−エピローグ−

 

 

 

またあんたかい。まったく仕事熱心だねぇ、もう話す事なんて無いって。

……ん? あの後かい? まあ、色々あったさ。悪いけど、あまり多くは話したくないね。

3国の平和条約も無事に結ばれたことだし、めでたしめでたしって事でいいんじゃないのかい?

ああ、そうそう。あの調印式でシヴァ陛下が言った言葉はちょっと感動したね。あんたも聞いてたろ?

 

「人の時代だ」

3国の首脳が一同に会した調印式で、トランスバール代表シヴァ=トランスバールは述べた。

「天使の守護は離れ、英雄と竜は倒れた。これからは人の時代だ。誰も守ってはくれぬ、1人1人が己と己の愛する者を守るのだ。親愛なる全銀河の民よ、自ら決断しろ。自ら責任を負え。この平和を守るために自分が何をなすべきなのか……それを考え続けてほしい」

 

本当に、銀河中の人間がそうなってくれたらって思うよ。

どんな運命を課せられたとしても、誰も恨まず、何も呪わず、自分が気に入らない人生なら自分で変えようと努力してくれたらって。……あの2人が、そうだったようにね。

え? ああ、この記章かい? 上級幹部候補生の記章さ。何のはずみか、試験に合格しちまってねえ。

うん、ありがとう。フォルテ・シュトーレン少佐、なんてゾッとしないけどねぇ。まあ、がんばってみるよ。 

……でもさ、実は同じ試験で、ちとせの奴も合格してるんだよ。春からはセンパール上級幹部課程で同級生さ。先輩風吹かせていられるのも、あとわずかってわけだよ。まったくトホホだね。

あの子の所にも行くんだろ? よろしく言っといておくれよ。んじゃ、お疲れ!

 

 

 

―――― 取材協力 フォルテ・シュトーレン候補生

 

 

 

 

 

 

あら、あなたは。

もう私が話せる事なんてございませんわよ? え、世間話? そうでしたか。

……ええ。ルフト将軍、とうとう亡くなってしまわれましたね。

父と葬儀に参加いたしましたけれども。正直、あんなに落胆している父は初めて見ましたわ。

「とうとう、私1人になってしまったな……」と呟いておりました。

もちろん存じておりますわ。武神、侍、聖女、そして天才。最後の黄金時代を支えた四柱。

でも、失礼な話だと思われませんか?『最後の黄金時代』だなんて、後の世代を生きる私達をバカにしてますわ。

最初は父を慰める間だけ、ほんの少しだけの帰郷のつもりでしたけど。

父の後を継ぐのも悪くないかも知れない、と思い始めている今日このごろです。

戦争が起こる理由はだいたい決まっていますわ。民族的な対立があった場合、宗教的な対立があった場合、そして経済に危急が生じた場合。

 

人にはそれぞれ、成すべき役目があるといいます。この平和を守るため、私にできる事は何か。私が平和に最も貢献できる分野は何か。……考えるまでもありませんでしょ?

あ、言っておきますけど、まだ決めたわけではございませんからね?

キャリアウーマンなんて聞こえは良いですけど、要するに「行き遅れ」の事ですからね。私だってまだ花も恥じらう17歳、そんな道はゴメンですもの。何ですか? 笑うなんて失礼ですわよ?

まあ、ともかく。

私は元気でやっていますわ。他の皆様にもそうお伝え下さいませ。また皆さんと、おいしいお茶が飲みたいと。

では、ごきげんよう。

 

 

 

―――― 取材協力 ミント・ブラマンシュ中尉

 

 

 

 

 

 

……タクトさんと副司令が居なくなって、3日ほど経った頃だったと思います。

ルシャーティさんが、私達エンジェル隊のお見舞いに来てくれました。

あの戦いの直前、お2人が行方不明になっていた頃……なんとお2人は、EDENに行っていたのだそうです。

それがなぜなのか、ルシャーティさんは察しがついたらしいのですが、教えてくれませんでした……。

 

「あの約束は、こういうことだったんですね」

 

そう呟くルシャーティさんは、とても複雑そうな表情でした。

約束とは何なのか……やっぱり教えてもらえませんでした。

先の大戦で、ヴァインさんを亡くされたルシャーティさん。でも今はお元気そうです。

私も早く、ああなりたいと思います。

 

……すみません、今は時間が無いので、お話はこれくらいで。

シャトヤーン様に呼ばれているのです。

他のエンジェル隊の皆さんは呼ばれていないのに、なぜだか私だけ……さあ? 何のお話なのか、私には見当もつきません。

はい……行ってきます。それでは。

 

 

 

―――― 取材協力 ヴァニラ・H(アッシュ)中尉

 

 

 

 

 

 

ほら、「いい人ほど早死にする」って言うじゃない?

アレって本当なんだなーって思うのよ。

いい人ってのは、すごく真っ直ぐなのね。ちょっと妥協すればいいのに、帰れない道だって分かってるのに、自分の信念を曲げるくらいならって、そっちを選んじゃう。

だからこそ「いい人」なのであって、だからこそ早く死んじゃう。

フォルテさんじゃないけど、とかくこの世はままならぬってヤツよね。

あのヴァル=ファスクの軍人たちも、そう。

けっきょく攻めて来なかったわよね。

処刑される前の彼らの顔、今でも覚えてる。

すごく、いい顔してた。何て清々しい顔をしてるんだろうって、アタシ驚いちゃったもん。

とても今から死ぬ人間の顔とは思えなかったわね。

 

「英雄と竜に、あの世で再び相まみえる事が、楽しみでならぬ」

 

あんな顔して、あんなセリフを言う男なんて、そうそう居ないって。

今ごろやってるんじゃないの? あの世でドンパチ。もう死ぬこともないんだし、それこそオールナイトどころかオールエンドレスで。

まったく。かわいい部下をこの世に放ったらかして、もう男同士で勝手にやってなさいって感じよね。ホント、男ってみんなバカなんだから。

……ホントにね、そうであってくれたらなぁ、って思うのよ。あの世で仲良くケンカしてくれてたらなぁって。

なんか、いい男がいっぺんに居なくなっちゃったって感じ。

あんないい男達が近くに居たのに、アタシも何やってたんだか……。

 

え、私? 私は見ての通り、まだエンジェル隊やってるわよ。あ、エンジェル隊『予備役』だけどね。

だって何もしないでお給料もらえるんだし、これを手放すなんてもったいないって。あははー。

……ウソ、冗談。

だって、しょうがないじゃない。私は弟や妹達に仕送りしなきゃいけないんだから。せめてあの子たちが成人するまでは、何とかして居座るつもり。

弟たちが成人した後は……う〜ん、どうしよっかな。もちろん軍は速攻でやめるとして……何しよ。あ! 愛しのダーリンでも見つけようかしら。そんで速攻で結婚して、ラブラブの新婚生活!

……だから冗談だってば。

士官学校の教官になるかも知んない。ちょっと前に、格闘の指導教官にならないかってスカウト受けた事があるのよ。

悪くないかもね、青びょうたんの鼻タレどもを、アタシが1人前の軍人にしてやるの。

ちょうど、いいお手本がすぐ近くに居たことだし……ね。

 

ところでミルフィーとちとせの所には行った?

え、まだ? う〜ん、どうせならアタシの所に来るのは最後にして、あの2人の様子も見てきてほしかったなぁ。

ああいや、謝んなくてもいいけど。なら伝言頼めるかしら。エンジェル隊はまだまだ健在よ、いつでも遊びにいらっしゃい、って。

じゃーね、しっかり頼んだわよ!

 

 

 

―――― 取材協力 蘭花・フランボワーズ中尉

 

 

 

 

 

 

あれからしばらく経った頃。

夜中に突然、ミルフィー先輩が大声で泣き出した事があるんです。

発作を起こしたみたいな物凄い泣き方で、先輩方とみんなで慰めたんですけど、止まらなくて。そうするうちに私も悲しさがこみ上げてきて、私まで泣いてしまって。

その時、ノアさんが来てくれたんです。

何も言わず、私とミルフィー先輩の首に手を回して、小さい体で精一杯抱きしめてくれました。

そして私と先輩が泣きやむのを待って、こう言ったんです。

 

「私ね……。タクトとクールダラスのこと、こうやって抱きしめたことがあるのよ」

 

声が震えていたのは、私の気のせいではなかったと思います。

 

「あの時の温もり、あんた達に返すわ。だから……泣かないで」

 

その言葉で、また泣いちゃったんですけどね。

本星では2人が黒の無人艦隊を率いていた事をあげつらって「黒き月の力を借りるなど背信行為だ」などと言う人が居るそうですね。

それを聞くたび、ノアさんは悔しそうに唇を噛み締めます。でも何も言い返しません。

背信。本当にそうでしょうか?

エオニア戦役から続く3度の戦いで、最後まで心の力を信じて戦い抜いた彼らが、心を棄てる事でしか最大の威力を発揮する事ができない兵器に身をゆだねるしか無かった。

……その無念、いかばかりだったことでしょう。

また、タクトさんをその手で刺し貫いたノアさん。

いつも、誰よりも重い十字架を背負い続ける彼女の心中を、どうして誰も察してはくれないのでしょうか?

 

ええ、私は春から上級幹部候補生です。またセンパールに出戻りです。

合格が決まった時、ロバート大佐を始めとする、父の艦隊出身者の方々がお祝いに駆けつけてくれたんですよ。

おかしいんですよ? みなさん私の前にズラッと整列したと思ったら、

 

「2代目烏丸艦長にぃー、敬礼っ!」

 

ですもん。驚いてしまいました、みなさん気が早すぎるんです。

恥ずかしかったですけど、もちろん嬉しかったです。

……ええ、もちろんあの人の事は、今も脳裏を離れませんが……他ならぬ、あの人が示してくれた道ですから。

本当は私は、がむしゃらに走り続ける事で気を紛らわせているだけなのかも知れません。

それでも走り続けていれば、きっと後悔だけはしないと思うんです。

やっぱり私、ぜんぜんあの人には追いつけていません。上級幹部の勉強を始めてから、それが分かるようになってきました。

あの人がどれだけ凄い人だったのか、きっとこれからもっと思い知る事になるんでしょう。今は底さえ知れません。

でも。

それでこそ副司令。私が師と仰ぎ、そしてこの心を預けた方です。相手にとって不足はありません。

いざ、尋常に勝負。

私は、安らぐにはまだ早いんです。

 

 

 

―――― 取材協力 烏丸ちとせ候補生

 

 

 

 

 

 

夢を見ました。

 

とても、とても幸せな夢を見ました。

タクトさんと過ごした、あの湖の畔で、みんな集まってパーティーを開く夢です。

月がとっても綺麗でした。

大きなキャンプファイヤーを焚いて、その周りにみんなが居ました。

みんな、みんなです。敵も味方も、私達が今まで出会った全ての人達が。

 

エンジェル隊のみんなは、正面に構えられた仮設のステージに立っていました。

ミントがキーボードで緩やかなメロディを奏でてます。

フォルテさんがドラムで、そのメロディに心地よいテンポを加えて。

蘭花が持ってるのは不思議な楽器……あ、思い出しました。蘭花の故郷に伝わる、二胡って楽器です。とても綺麗で、優しい音色です。

そして、歌っているのがヴァニラ。私の知らない言葉で歌ってます。彼女の故郷、惑星エルダートに伝わる歌なんだそうです。

『やれるだけのことはやってきたのでしょう、幸せになりなさい……』

そんな歌詞だったと思います。とても安らかな、まるで子守歌のような歌声です。

旋律に、歌声に合わせて、ちとせが舞を踊っていました。

色彩豊かな晴れ着。両手には扇子。緩やかに、優雅に舞う動きに合わせて長い黒髪が揺れ、装飾の鈴がリンと鳴ります。

綺麗……女の私でも、溜め息が出ちゃうほどに綺麗です。

 

私は会場内を歩いていました。

いろんな人が、それぞれに楽しんでいました。

どの顔も、みんな笑顔でした。

 

野外テーブルを囲んで、タクトさんと副司令とエオニア皇子が乾杯していました。

酔っぱらって真っ赤な顔で。

3人で肩を組んで。

ちょっとエッチな話なんかもして。

まるで3人とも、ずっと前からの親友だったみたいに、楽しそうに大声で笑いあってました。

シェリーさんも居ました。

お酒やお料理を運んで来ながら、皇子、あまりお酒を過ごされると、なんて言ってます。

だけど、その顔は弛みっぱなしです。エオニア皇子のお世話が出来るのが、嬉しくてしょうがない、って感じです。

 

別のテーブルでは、おじさんグループが出来てました。

ルフト将軍と、ミントのお父さんのダルノーさん、その重役のヴィンセントさん、それに敵だったレゾムさんが、テーブルを囲んで麻雀をやってました。

レゾムさんが負けたみたいです。何か叫びながら天を仰いで―――― あ、そのまま椅子ごと後ろに倒れちゃいました。

 

湖の畔に目を向ければ、月明かりの下でルシャーティさんとヴァインさんが、ちょっと良い雰囲気。

ヴァインさんがポケットから綺麗な髪飾りを取り出して、ルシャーティさんは頬を赤くして。

でも嬉しそうに微笑んで、髪飾りをつけてもらおうと頭を傾けます。

……でもそこへ、騒々しい歓声が。

酔っぱらったヘルハウンズ隊の5人が、2人の横を通り過ぎて、湖にザブンと飛び込んじゃいました。

とばっちりを受けて、ルシャーティさんとヴァインさんはずぶ濡れ。

良い雰囲気、台無し。

あれ? カミュさんがルシャーティさんに薔薇なんて差し出してます。

よせばいいのに、肩に手を回そうとして―――― ヴァインさんにぶっ飛ばされて、また湖の中へ。

 

私も笑っていました。

やれるだけのことはやってきたのでしょう、幸せになりなさい……。

みんな頑張ったから。

道は違えど、みんな一生懸命に生きたから。

ここにいる全ての人へ向けて、皆が安らかであるようにと祈りを込めて。

私も笑っていました。

 

宴もたけなわとなった頃、エルシオールのみんなが花火を持って来ました。

大きな花火じゃありません。家族が庭でやるような、手持ち花火です。

手から手へ、花火から花火へ。

光の輪がどんどん広がって行って、とっても綺麗。

ノアさんは、手で持ってやる花火なんて初めてだったんでしょう。手にした花火を、珍しそうに眺め回してます。あ、ノアさん、手に持つ所と火をつける所が逆です。

クロミエくんがネズミ花火を放ります。それに驚いたシヴァ陛下が、シャトヤーン様にしがみつきます。

シャトヤーン様は微笑みながら、恐くないのよ、と優しく諭してます。シヴァ陛下、とっても可愛いです。

 

エンジェル隊のみんなも、そんな光の輪に加わろうと歩いて行きました。

フォルテさんはルフト将軍と何か話しながら。

ミントはお父さんと一緒に。

蘭花は……なんか、ギネスさんとケンカしながら。

わ、ヴァニラはもっと大変。親衛隊の人達に囲まれてます。

 

副司令が、ちとせに何か言っています。

さっきの舞を誉めてもらえたんでしょうか? ちとせは赤くなってうつむきます。

そのとき2人の横を、シェリーさんの肩を抱いたエオニア皇子が歩いて行きました。

副司令はその背中を見送って―――― わ、真似してちとせの肩を抱いて歩き出します。

ちとせも最初は驚いたみたいですけど、すぐに寄り添って、花火の方へ歩いて行きました。

良かったね、ちとせ。

 

私は1人だけ外れて、空っぽになった宴会場を歩いていました。

光の輪に副司令も、エオニア皇子も参加しに行ったのに、タクトさんの姿だけが見えなかったんです。

どこに行ったんだろう?って私は探していました。

 

 

―――― 居ました。

タクトさんてば、空っぽの酒瓶が散らかってる中に埋もれるみたいにして、グースカ眠っちゃってました。

高イビキをかいて、完全に酔いつぶれちゃってます。

タクトさーん。

みんな楽しそうですよー?

起きて一緒に遊ばないんですかー?

…………。

そっか。そうですよね。

タクトさんも、いっぱい頑張りましたもんね。

今は、ゆっくりと眠りたいですよね。

私はタクトさんの髪をそっと撫でてあげます。

おやすみなさい、タクトさん。

もう誰も、あなたの眠りを邪魔したりしません。

おやすみなさい。どうか、安らかに……。

 

 

 

―――― そんな、幸せな夢を見ました。

 

ああ、本当に。

こんな結末が迎えられたのなら、どんなに良かったでしょう。

私達はいつでも、必死に考え、最善と信じる道を選択し、精一杯努力してきました。

まだ足りなかったのでしょうか?

どこかで、何かを、どうにかすれば、この夢が現実となっていたのでしょうか?

「もしも話に意味は無い」って、フォルテさんは言います。

でも、それでも考えずにはいられません。

辿り着けなかった、ハッピーエンド。

とても幼稚な、それこそ夢でしか有り得ないようなハッピーエンドを、それでも追い求めてやみません。

 

 

だいぶ下火になったみたいですけど、相変わらず盲目的な反戦平和を唱える人は居ます。

「ああすれば良かったんだ、こうすれば良かったんだ、どうしてこんな簡単な事が分からなかったんだ、何が英雄だ」

そんな人に私は言いたいです。

あなたの言う事は、たぶん正しいんでしょう。

でもそれは、何もかも済んだ今だから、言える事なんです。

後になって結果論でものを言うなら、誰でもいくらでも立派な事が言えます。

でも、その当時、その世界を覆う空気の中で、あなたにその決断ができたんですか?

英雄と竜の2人がかりでも出来なかった事が、あなたなら何とかできたと本気で思うんですか?

 

 

平和は尊いものです。本当に尊いものです。私にだってそれくらいは分かります。

それなのに、タクトさんと副司令を誉めてくれる人も居れば、責める人も居ます。

世の中には色んな考えを持つ人がいるんだなぁって思います。

私はそんなに頭良くないから、難しい事は分かりません。

でも私は、あの人と約束しました。あの人がどんな決断をしても、それを信じると。

だから。

 

 

 

きっとあなた方は、これからも彼らを非難するでしょう。

あなた方がそれを正義と信じているのなら、もう何も言いません。

ですけど、どうか嘲笑(わら)わないであげて下さい。

時代に見放され。

己が境遇に苦悩し。

それでも決して諦めること無く。

悩み抜き。

死力を尽くして最期まで戦い抜き。

そして力尽き果てた彼らを。

どうか嘲笑わないであげて下さい。

 

 

私の願いは、それだけです――――

 

 

 

 

 

 

―――― 取材協力   ミルフィーユ・桜葉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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ブレイブハート

 

 

 

The operationBrave Heart”―

 

 

 

 

 

Fin.