地球の何処かに、エレブと言う大地があった。
この物語は、アナスタシア大陸から、このエレブ大陸に出稼ぎに来た、一人の女性傭兵と、その仲間達の物語である。
Legend of Di Gi Charat
うさだ編 第3章「城下町の戦い」
ベルン王国国内の、険しい山脈の中。
この物語のヒロインたる女性、うさだヒカルは、そこの中にアジトを持つ、暗殺組織(義賊団)『黒い牙』の一人であり、雇われでもあった。
この『黒い牙』の現在の構成員は、主に6名。
首領:ブレンダン・リーダスの元、その二人の息子も一員として活動している。
長男:【白狼】のロイド・リーダスに、次男:【狂犬】のライナス・リーダス。
ライナスは、うさだと同い年でもある。
【疾風】のラガルト。彼は元は盗賊だったが、ブレンダンにスカウトされ、今に至る。
【飛鷹】のウハイ。サカ出身の遊牧民であり、ジュテ族の血を引いている(らしい)。
そして、ヒロインであるうさだヒカルは、ブレンダンから【雪兎】の二つ名を与えられていた。
「って、毎回毎回、何度冒頭に説明したら気が済むんだよ!?」
……ライナス。お静かに。親父が説明をはじめますよ。
「……で、今回の任務は、港町バドンに向かうため、どうしてもクローディア城を通るルートを進む。今回の依頼は、そのクローディア城城主ジャミルからの依頼だ」
クローディア「私の名前使うの、やめて」
ジャミル「いいじゃんか。世の中には同名の人いっぱいいるんだし」
はい、そこのマルディアスのお二方、お静かに。
「…で、依頼の内訳は?」
ブレンダンに詳しく問い掛けるうさだ。
「クローディア城城主ジャミルは、ならず者に困っている。それを退治して欲しいと、彼から言われた」
……またいつものならず者退治かい。
ライナスは、心の中で、そう思った。
しかし、とうのうさだは……
「そう。首領の言葉に異は唱えないわ。『牙は何者も逃がさない』! ってね!」
「ああ。俺達は、いつもいつも、しつこいくらいにやってきた。しかし、いくらしつこくても、やり遂げなければならないのだからな」
ロイドも、うさだに共感する。
「そうだ。俺達がやらなくて、誰がやる」
ウハイも呼応した。しかし、お前らがやらなくて、旅の者がやりそうだけど、お前らがやらないと大変なことになる。
「んじゃ、俺はどさくさにまぎれて盗んじゃおうかな」
ラガルトが変な目的を持っている。
「では、明日の朝、クローディア城に出発だ。休息をたっぷりととっておくように」
こうして、アジトのランプが消された。
これから、うさだたちは、アナスタシア大陸の危機を救う運命に飲み込まれようとは、知る由も無いのだった……。
次の日の朝。
今日から、黒い牙の大遠征がはじまる。
全員、荷物をまとめ、クローディア城へと向かう。
クローディア城付近―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
そこには、城主ジャミルの依頼どおり、山賊が巣食っていた。
「ぐっへっへ、今日も大漁だなぁ、マイクよぉ?」
山賊の質問に、マイクと呼ばれた男――――――恐らく、この山賊団のリーダーと思われる男―――――は、いかにも山賊らしい声で答えた。
「とーぜんだぁ。おまけにここはクローディア城に程近い! クローディア城の金品を全部頂いてやるぜ!」
山賊達が、自分たちの理想について語り合っている隙に、黒い牙は任務を遂行しようとした。
「そうはさせない!」
(やめろうさだ、気づかれるだろ!)
うさだが、つい大声を出してしまった。
ロイドは、そんな彼女を押さえたが、もう手遅れだった。
「ぁあん!? そこに誰かいるな!? だったら手をあげろ! さもないと命はねェ!」
「どうしよう……、言いなりになっても命はない気がするんだけど」
うさだがたじろぐ。そんな彼女を、ジュテ族のウハイがなだめる。
「……それなら、戦えば良いだけのことだ」
彼の言葉に、うさだは決心した。
「……戦うしかないみたいね!」
そんな彼女に呼応して、仲間たちも戦う覚悟を決めたのだった。
「……俺達は黒い牙。平和のためにも、山賊の暗殺依頼はこなさねばならない」
「おいおい、お宝がないじゃんか?」
ウハイとラガルトの意気込みのあと、リーダス兄弟が叫ぶ。
「牙は何者も逃がさない」
「覚悟を決めろ!」
こうして、黒い牙と山賊団は、戦闘態勢に入った。
ロイドやライナス、ウハイたちは、つぎつぎと山賊を倒していく。
うさだも、主に剣を持った山賊を倒していく。
そして、敵将も難なく倒したのだった。
こうして、黒い牙は、山賊団を退けたのだった。
「いやいや、山賊団を倒してくれて、本当にありがとうございます! 感謝の言葉が見つからなくて困っているもので……」
見事依頼を達成した黒い牙を前に、たじろぐジャミル。
「! そうだ、報酬をあげましょう! これは感謝の気持ちです! ささ、お受け取り下され!」
10000ゴールドを手に入れた。
「ありがとうございます。これは、行軍に役立たせてもらいます」
こうして、黒い牙は、大いなる運命に飲み込まれるかのように(本人達は依頼のために)、アナスタシア大陸へと旅立つのであった。
つづく
次回予告
とうとう地球にたどり着いた、ショコラ軍改めデ・ジ・キャラット軍。
そこに、山賊が襲ってきた。
しかし、彼らを相手に斧で戦う体格の大きい少年と、傷を癒す力を持った杖を持つシスターの少女に助けられる。
デ・ジ・キャラット軍は、彼らと力を合わせ、後続の山賊を倒すことにしたが……
次回 でじこ編 第4章「運命 そして友と」前編
あとがき。
ロマミソ、進んでません。
話を戻しますが、1〜2ヶ月くらいぶりの投稿です。
みなさま、遅れて済みません。
でも、とっても忙しかったんです。
もちろん、終章まで書くつもりです。そこまでは、当然長くなります。その息抜きが、長すぎたんです。
私は他の作者の皆さんと違って、女――――しかも、まだ中学2年生の14歳です。
でも、がんばります。どうぞ宜しくお願いします。
キャラクターの設定イラストもドンドン描いて行きますので、お楽しみに!