まさか」

女は事も無げに応えた、

「さてと・・・後一人・・こっちは損害ゼロ余裕余裕」

妙に楽しそうに女が言うと小銃(ライフル)を構えて茂みを進む

「っておい! おいていくな!」

「しーっ、あんたもプロなら静かに――」

「はぁ?」

「戦闘中よ」

「模擬戦?」

こくりと女は肯く

おいおい―――フォルテは内心であきれかえった

展望台公園で銃の撃ち合い、殺伐としていて精神安定なぞ出来そうもない。

タタタタタタタッ

ドンッドンッ

バサバサバサバサバサバサバサ

連続して銃声が響き、鳥が飛び立つ

「鳥までいるのか・・・」

「当たり前でしょ、現実と同じような状況にしなくちゃ」

 

『ガガッ・・・こちらダルト5、目標を殲滅。白組は全滅だ』

 

落ち着いた男の声が通信機から聞こえる。

「よぉしっ! 紅組の勝ち!」

女が喜びを表すかのように飛び跳ね、シガレットケースを取り出す

「タバコ?」

「まさか」

一本の棒状の物を取り出し口にくわえる

「うまい!」

「なんだいそれ?」

フォルテが棒状のモノを見つめて聞くと、女はそれを一本フォルテに手渡す、フォルテはしばらく棒を眺めていたが(大きさは普通の紙巻きタバコと同じ)おもむろに口にくわえる。

「ギャァァァァッ!?」

「? どうしたのよ」

「死ぬ!? あたしはこんなところで死ぬ!?」

「は?」

女が心底不思議そうな顔をすると、しばらく騒ぎまくっていたフォルテが

「な・・・何を渡し・・た・・」

「殺戮者ジジネロ・・・某社のお菓子のネーミングを微妙な感じでパクッた唐辛子の一万倍の辛さを誇るモノよ」

「死・・ぬ・・・ガクッ」

 

フォルテ・シュトーレン――――名誉の戦死

 

女の名前はフレイ・アルメイト―――オブスティネート特別戦闘班、MHパイロット――――超辛党

  【陰謀(いんぼう)詭計(きけい)の種明かし】にも一応登場しているのだが・・・

 

 

 

「フレイ・アルメイト、ショーン・アドバント、デュラン・レイノーク、これが紅組。そして、ボギー・フリークス、レオノーラ・クレムリン、ヴァン・アルベント、これが白組。まあ、文字通り紅白戦の真っ最中だったというわけです」

レナードが先ほど戦闘を行っていた六人を順に紹介していった。

先ほどの女がフレイ、エンジェル隊に以前ナンパのようなモノを仕掛けてきたパイロットがショーン、同じくその場にいた三十代の男がデュラン、白組は直接描写されていないが、迷彩のバンダナをつけたごつい男がボギー、プレートサングラスをつけた女がレオノーラ(彼女は特別戦闘班ではなく、特殊能力を保有したAA(アビリティ・エージェント))、中肉中背、短く刈った黒髪と、まあそこそこの顔立ちの男がヴァン。

まあ、この六人はこんな所か、最後に

「いや、申し訳ない、立ち入り禁止の看板でも立てておくべきだったな・・」

身長は優に二メートルを超すだろう、筋肉質の四十、五十は確実に超えている大男が言った。アレクセイ・パルチザン―――特殊戦闘部隊の指揮官を務める男だ。

「今後は我々も気をつけるようにしよう。それでは」

手短に謝罪を述べると、いくつかの装備品をまとめて7人はぞろぞろと出て行った。

 

模擬弾頭による戦闘訓練、アレクセイが審判となり、2チームに分かれて戦闘をしていたのだ。

 

 

「なんだかなぁ・・・妙なところに来ちまったよ・・・」

ぽりぽりと頭を掻くと、フォルテは後ろを向いて歩き出した。

若干忘れ去られたようになったレナードが早足で追いつき

「フォルテさん、あまりウロウロするとさっきみたいなことになりますから、注意して下さいね」

「注意でどうにかなるか?」

「・・・保証は出来ません」

「おい」

 

 

 

スキーズ・ブラウニル―――直営コンビニ

 

『パク「シャァァァラァァァップ(だまれ)!!!」

 

「ちっ」

「ちっ・・・じゃないです! さっきから同じパターンを繰り返そうとして、ただで冴子のシリーズは・・・はぁ」

舌打ちするエンジェル隊を見て、レナードはいい加減呆れていた、暇つぶしにとさっきからスキーズの中を案内しているが、いい加減レナードも叫びたくなってきた。

「くぅ・・・限界か・・・」

ここで言う限界とはもちろん我慢の限界、最近ストレスのたまることが多かったので(ディルスとの戦闘とか)いい加減精神もギリギリにすり減らしたところでこの打撃、ほんわかにこやかな笑顔を作るのも出来なくなり、通り過ぎていったオブスティネートの隊員がビビッて逃げ出していった。店員もすみの方で小さくなってるし・・・

「皆さん・・・後は自由に見て下さい・・・立ち入り禁止区域以外はご自由に、部屋に戻ります。ぐふっ」

具合の悪そうな声でそう言うと、返事も聞かずに歩き出した

 

レナード・ミルガルド―――脱落

 

追伸―――殺戮者ジジネロがこのコンビニで売っていた、ランファはもちろん買い求め少し後にフレイと仲良くなるのだが・・・それは書かれる予定はない。

 

「レナードさん・・・・心配です」

「ありゃ持病のしゃくかね?」

「先輩、それは仮病の代名詞です」

 

 

 

スキーズ・ブラウニル―――エージェントブロックA

「えっと、ここはどこでしょう?」

私はミルフィーユ、なんだか知らないけど一人称形式? という事で私が話をするそうです。ところで私今どこにいるんでしょう? みんなと一緒に見学してたら、コンビニの新製品「カビを根こそぎ死滅させる! 私はすこぶる(・・・・)気分爽快です! カビ取りハイター・ストロンガー!」というのを見ていたら、みんなが何処かに行っちゃってました。

あ、でもその新製品にはカブトムシのお面をかぶった人が書いてあったんですよ! 赤かったけど。

「ふえ〜ん、どこだか分かりませ〜ん!」

あんまり悲しかったんで、声にも出てしまいます、財布を忘れて出掛けたので「カビ取りハイター・ストロンガー!」も買えませんでした。ところで「すこぶる」って何ですか?

 

「どうしました?」

銀色を左右に分けた男の人が近づいてきました、腰には「りぼるばぁけんじゅぅ」と「おっきな剣」を下げています。ここの人たちの半分くらいは、必ず変な道具を持っていたり髪型が変だったりとかします。しかもその人達はみんなから「エーエー」と言われているんです、変な人だから「えーっ?」って言われるんでしょうか?

 

「どうしました?」

 

もう一度男の人が声をかけてきました、悪い人じゃなさそうなので道に迷ったことを伝えると

「・・・この通路をまっすぐ行って12番目の角を右に曲がって5番目の通路も右に曲がって31番目の通路を左に行って18番目の扉をくぐると医務室だよ」

と言ってくれました、何で医務室なんでしょう? てっきり迷子預かりセンターだと思ってました。

「ありがとうございます」というと、男の人は何故か捨てられた子犬を見るような目でこっちを見て去っていきました。

何ででしょう? 「ここはどこですか?」と聞くついでに「あと、私は誰ですか?」って言ったのがいけなかったんですか? え〜ん、だって一度言ってみたかったんだもん!

 

とりあえず、言われたとおりに行ってみることにしました。そこに行って事情を話しましょう。

「えっと、この通路をまっすぐ行って・・・・」

 

トテトテトテ

 

「会議何時(いつ)だったっけ?」

1800(十八時)だろ・・・」

「お、そうか」

なんだか近くで隊員の人が話をしています。

「18番目の通路を右っと」

言われたとおりに曲がります。

 

トテトテトテ

 

「阪神の六番って誰だっけ?」

「金本じゃねぇ?」

野球の話をしている隊員さんがいます。

「6番目の通路を右・・・・」

覚えているように曲がって・・・

 

トテトテトテ

 

「そういえば、私前にギャロップのストーム艦長の手を見た時に・・・右手に大きな傷があったの・・・何なのかしら?」

「昔の戦いでの負傷? あの不健康そうな人が歴戦の勇士・・・ってのは想像できないけど」

「あはははは」

女性隊員が話をしているところを通り過ぎて・・・

「18番目の扉の前の金本を右っと」

覚えつつ聞いたとおりに曲がりました。ワーイ(意味不明)

 

トテトテトテ

 

 

スキーズ・ブラウニル―――エージェントブロックA

 

「えっと、ここはどこでしょう?」

私はミルフィーユ、なんだか知らないけど一人称形式? という事で私が話をするそうです。ところで私今どこにいるんでしょう? みんなと一緒に見学してたら、コンビニの新製品「カビを根こそぎ死滅させる! 私はすこぶる(・・・・)気分爽快です! カビ取りハイター・ストロンガー!」というのを見ていたら、みんなが何処かに行っちゃってました。

あ、でもその新製品にはカブトムシのお面をかぶった人が書いてあったんですよ! 赤かったけど。

「ふえ〜ん、どこだか分かりませ〜ん!」

あんまり悲しかったんで、声にも出てしまいます、財布を忘れて出掛けたので「カビ取りハイター・ストロンガー!」も買えませんでした。ところで「すこぶる」って何ですか?

 

さっき男の人から道を聞いたのになぜだか医務室につけません、何となく元の場所に来てる気がします。

 

 

 

解説     初期位置

右↑→→→→○→→→→→↓右

  ↑  グルッと一週  ↓

  ↑          ↓

  ←←←←←←←←←←←↓

  右                    右

 

解説するとこんな感じですね、堂々巡りでもとの場所、異常解説終わり。

 

 

 

えっと、よく分かる解説でまた道に迷ったことがよく分かりました! 今度こそちゃんと道を聞きましょう! あの人の言ったとおりに行ったのにつけなかったんですあとで謝ってもらいます!

 

「ん?」

無精ひげを生やしたおじさんが歩いてきました、さっきの人はもちろん、オブスティネートの人は白いスーツにズボンかスカート、方には剣が三つ書いてあるマークを付けているんです。でも中には他の恰好をしている人がいます、司令官さんのレナードさんもちゃんと制服を着ているのに他の人が着ていないのはダメだと思います。

あ、でもあの規則を何よりも大事にして、みんなからカタブツって言われているストームさんは黒いスーツだったっけ? たしか

 

「派手すぎてこの年で着たくない・・・地味な色にして欲しかった」

 

とか言っていたような・・・でも、この人はもっと酷いです・・・よれよれのワイシャツによれよれのスーツ、ズボンなんて折り目が付いてません。私がアイロンをかけているタクトさんのズボンは折り目がピッとしているのにぃ・・・

 

「どうしたんだい?」

あ、何か声が渋いです、渋系オヤジ・・・でしたっけ? よく分かりませんけど・・・

私が道に迷ったことを伝えると

「ああ、キミがエンジェル隊の・・・エルシオールとのドッキング部に行けばいいんだ、ここの通路をまっすぐに行って突き当たりを右、エレベーターに乗って三階に行きな、そうすれば目の前だ」

「ありがとうございます!」

お礼を言うと言われたとおりに行きます。見た目はダメですけど、いい人でした、おひげを剃って服をちゃんとすればきっとモテるはずです。

 

 

 

オブスティネートUCRT1番隊隊長スティング・マハートは左右に分けた銀髪を指で払いながらオフィスに入っていった。

先ほどピンクの髪をした少女に出会い、道を教えてやった、記憶喪失のようなので出来ればついて行ってやりたかったが、仕事が忙しすぎた。

1番隊のオフィスに入ると三十代後半の男がだらしなく隊長席の机に腰掛けていた。

「そこは俺の机だ・・・せめて来客用ソファーに座れ・・・」

「堅いこと言うなよ・・・同期だろ?」

無精ひげを撫でながら男は言った、三十後半に見えるこの男はいいとして、スティングは二十後半ほど、少々若く見えるが、実のところもうすぐ40に手が届く。

無精ひげはオブスティネートUCRT二番隊隊長ボルト・エンドスミス、副隊長に競馬新聞に丸を付けつつ仕事をするのはやめろと言われている隊長だ。

「作戦、始まるのは72時間後、48時間後に味方と合流して、12時間で戦闘準備、作戦開始3時間前にはエンジェル隊も俺たちAA(エーエー)も戦闘部隊も待機になるそうだ・・・」

「そうか」

応えつつスティングはイスに腰掛ける。

「俺たちの出番はまず無いだろうなぁ・・・艦隊戦でカタが付く・・・仕事と言えば・・・本星に降り立った後でお守りでもするくらいか?」

「そうだな・・・テンション維持のため・・・一時療養状態に持って行くそうだ・・・」

「ミルガルド家でかい・・・豪勢だねぇ・・・」

「・・・・・」

 

 

 

スキーズ・ブラウニル―――エージェントブロックA

 

あたしの名前はランファ・フランポワーズ、誰よ今別の奴かよって言ったの。

ミルフィーがいつの間にかいないもんだから手分けして探してるけど・・・はぁ、あの()どこ行ったのかしら・・・糸の切れたタコみたいにどっか行くんだから・・・

口に殺戮者ジジネロをくわえて探してたけど・・・なんだかすれ違うオブスティネートの隊員が化け物でも見るような目でこっちを見てるのよね・・・

 

「フレイさんの再来だ・・・」

「人間じゃない」

 

とか聞こえてきたし・・・なによ、そのフレイってどんな奴なのかしら?

 

しばらく通路を歩いていると結構男前な奴が出てきたわ、二十代くらいかしら、赤い髪を短く刈った結構いい男・・・・まあ、さすがに惚れるまでは行かないけどねぇ

「あのぉ、すみませ〜ん」

にこやかに手を振り声をかけてみる、あたしに気が付いたのかこっちを振り向くと

「あれ? たしかエンジェル隊の・・・・」

やっぱり、あたしの美しさはもう広まっているのね! 誰よ今鼻で笑ったの・・・

あたしがピンクの髪の女の子を見なかったかって言ったらすぐに

「頭に花のカチューシャしてる()だろ? あっちに行ったなぁ・・・エレベーターじゃないのか?」

と言ったので、礼を言って駆け足でそっちに走ったわ、何か男が自己紹介をして

UCRT3番隊隊長とか言ってたけど急いでいるので無視してダッシュ! 早く見つけないとあの()なにやらかすか・・・・

 

 

 

スキーズ・ブラウニル―――エージェントブロックC

 

わたくしの名前はミント・ブラマンシュ、念のため言っておきますがブタマンジュウではありません。

何となく三年くらい後に誰かから馬鹿にされそうな気がするのはどうしてでしょう。

金利を三倍に上げる案を思いついたのはこの瞬間です。

 

わたくしミルフィーさんを探して三千里、手分けして艦内を歩いているのですが、どの隊員の方に聞いてもだめでした、テレパス能力を使ってもウソをついている様子はありません。まあ、ウソをいても仕方ないのでしょうけど。

 

とにかく手がかりの一つもないのでウロウロしていると、車いすに乗った老人とその車いすを後ろから押すゴスロリドレスを着た金髪巻き毛の少女と出会いました。

二人はなにやら小声で話をしているようです、読唇術は出来なくとも、テレパスで聞くことは出来ます、言っておきますがこれは立ち聞きでも盗み聞きでもありません、あくまで偶然聞こえてしまったのです。

 

聞いてみると、何時間後に作戦開始とか・・・そこで聞くのをやめました。別に聞いても良かったのですが、老人の着ている制服の上に、隊長であることを示す階級章が付いています。何処かの隊の隊長さんでしょう、私たちエンジェル隊のいないところでタクトさんやレナードさん達責任者が集まって作戦会議をするのです、どうせ後から私たちに内容は伝えられるのですし、色々と細かいこともあるでしょう、ここはあえて聞かないことにしましょう。

 

 

 

オブスティネートOPRT7番隊隊長アーク・マテリアは白髪を後になでつけた頭を撫でながら。

「ミレーユ君・・・彼女は・・・」

「ミント・ブラマンシュです」

ミレーユと呼ばれたゴスロリ少女が応える

「なるほど・・・彼女が・・・・・・普通に見ただけでは分からないが・・・強さを秘めているな・・・彼女は・・・」

「はい、ですが、七人組のMHに乗ったクソ野郎共には敗北してしまいました」

「覚悟の問題だよ、戦う時に迷いがあれば、勝てない、純粋に性能の差だけではないのだよ・・・」

「なるほど・・・では、エンジェル達がウジ虫共ぶち殺すためにはある種の覚悟がいると・・・」

「そう・・・テンションと大体の意味は同じだが・・・業を背負う覚悟、勝利するという覚悟、友や仲間を護り抜く覚悟、それを持てば・・・」

カス共を地獄の底に叩き落とせるというわけですね」

「その通りだよ」

穏やかな口調で両者は会話をしているが、ゴスロリ少女の言動がエグイのを気にしていないのだろうか・・・・?

 

 

 

わたくしはミント・ブラマンシュ、またお会いしましたわね。

先ほどヴァニラさんと合流しました。何でも面白い話を聞かせてもらったとか・・・何なのでしょう・・・話してくれないので頭の中を覗こうとしたらナノマシンぺットがいきなり中指を立ててきました。

あれは誰の意思なのでしょう・・・・

 

 

 

スキーズ・ブラウニル―――エージェントブロックC

 

ヴァニラ・Hです。

・・・・・・ミルフィーさんはどこでしょう・・・・

扉です・・・目の前にある扉を開けると、忙しそうにオブスティネートの隊員さんが走り回っていました・・・。

普通の隊員の方は白いスーツを着ているだけなのですが・・・ここの人たちはスーツの

上から白衣を着ています。話によるとOPRT8番隊のオフィスらしいです。

 

実のところ、何人かの隊長さんとは最近会っていたので面識があります、ですが8番隊の隊長さんには・・・会っていません・・・・確か・・・

 

「すみません・・・こちらにミルフィーユさんは来ていないでしょうか?」

「んんん? ふん・・・ヴァニラ・Hか・・・なんだね? 私は忙しいのだよ・・・手短に頼む」

「どなたでしょう」

会ったことがないはずなのに何故か私の名前を知っています。

「・・・・タリム・ウィストラルだ」

なぜだか私の名前を知っている男の人は褐色の肌に変わった形をした帽子をかぶっています。

自己紹介をされたのでこちらも

「初めまして、ヴァニラ・Hです。宜しくお願いします」

「知っている・・・昨日会ったばかりだ」

何故か呆れたような声を出しています・・・何故なのでしょう

「とにかくだ、忙しいので手短に用件を言ってくれ」

「・・・・・ミルフィーユさんを見ていないでしょうか?」

ふむ―――とタリムさんは肯くと

「おい! ミルフィーユ・桜葉を見た者はいないか!」

 

しーーん

 

「・・・沈黙は金なり」

「違うだろ」

 

オブスティネートOPRT8番隊隊長タリム・ウィストラル

仲間内ではちくちくと嫌みを言う隊長と言われているが、意外とユーモアのセンスがあるのかも知れない。

 

 

 

スキーズ・ブラウニル―――エージェントブロックB

 

人気と出番をほしがる女・・・フォルテだ、ってなんでやねん!

しかも何で大阪弁っぽい口調に・・・それはともかく、ミルフィーの奴はどこに行ったんだか・・・

そういえばこのブロックBは今回の件をいち早く知る要因となった予言をした人間がいるって話しだな・・・予言の力でミルフィーを探せないモノかねぇ

 

ここだね、DHRT4番隊オフィス、DHって言うのはデミ・ヒューマン、亜人種のことで一般的な人類とは違う人種の管理をしているそうだ。

あくまでこれは人種差別ではなく亜人種の中には人間に対して敵対しているモノも少なくない、そのせいでオブスティネートは亜人種の徹底管理をしているそうだ。

ファンタジーの世界に出てくるような連中が現実にいるのは驚きだけど、まあ世の中自分たちの常識で計れることばかりじゃないって事だね、EDENが滅びてるなんて言ってたらホントは存在していたってのがついこの間あったばかりだしね。

 

話が長くなったね、さてと、早速入ってみるか。

 

ウィン

 

「いらっしゃい、フォルテ・シュトーレンさん、あなたが来ることは既に予見されていました」

「おお、すごい」

まさか予言がここまで凄いとはね・・・占いやら何やらは信じていないけど・・・この4番隊長の予言の力はオブスティネートで認められた特殊能力のようだし・・・凄い連中もいるもんだ。

 

「4番隊隊長のノエル・マルティエルです。今回の戦いを予見した時は驚きました・・・戦いの勝敗は予見されていませんが、あなた方エンジェルならば、必ずや勝利すると信じています」

「そりゃどうも」

軽く挨拶をする、しかし・・・隊長さんの横にはまるで極道の親分みたいながっちりとした男が立っていた。

「そちらは?」

取りあえず敬語で話しておく、まあ、相手の方が階級は上だしね・・・

「5番隊隊長バルト・ゴールドベリだ」

ドスのきいた声だ・・・まさしく極道・・・って隊長!?

「そ、そうか・・・えっと・・・それでマルティエル隊長」

「ノエルで構いませんよ、マルティエルは呼びにくいでしょう?」

確かに・・・舌をかみそうだ

「私も時々間違えますし」

「自分で間違えるな!」

あ・・・しまった

 

ギロリ

 

うわ!? ゴールドベリ隊長がにらんでる・・・・怖ぇ

「す、すみません」

「いえいえ、それで、一つ言っておきたいのですが」

「はぁ」

「あなたが来るのを予見したというのはウソです」

「はぁ・・・・はぁ!?」

って、おいおい、うそかよ!

「私の能力は自分ではほとんど制御できないのです、一寸(ちょっと)した事ならともかく大きな事は見ることは出来ませんので・・・私の能力はいきなり私の意思とは関係なくふっと脳裏に浮かぶのです」

「はぁ・・・それじゃあ無理ですね・・・すみません帰ります」

やれやれ・・・しかたない、地道に探すか

後ろを向いて帰ろうと思った時に、ノエル隊長が

「ああ、一寸お待ち下さい、ミルフィーユさんの居場所ならば予見出来るはずです」

「へ?」

なんでそのことを・・・ま、まさか!

「今のは予言で!?」

「いえ、先ほどエンジェル隊の皆さんがオフィスを訪ねてきたと1番隊長さんから連絡が・・・」

「あっそ・・・・」

駄目だこりゃ・・・あ、でも、

「でも、ミルフィーの居場所は予言できるんですね?」

「はい、私の脳裏に浮かぶ像こそ予見、私がそれを伝えた者こそ予言、見るから予見、言うから予言」

何の説明だよ・・・話も無視されてるし

「ではゴールドベリ隊長」

「へい」

へいかよ・・・

 

シャッ シャッ

 

「カーテン?」

暗くしてやるのか・・・?

「気分です」

「気分か・・・」

とにかく、何でもいいから予言してもらおう

 

「・・・・・では・・・始めます」

 

ゴクリ

 

思わず生唾を飲み込む

「開始3秒前・・・2・・・1・・・開始」

「出ました」

「速っ!?」

ゴールドベリ隊長がカウントしたと思ったら、始まった次の瞬間にはもう終了、カーテン閉める意味もないだろ・・・

 

「結果は・・・地に降りた天使は、いずれ姫君、そして時の女神となるでしょう。墨色の世界に包まれ、扉にかかわる戦へと巻き込まれます。しかし、今のこの一時の休息の時、金色(かないろ)の怒りを受け、渦を巻くその瞳を持って人々の気力を失わせるでしょう。五人の天使が一つに集まる場所にその天使は降り立ちます」

へぇ〜〜〜って

 

「具体的な場所は?」

「予言はある種詩のようなもの、難解な文章であっても、それを解いて見つければいいのです」

「面倒くさい!」

「ファイト!」

「ファイト」

ノエル隊長とゴールド縁隊長が応援してくれて・・・・・・なんかうれしくねぇ。

 

仕方ないのでオフィスから出て地道に探すことに、それにしてもスキーズは広すぎだって・・・ああもう・・・

 

 

 

皆さんこんにちは、烏丸ちとせと申します。

ミルフィー先輩を捜すため、先輩方と手分けして捜索をしているのですが、実のところこの艦に来たのは別の目的があったからなのです。

 

スキーズ・ブラウニル―――発令所

 

さて、もちろん私がここに来たのは、レナードさんのことをよく知る人にレナードさんが好きな人が誰かを聞き出すためです。簡単にそんな理由で諦めるわけにはいきません! なんとしても情報を手に入れなくては!

 

「蒼乃さん!」

「あら?」

まずは神楽坂蒼乃さん、スキーズに戻った時に初めにいた人ですし、何となくレナードさんと親しそうですしね・・・はっ、この人がその相手だったらどうしましょう!?

「・・・どうしたのかしら?」

「えっ? あ、いえ、その・・・レナードさんのことで少しお話が」

「そう・・・」

蒼乃は座っていた司令官席から立ち上がり、メインスクリーンに映ってる表示を見る。

 

表示は「作戦開始まで71:28:14(71時間28分14秒)となっている。

 

「時間には余裕があるわね・・・ここで聞いてもいいかしら?」

「はい、それで・・・話なんですが・・・・」

「なに?」

「れ、レナードさんの好きな人って誰でしょう!?」

 

ブゥゥゥゥゥゥゥッ!?!?

 

あああ!? 口に飲み物を含んでいた隊員さんはあちこちで吹きだしてますし、コンソールなどに突っ伏したり、机の角に頭をぶつけている人も!?

 

「そうね、誰かしら?」

『副長!? 何普通に会話しているのですかぁ!?』

「あら? みんなどうしてそんなにイスから転げ落ちているのかしら?」

「・・・・(は、恥ずかしい!?)」

だ、だめです! このままでは!

 

「あ、あの」

「あぁ、そうね、まじめに応えなくちゃね」

ほっ

蒼乃さんはあまり気にしていないようです、発令所の皆さんは大変ですけど・・・

「そうね、多分、その人はちとせさんよりも空かれているのかも知れないわ、まあ私の個人的見解にすぎないけど」

「え?」

って、何で私の本心を蒼乃さんがぁっ!?

「あら、バレバレよ?」

きぃいやぁぁぁぁぁぁ!!!!!

ああ、もう何を叫んでいるのか分かりません!?

 

「ふふふ、レナード君はエンジェル隊の人たちをからかわなかったのかしら? からかわれ慣れしていないわね。ふふ」

なんでそんなに楽しそうなんですかぁ!?

しかもからかうって・・・レナードさんも何度か人をからかっていましたし、最近なんだかそんなことが多くなって本領発揮!? ああ、人をからかって遊ぶなんて・・・イメージが。でも・・・・それはそれでいいかも・・・・?

はっ、私は今何を言って!?

「混乱しすぎよ・・・」

 

はうっ!? なんだか画面の前にいる方々から白い目で見られているような・・・

後作者さんにも白い目が・・・・

「話を戻すけど、レナード君が好きな人、お互いに相思相愛だったひとよ」

「・・・だった?」

「亡くなったの・・・7,8年前だったかしら? トランスバール暦で言うと・・・今が414でその時は406年ね。私はその時レナード君と面識はなかったけど、あの二人なら少しは知っているはずよ。なんせ二人はレナード君の高校の先輩だもの」

「二人・・・とは?」

「ソラトさんにジュリアさん、あの二人よ」

 

「呼んだかね?」

いつの間にか後にソラトさんがいました、相変わらず灰色の髪をオールバックにしています。前髪が鋭くとがっていて目に刺さりそうです。

「あのときの話か・・・蒼乃にこそ話したがあまりいい話ではないぞ」

わわ!? 今度はジュリアさん!? 栗色の髪の美人な人です、ああ、大人の女性という感じが・・・よく見るとソラトさんと似たようにこめかみのあたりの髪が鋭くとがっています。

「ふむ、まあいいか・・・少し長くなるぞ、まず、レナードとその恋人になったシルフィール・・・そして敵であるアダム」

 

 

 

「そして・・・操られた人間を斬りつけ、何十人という死体の上にあいつは立っていた。追いかけて行った我々も追いついて止めることも出来なかった。そこで、数人を一変に斬り殺したレナードの隙をついて、アダムが襲いかかった、しかし、シルフィールがレナードをかばい、アダムの迫ったことに気が付いたレナードがシルフィールもろともアダムを斬ったのだ・・・」

長い時間をかけて、話された真実、首都を舞台とした血なまぐさい戦い

「アダムはその場で逃走、正気に戻ったレナードはシルフィールを抱き上げて―――」

 

 

「レナードはその時に多くの人間を僅かな時間で奪ったのだ、その悔恨に今でも苦しめられている、エンジェル隊の指揮官となる時にも刀は持って行かなかっただろう・・・血に汚れた自分を見るようでどうしても持って行くことが出来なかった・・・フェイツイの奴に大和を預け、撫子は厳重に封印を施して持って行った。あいつは、今でも苦しんでいる、オブスティネートにいる間も人を殺しては来たが、もう、限界なのかも知れないな・・・」

 

ジュリアさんがイスから腰を上げ、私の方を向きました。

「かれこれ1時間以上語り通しだな。まあ、大体こんな所だ。あいつはシルフィールを殺した時にもう誰も愛さないと言った・・・二度と大切な人を失うのも、護ることも出来ないのは嫌だと言ってな・・・馬鹿な男だ・・・」

とてもジュリアさんは悲しそうな表情をして、そのまま発令所を出て行こうとしました

「すまんな、ちょっと出てくる・・・」

「ありがとうございました」

私は深く頭を下げて、そのまま発令所を出て、エルシオールに戻りました。先輩方には後で謝っておきます。

レナードさんの過去、恋人であったシルフィールさん、殺してしまった多くの人たち、その全てを背負って今日まで生きてきて、それでも笑顔を浮かべて・・・

 

「私は・・・」

 

どうしていいのか分かりません・・・

 

三人称へと戻ります・・・・

 

シュン

 

スキーズ発令所の扉が開く、ジュリアが出て行こうとした時、現れたのは・・・ヴァニラ。

ヴァニラは重苦しい雰囲気を感じ取ったのか、辺りを見渡し・・・ちとせの顔を見て、何かを感じ取ったかのように

「レナードさんの・・・話ですか?」

その場にいた全員が目を見開いた

「ヴァニラ先輩!? 何故それを!?」

「・・・・前に・・・・・・・・レナードさんに聞きました」

ちとせの言葉に応えたヴァニラは、珍しく長い語りを始めたのだった。。

 

 

 

エルシオール―――クジラルーム(レナードが司令官になってから約五ヶ月)

「レナードさん」

ヴァニラの頬が紅潮している、何かに耐えるように、そして、胸の内の思いを打ち明ける時のように―――

「私は・・・あなたが・・・・」

スッ――とヴァニラの唇に、レナードの人差し指が触れた。

「それ以上言ってはいけません。私を・・・・これ以上苦しませないで下さい」

レナードは言う。

「何故?」

「私は、大切な人を殺してしまったから、もう、護れないのは嫌だから、あなたに今の言葉を言わせてしまえば、私にとってあなたは完全に大切な人になってしまう」

「どうしてですか?」

ヴァニラの切実な思い、

「・・・話しましょう。あのときの出来事を―――」

 

そして証されたのは、ジュリアが話した時のこと・・・・シルフィールの話

 

「そんなことが・・・・」

「正直な話、あなたに告白されてしまえば、私にとって大切な人はあなただ、私にとって大切な人は・・・あなた・・・でも・・・・」

レナードは悲しい表情になる・・・・痛々しい程・・・

「もう・・・・護れないのは・・・いやなんですよ・・・」

 

「わたしは・・・・」

ヴァニラは、静かに

「なら、私はこれ以上何も言いません、アプローチもしません。でも、あなたが再び傷ついた時、そして償いの答えを探すときに、あなたを支えるために、私はずっと、そばにいます」

 

 

 

そうやって、ヴァニラは何もしなかった・・・・今まで通りの関係を維持し、自らの気持ちをこれ以上表そうともしなかった・・・・

 

「私には他に好きな人がいる――――」

 

レナードのあのときの言葉・・・・

「それは、シルフィールさんのことを指していたのではなく・・・・ヴァニラ先輩?」

ヴァル・ファスクの攻撃を受けたヴァニラを助けるため、かくして置くはずだった自らの特殊能力を明かした時・・・・それは・・・・ヴァニラを大切にする、愛する思いなのか・・・・

「何で・・・何で言ってくれなかったんですか?」

ちとせがうつむいて、声を絞り出す・・・・

「・・・・ちとせさん」

「先輩は・・・・私がレナードさんに対する思いを知っていても、何も言ってくれませんでした! 何でです!」

初めは静かな口調が、大声に変わっていく

「なんで! なんで! 私が悩んでいるのをただ――――」

「はいはいそこまで」

ちとせが大声を上げようとする前に、蒼乃が止めに入る

「これ以上発令所で騒がれても困るのよ・・・それに、結局はレナード君の心しだいなの・・・怒るのはお門違いよ・・・」

蒼乃に静かに諭されて、ちとせは完全に収まったというわけではないのだろうが、一礼して発令所から立ち去った。

 

レナードの過去、恋人のシルフィール、今の話を半年前にされていたヴァニラ、ヴァニラの思い、レナードの好きな相手――それが――――ヴァニラ・H

 

「まるで・・・私一人が騒いでいたみたいじゃないですか・・・」

 

ちとせがぽつりと呟いた。

二人の思いも知らずに・・・・冷静に考えれば・・・そのような兆候はさりげなく・・・何度もあったはずなのに・・・

ヴァル・ファスクに始まるごたごたで、見えていなかった

 

 

 

「ちとせさんを傷つけないように考えていけば、ズルズルと先延ばしになっただけ、一緒に惑星で生活を許可したり、敬語を取り払ったり、結局私は、優柔不断なダメ人間なんですよ」

 

 

 

ちとせがエルシオールに戻ろうとしたところ、他のエンジェル達もその場所にいた

「あ! ちとせ!」

「て、おいおい、いくらミルフィー見つけられなかったからと言ってもそんなに暗い表情することないだろ・・・」

口々に言う言葉に、ちとせは少し、明るい表情を作った、何処かぎこちなく・・・

「いえ、大丈夫です」

『?』

ただ一人、ミントはテレパスによって深い悲しみを見た・・・それが何かかまでは分からずとも、余計な詮索は相手を傷つけることもある、いまはそっとしておこうとミントは考えた。

少し間をおいてから、ヴァニラも合流し―――――

 

五人揃ってエルシオールへと戻った。しばらく歩き回ったので小腹が好き、食堂に行ったところ。

「あ、そうだ! おばさん、トマトホールのカンズメが切れかかってますよ!」

「あら? そうかい? じゃあ補充しとくから先に野菜スープの方頼むよ」

「は〜い!」

「ミルフィーちゃんは働き者で助かるねぇ、司令さんも良い奥さんもらったもんだよ」

 

『って、ミルフィー(さん)(先輩)いたぁぁぁぁ!?!?』

 

「ほえ?」

「ほえじゃないわよ! 探したのにどこ行ってたのよ!」

「え〜? ランファ達が見つからないから、無精ヒゲさんに道を聞いただけだよ?」

「だれよ・・・無精ヒゲって」

呆れて声も出なくなってしまう。

「まったく・・・妙なことで一日使うトコだったよ・・・」

「・・・一話分使って人捜しをすることになりましたが・・・・」

「まったく・・・」

「先輩・・・」

 

「ご、ごめんなさい! 今度からは迷子にならないようにってあぁぁぁっ!? 野菜スープのアク取りしなきゃ!」

「ああもう! 分かったから早く言ってきなさい!」

「は〜い!」

 

タタタタタッ  どてっ ガタガタ  ヒュー  ゴン

 

『あ゛!』

どこにあったのか・・・かけだしたミルフィーユの頭に金色のたらいが直撃する、彼女の目玉はグルグルと渦を巻く。

「はぁ・・・」

「まったくこの子は・・・」

「ドジっぷりは変わりませんわね・・・」

「・・・・・性分でしょうか?」

「違うと思います・・・先輩」

先輩、同期に後輩まで、周りにいた者全てがあまりの落ちに深々と呆れて、深く深く

 

『はぁ・・・』

 

ため息をついた

 

 

しかし、今のこの一時の休息の時、金色(かないろ)の怒りを受け、渦を巻くその瞳を持って人々の気力を失わせるでしょう。五人の天使が一つに集まる場所にその天使は降り立ちます。

 

 

つづく・・・ってあれ?

 

翌日

「何でまたスキーズ見学なんですか?」

一晩寝たら復活したレナードが、またもやコンビニにいるエンジェル隊に問いかけた。

ちなみに知っての通りに彼はとんでもない酒豪、度数90パーセント以上とかの酒を平気な顔して飲んだ後、ぐっすり眠って体力回復、作戦開始まで後約二日

「まあ、待機まではまだ一日以上ある、って話聞いてます?」

 

聞いてません

 

「って、ランファさん、ジジネロを大人買いしないで下さい、フレイさんから怒られるの何故か私なんですから。ミントさんは駄菓子買い占めない! プラチナカードとか使わないで下さいよ! ああ、だめだ、また頭が・・・」

「ちょっとちょっと、スキーズ見物して楽しもうって時に、また案内人が居なくちゃつまらないじゃないの」

「私の存在意義ってそれだけ!?」

「ほほほ」

「はぁ・・・」

 

からかわれてばかりではランファも嫌なのか、ここぞとばかりに集中攻撃。他のみんなも助けに回る様子無し。

 

「まったく、それで、皆さんはどこを見学したいと?」

「早々、昨日妙な場所があって・・・確か・・・あ〜・・・妙な動物がいたような・・・」

「あれはペットのUC、まあいいですけど。皆さん行きますよ? ところで何でコンビニで買い物を?」

「食べながら見るため」

「・・・通路にはゴミ箱が設置してあるのでちゃんと捨てて下さいね」

『は〜い』

幼稚園かよ・・・

「皆さん行きますよ〜」

『は〜い!』

(主に精神的に)疲れているレナードに先導され一同はコンビニを―――

コンビニを出て、やっぱりというかお約束というか読者の皆様の想像どおりというか・・・・

 

コンビニの新製品『ワン・プッシュ・プッシュ!! 白髪染め! これであなたもナウい髪に! ブラウン色』

「レスターさんあたりに買っていこうかな?」

あの人は銀髪で白髪じゃありません。

「あれ? みんなどこ行ったの?」

あんたがアホな商品見ている間にどっか行ってます。

「ところでナウいってなに?」

死語です。

「へ〜」

ナレーションと会話しないで下さい・・・

 

 

今度こそ・・・つづく・・・・・・

 

 

【あとがき】

皆さんお久しぶりです、蒼穹一です。

前回エンジェル対が活躍するとか言っておきながらいまいち活躍していないような・・・今回出てきた皆さんはMHのパイロットでもあったりするので今後もちらほらと・・・体調の皆さんは設定はできているけど使いどころがないのでギャグパートで出演、たぶんもう出てきません。

 

伏線を張りすぎて誰が覚えてるんだこれ? とか、私自身が未熟なせいで当初とはストーリーが別な方向へと流れてしまって軌道修正をしたりと・・・グダグダなところが多々あると思いますが、もうしばらくおつきあいください。

 

ヴァニラとちとせとレナード、え? ヴァニラいきなり参戦じゃないかって? おいおい、伏線はそれなりに入れたつもり・・・む、だめか。

ほら、本文で言っていたヴァニラを助ける時とか、ワザとヴァニラには話を振ろうとせずに会話をするとか・・・色々あったじゃないですか? あ、覚えてませんか・・・このシリーズの最大の弱点はそこだよね・・・

 

さて、今度は戦闘でエンジェル隊が活躍する予定の次回(もしくは更に次回かも)、予告と併せて呼んで頂きたいと思います。

 

では、また次回のあとがきでお会いしましょう。

 

     とにかくしっかりと書こうと思っている作者のあとがき

追記―――今回も内容が変だけど深く気にしない方向で・・・

 

 

【次回予告】

ヴァニラ「次回予告と懺悔の時間です」

違います

ヴァニラ「神に祈りを捧げましょう」

そういえばヴァニラさんって何教ですか?

ヴァニラ「・・・・・・・」

おーい

ヴァニラ「・・・・・・・」

ああ、なるほど、祈りを捧げている訳ね・・・・それにしてもホントに何教なんだろう。宗教の設定がないからよく分からないんだよね、アニメ版とかでは変な祭壇が部屋にあるけど・・・

ヴァニラ「・・・・・・・・・・変じゃありません」

聞こえてる!?

ヴァニラ「・・・・・・・」

って、気のせい?

ヴァニラ「・・・・・・・」

ふふふ、次回予告このまま終わるぞ? ええんか? ええんか?

ヴァニラ「・・・・・・・」

ふふふ、よ〜し、次回、ギャラクシーエンジェルBeloved lovers・・・・

ヴァニラ「【日常坐臥を取り戻すため】です・・・」

聞いてた!?

ヴァニラ「・・・ところであなた誰ですか?」

え? 昔は一人でシリアス風の次回予告をしていた男・・・

ヴァニラ「・・・・・・・」(祈り)

聞けよ!?

ヴァニラ「予告は終わり、あなたは帰って」

しくしく

 

 

日常坐臥―――毎日行われる普段の生活。ちなみに最近は日常座臥の方が一般的

日常臥←→日常

 

 

 

おまけ

エルシオール――コンビニ

「よいしょっと・・・」

コンビニのレジの前に買い物カゴいっぱいの化粧品類が置かれる、客はランファ、とんでもない量の化粧品にも笑顔を崩さない店員は

「いらっしゃいませぇ、こちら全てお買い上げですかぁ?」

「そう、これから忙しくなるみたいだから買い物にも来れないしね」

ら抜き表現はやめましょう

「そうですねぇ、私はこうして店を守る以外のことは出来ませんからぁ」

「ははは、大丈夫大丈夫、あたし達がしっかりとエルシオール守ってあげるから」

「はいぃ、ありがとうございますぅ」

「エンジェル隊撃墜数ナンバーワンのエース! ランファ・フランポワーズ様がいる限り、エルシオールは堕とさせやしないわ!!」

「心強いですぅ、頑張ってぇくださいねぇ」

のんびりとしていながらもしっかりとした応援を受けてランファはにこやかに肯いて

「じゃ、割引して☆」

「だめですぅ」

ランファの笑顔が凍り付く

「なんで?」

「あたりまえですよぉ」

「オマケして?」

「ダメですぅ」

「1割で良いから」

「無理ですぅ」

「そこを何とか」

「お支払いは通常価格でぇ」

「二割で良いから」

「増えてますぅ」

「・・・・・・・・・・・ダメ?」

「はいぃ」

「守ってやんないわよ?」

「売りませんよぉ?」

「クレジットカードで・・・」

「はいぃ」

店員WIN

 

 

長くなってきましたが

キャラクター解説

説明しよう、オリキャラ嫌いの方々ににらまれるのはこの際良いとしても、話を整理するついでにオリジナルのキャラクターを順次解説し、より深く理解して頂こうというのがこのコーナーの(略)

NO.1

レナード・ミルガルド

身長−184センチ  体重−70キロ  年齢−23歳  誕生日−10/10  血液型−A型  階級−中将(オブスティネート司令官、十門会議議員・議員権凍結中)  搭乗機−アークエンジェル 趣味−人をからかう・お酒コレクション  特技−人の弱みを握る・剣術・投げナイフ・痛いところをつくこと(毒舌)・酒豪(いくら飲んでも酔わない)  特殊能力−現象具現能力(力ある言葉)

 

〈解説〉

もちろん一番目のオリキャラ、設定画はだいぶ古い物なのでかなり女の子っぽくなっていますが、最近はもうちょっと普通の人に・・・設定画の変更はしばらく先になりそうです。(スキャナが・・・スキャナが・・・)

能力の設定については自分の未熟な点や、よく考えない行き当たりばったりなせいで変更したりと、かなり勉強することになったキャラ。いろいろ学ばせてもらいました。

それにしてもとにかくとんでもない実力の持ち主で、指揮官としても一人の兵士としても、ついでに剣術についても常人離れをしている。

しかし更にとんでもない父親が出てきたりと、ミルガルド家っていったい・・・

現在進行形なキャラですが、当初の予定ではそんなに主役級の出番はなく、これから展開する本星での戦いなどで中心になるくらいでした、でも使い勝手がいいからいつの間にか主役級に・・・しかもタクトやエンジェル隊すら蹴落とす・・・違う! 予定と全然違う! 主役はタクトとエンジェル隊だったんだ!

これから彼の過去に関わる話が出てきますが、彼を支えられる、そして彼のうちに秘めた傷を癒せるのは誰か・・・・・・

それから張りまくった伏線を覚えていてくれればこれからの話も楽しんでもらえるかと・・・

とにかくレナードはこれからが本領発揮していきます。

それではまた次回―――