私が見た最初のタクトさんの印象は・・・・普通であった。

いや、その当時はそんなことに関心はなかったし当然私たちの直属の上司である

こと以外考えもしなかった・・・・・。

 

ただ目立っていたのは妙に楽天家であり、戦闘を始めると人が変わったように

私たちを指揮し必ず勝利に導いてくれるというなんとも不思議な人であった・・・・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

         第二話「出会い」

 

 

 

 

 

ミルフィー・ランファ・フォルテがタクトを迎えに行った(正確にはミルフィーの極端な「凶運」が一番の原因だったのだが・・・・)後、その場で解散しミントはティーラウンジでゆっくりとお茶を、ヴァニラは医務室にいた。

 

「ヴァニラ、残念だったわね。やっぱりあなたも行きたかったでしょうに・・・・。」

とケーラが医療器具の点検をしていたヴァニラに尋ねた。

 

「いいえ・・・・。それにここには人がたくさんいますので万が一戦闘で死傷者が出たら大変です。だから、私が残ったのは正解だったおもいます・・・・・・・。」

ヴァニラは静かに答えた。

 

「そう・・・・、それならいいけど・・・・・・。」

「点検、終わりましたので、私はこれで・・・・・・。」

「あ、お疲れ様。」

 

そういうとヴァニラは医務室から出て、一息するためにティーラウンジに行ってみた。

「あら、ヴァニラさん。こんにちは。」とティーラウンジからミントの声が聞こえた。

 

「こんにちは、ミントさん」

「ヴァニラさんもお茶しに来ましたの?」

「ええ・・・・。同席してもよろしいですか?」

「はい、どうぞ。」

「失礼します・・・・・・。」

 

そういうとヴァニラはミントの隣にすわって紅茶を頼んだ。

紅茶が来るまで二人とも沈黙していたがヴァニラの紅茶が来たあとミントはため息をしながら、話し始めた。

 

「ふー、それにしてもミルフィーさん達はおそいですわね。あれこれ半日はたっているのにまだ帰ってきませんね・・・・・。」

 

「はい・・・・・・、なんだか心配です。」

「そうですわね・・・・・。」

 

そのときだった。

 

アナウスが艦内に響き渡った。「エンジェル隊の残っている人は至急、紋章機で待機してください。繰り返します・・・・・・」

「何かあったのでしょうか・・・・・」

「わかりませんわ、とにかく格納庫に急ぎましょう。」

ミントとヴァニラは勘定を済ませたのち、格納庫に急いだ。

 

 

 

 

 

格納庫・・・・・・・・・・・・

 

 

 

「こちら、トリックマスター。スタンバイOKですわ。」

「こちら、ハーペスター。こっちもOKです・・・・。」

 

ブリッチにミントとヴァニラの声が響き渡る。すると、ドアから一人の男が

入ってきた。ルフト准将だ

 

「エンジェル隊の諸君、すまんな。待機してもらっての・・・・・。」

「いいえ、かまいませんわ。それで、任務のご内容は?」

「うむ、ではまずこれを見てくれ」

 

 

紋章機のモニターに映し出されたのは一つの艦隊のようだった。

 

 

「ルフト准将、これはいったい・・・・。」

ミントはすかさず、ルフト准将に尋ねた。

「実は、ほかのエンジェル隊が呼びに行ったクリオム星系駐留艦隊のようじゃ。しかしあの三人のことじゃ。

どうせろくに説明していなさそうだから、二人でいってタクトをエルシオールまで連れてきてはくれんかの。」

 

「はい、わかりましたわ。」

「・・・・・了解・・・・。」

「よし、では頼んだぞ。」

 

 

 

会話が終わったあと二機は駐留艦隊にむかい、発進していった。

 

 

 

 

一方、駐留艦隊のほうでは・・・・・・・・・。

 

 

 

 

「言われるままに来てしまったが本当にこれでいいのか?」

 

左目にインターフェースの眼帯をつけた白髪の男、レスター・クールダラスは

ため息をつきながら、隣の黒髪の男に言った。

 

「仕方がないだろ。あの時は無人艦隊を撃破するのに精一杯だったし、それに

たかだか辺境の駐留艦隊司令官だから情報収集が完璧ではないし、俺の名前を知って

いるあの美女三人組についていけば、なにか新しい情報が手に入るかもしれないだろ?」

 

「それもそうだが、タクト。少しは心配したらどうだ?」

 

黒髪の男、タクト・マイヤーズはレスターに言い聞かせるように言った。

 

「心配したって仕方がないさ。それにそのときはそのときさ」

「まったく・・・・。」

 

そういいながら、タクトとレスターが話をしているうちに何かが見えてきた。

戦艦のようだった。

 

「こんな戦艦が、アステロイド帯に隠れていたとは・・・・・。オペレーター、

データの照合はできたか?」

 

「はい、白き月の近衛艦隊旗艦エルシオールです」

 

「エルシオールといえば、近衛軍の象徴的存在じゃないか。どうして、こんな

所に・・・・・・。」

 

「さー、そこのところはエンジェル隊に聞いたほうが・・・・・・・。」

タクトがそういいかけた途端、オペレーターが言った。

 

「こちら、接近してくる機体がいます。機数、2!!」

 

「なんだと、警戒しろ!!」

レスターがそういうと、それを否定するかのようフォルテが言った。

 

「心配いらないよ、あれも紋章機。あたしらの仲間さ。」

「そうなのか?」

 

「はい、そのようです。解析できました。GA003・トリックマスター、

GA005・ハーペスターです。」

 

オペレーターがレスターにそう言うと通信が入ってきた。ミントだ。

 

「ようこそ、歓迎いたしますわ。マイヤーズ司令。私はミント・ブラマンシュと

もうします。」

 

「こちらこそ、よろしく。ところで、君が俺の疑問に答えるくれる人なのかい?」

タクトが興味深く聞いてきた。逆にミントは首をかしげながら

タクトの質問に答えた。

 

「はい?いったい何のことでしょう?フォルテさん、もしかしてなんも説明

しないまま、司令をつれてきたのですか?」

そういうとフォルテがなにげなしに答えた。

 

「時間が惜しかったんでね・・・・・。それに司令官に会いに行く途中に

無人艦隊に追いかけまわされてね。ついつい強引に連れてきちまったよ。」

 

「まあ、大胆なこと。」

 

「あれ、違ったのか?すまないね、ミント君」

「いいえ、かまいませんわ。」

そんな会話が続けているうちにヴァニラから通信が入ってきた。

 

「お話し中に失礼します・・・・・。エルシオールにご案内しますので同行お願いします。」

 

「君もエンジェル隊の隊員かい?」

 

「ヴァニラ・H(アッシュ)・・・・。五番機のパイロットです。」

 

「新任のタクト・マイヤーズだ。よろしく。」

 

「よろしくお願いします・・・・・。」

こんな会話をしているうちにタクトは疑問に感じていた。それも当然の

ことだろう。なぜなら、他の四人に対しヴァニラが妙に静かだったからだ。

 

「必要なこと意外はしゃべらないんだ・・・・・」

タクトは独り言のように小言のように言った。しかし、ヴァニラは聞こえたらしく

「何か?・・・・・」

と言ってきた。

 

「い、いやなんでもないよ。」

 

「そうですか・・・・・・・。では連絡艇を用意したので、同行お願いします」

 

そういうと、タクトとレスターは連絡艇に乗りエルシオールにむかった・・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

こうして、タクトさんは私たちの司令官となりいっしょに戦っていくわけなのですが、

やはり最初ミルフィーさんは別として、ランファさんたちにはやはり新任司令官と考えていただけに、すこしタクトさんにきつかったと思います・・・・・・。

 

 

 

 

                         第二話「出会い」終

             第三話「あのことをきっかけに・・・・・・。」に続く

 

 

 

 

 

 

あとがき。

 

 

 

 

ふー、なんか小説書くのもなかなか大変なものですね・・・・。バージルです。

今回は本作(無印GA)に書かれていなかった部分を付け加えながら書いてみましたが、

どうでしょうか?

急に話が変わりますが、今夏休みなので急ピッチで進行しています。

この話が終わった後はコメディーでも書いてみようおもいますので応援しください。

では、今日はこの辺で失礼します。