※未来から来たタクトたちとこの世界でのタクトたちを区別するために未来からきたタクトたちの会話の「」は『』にします。通信の『』と混ぜて使うのでご了承ください。
『さて、自己紹介も終わったことだしどこで話そうか。』
「ティーラウンジにでも行くか。」
「他に落ち着いて話をする場所がありませんからね。」
ちとせが倒れ、意識が戻るまで待ったあとタクトたちは話をするためティーラウンジに足を運んだ。二隻のエルシオールは未来の皇国軍と『ヴァル・ファスク』軍の艦隊に囲まれながらローム星系に移動を開始した。
時を同じくしてエオニアの大艦隊もようやく修理が完了しシェリーを筆頭にギネス、ベルモンド、レッド・アイをローム星系制圧艦隊として準備しているところだった。
第十六話「予感」
「・・・・・・。」
ティーラウンジには異様な空気が立ち込めていた。未来の自分たちと会話をするのがなんとなく不自然に見えたからだ。現実ではありえないことが自分たちの周りで起きているのだから無理もない。
『一つ聞いてもいいかな?』
「はい、なんでしょう?」
『そこにいる・・・・ヴァニラに似た君だが君はこの世界のエンジェル隊じゃないね。一体何者なんだ?』
さすがは未来のタクト・マイヤーズだけあって洞察力が鋭い。アレックがこの世界の人間ではないということをとっさに理解したのだった。
「・・・アレックさん。」
「心配しなくても大丈夫だ、ヴァニラ。・・・・俺は『元』トランスバール帝国軍第十五艦隊総司令および特務情報部隊『デット・サイクス隊』隊長アレック・デメシス大佐。つまり、あなた方の敵というわけだ。」
さすがにマイヤーズや未来から来たミルフィーユたちはとっさに銃を構えた。アレックは反乱軍、つまりマイヤーズたちの仲間たちを殺していた仇である。銃を構えるのは当然である。しかし、アレックは動揺せずただマイヤーズたちが構えている銃をじっと見ていた。
『元・・・と言ったな。今は違うのか?』
「ああ、エオニアに正体が知れてしまってね。本当の名前はジョセフ・マクロード・H、ヴァニラの息子だ。」
『ヴァニラに息子がいたなんて聞いたこともありません。』
マイヤーズたちが知らないのも無理はない。なぜならマイヤーズたちがコールドスリープで眠っているときにアレックは生まれていた。だがその疑いもアレックの容姿を見ればすぐにわかることだ。
アレックはマイヤーズたちに一部始終を話した。
『そうだったのか・・・・・・。だがなぜ俺たち・・・反乱軍に入らなかった?』
「幼かったとはいえ俺が母さんを説得していれば母さんは死なずにすんだ。すべては自分への戒めさ。」
『・・・・・・。』
その話を聞いてミルフィーユは突然立ち上がった。
『どうしたのですか、ミルフィーさん。』
『わ、私は先にシャトルに戻っていますね。タクトさんとちとせも早く来てくださいね。』
『お、おい。』
マイヤーズが止めようとしたがミルフィーユは乗ってきたシャトルがある格納庫へ走って行ってしまった。なぜ走って行ってしまったのか・・・タクトにはわからなかった。ただマイヤーズたちにはその理由がなんとなくわかっていた。
「どうしちゃったのよ、ミルフィーの奴。」
『やはり・・・・後悔していらっしゃるのですね。あのときヴァニラさんを止められなかったこと。』
『そうだな、俺も悔やみ切れないよ。』
コールドスリープに入る直前、どうにかしてミルフィーユたちを説得できたがヴァニラとフォルテはそれを拒否した。そしてコールドスリープから出たあとヴァニラの死を聞き落胆してしまった。それ以降、マイヤーズたちはヴァニラを死に至らしめたエオニアを倒すため今日まで頑張ってきたのである。
『ヴァニラさんを見てアレックさんの話を聞いてきるうちにミルフィーユさんは苦しくなっていたかもしれません。』
「そうかもしれませんわね。ミルフィーさん、ずっとヴァニラさんのことを見ていましたからね。」
『だが、それは過去の話だ。この世界が俺たちの世界と同じにしないためにもエオニアを必ず倒す。それがヴァニラへの手向けだ。』
過去に縛られていては何もできない。
それはアレック自身が一番わかっており、それを正してくれたのは他ならぬヴァニラだった。
『そろそろ俺たちは自分の艦へ戻る。今後の作戦プランを立てておかなくてな。カークス、お前はこの艦に残ってなにかあったら連絡してくれ。』
「了解しました、マイヤーズ将軍。」
『では俺たちはこれで。』
マイヤーズたちはティーラウンジから出て格納庫へ向かった。シャトルの発進を確認し無事に向こうのエルシオールに到着したあとクロノ・ドライブに入り、安全を確認したあと各自解散となった。
「クロノ・ドライブに入りました。警戒を解除します。」
「ふぅ・・・ローム星系まであとどれくらいかな?」
「今ので三回目だから、もう少しで着くな。」
二隻のエルシオールを中心とした艦隊はクロノ・ドライブを繰り返してローム星系に近づいていた。司令官椅子に座っているタクトの手には束になった紙が握られていた。それは二回目のクロノ・ドライブが終了した直後、マイヤーズが送ったものだ。
「レスター、これを見てどう思う?」
「ん、どれどれ・・・・・。」
「すごいと思わないか。俺たちの世界を助けるためとはいえ、何もここまでしなくてもいいんじゃないかな。」
その報告書らしきものにはマイヤーズたちが率いてきた艦隊の数と戦闘機の数を示したものであった。報告書にはこのように書かれている。
1、紋章機 2機 ラッキースターならびにシャープシューター
2、シルス高速戦闘機 8機
3、リグ・ゼオ戦闘機 4機
4、ザーフ級戦艦 4隻
5、バーメル級巡洋艦 5隻
6、ラス・テラ浮遊防塁(移動式) 1隻
7、ラムス・ジオ突撃艦 4隻
8、バグ・ジオ重巡洋艦 5隻
9、連合軍旗艦 儀礼艦「エルシオール」 1隻
10、連合軍副旗艦 『ヴァル・ファスク』戦闘艦「オ・ケスラ」 一隻
艦隊数、合計21隻。戦闘機(紋章機も含む)14機。
この資料を見てプランを考えておいてくれ。一応、俺のほうでもプランを立てておく。考えるのは難しいが頑張ってくれ。
トランスバールおよび『ヴァル・ファスク』連合軍総司令 タクト・マイヤーズ将軍
という感じで書かれている。この勢力を今の皇国軍で言うのならば一個師団に相当するものである。
「確かにこれは大げさに感じるな。」
「だろ?けど、俺たちと戦ったエオニアより手ごわいとしたら・・・・妥当な数だろうね。」
「そうだな。」
これだけの艦隊を持ってこなければエオニアと互角には戦えないとマイヤーズは考えていた。事実、反乱軍が『ヴァル・ファスク』と手を結んだからと言って必ずしも勝っていたわけではなかった。それでもトランスバール本星奪還が成功したのは『ヴァル・ファスク』が開発した新兵器によるものである。その新兵器の詳細は不明だが・・・・。
「レスター、エオニアの本隊は動くと思うか?」
「俺の勘では動かんな。俺がエオニアならば部下に大半の艦隊を預けて一気にローム星系を制圧。安全を確保してから移動を開始する。」
「なるほど、俺も同感だな。」
タクトたちの予想通り、エオニアはシェリーの乗る高速戦艦を旗艦として大艦隊をローム星系に送り出していた。
エオニア軍が先に到着するか・・・・・・それともエルシオールが先に到着するのか。そこが勝利の分かれ目である。
「じゃあ俺は部屋に戻って戦略プランを立ててくる。」
「わかった。ドライブ・アウトするときには連絡する。タクト、一つだけ言っておくぞ。」
「なんだい、改まって?」
「・・・・未来の自分に任せてサボったり、エンジェル隊とのん気にお茶をするなよ。」
レスターはまるでタクトの心を見透かしたように言った。タクトはうなずきブリッチを出た。だが、レスターが言ったようにタクトは戦略プランを少し立てただけで後は普段のように艦内を巡回(サボり)をするのだった。
「よく動き回るな・・・・・楽しいのだろうか?」
「はい。普段は限られた空間の中にいますからこうして動きまわれるのがうれしいんです。動物たちにとって。」
アレックとヴァニラは公園にいた。
ティーラウンジで解散したあと、二人はクジラルームから動物たちを連れて公園にやってきていた。二人は木陰に座り動物たちを見ている傍らアレックは読書を、ヴァニラは編物をしている。
「やっぱり公園はいいな。景色が綺麗だし。」
「バーチャルというのが残念ですが。」
「そうだな。」
アレックは本を閉じヴァニラのほうを向いた。どうやら何か編んでいるがアレックは知りたくなりヴァニラに何を作っているか聞いてみた。
「母さんは何を編んでいるんだい?」
「え・・・・?」
「あ・・・・・す、すまない。」
アレックの口からつい「母さん」という言葉が出てきてしまった。言わないようにしているが編物を編んでいる姿が小さいころよく見ていた母の姿にそっくりだったので口が滑ってしまったようだ。
「母はよく編物をやっていたからつい・・・・。」
「いえ・・・・気にしていませんから。アレックさん、少し背中をこっちに向けていただけませんか?」
「ああ、別にかまわないけど。」
アレックは背中を向けたあと何かが背中に当たっているのを感じた。顔を後ろのほうへ向けてみるとヴァニラは編んでいたものをアレックの背中に合わせて長けを調整しているところだった。
「ちょうど・・・・・いいぐらいですね。」
「ヴァニラ、これってもしかして俺のために?」
「はい。」
―――――そういえば母さんもよく俺のためにセーターを編んでくれていたな。
アレックは今のヴァニラの行動を見て苦笑した。小さいころ資金節約のためアレックの母親、つまりヴァニラがよくセーターを編みアレックにプレゼントしていた。アレックは母が作っていたセーターが大好きでいつも同じようなものを身につけていた。しかし、反乱軍鎮圧の際、すべて失われてしまっていた。
「でも、いいのか?俺なんかのために。」
「はい。私はアレックさんのために作っているのですから。」
「ありがとう。」
安堵したアレックに次に襲ってきたのは睡魔であった。普通にしていたつもりだがここのところ精神的にも肉体的にも疲労が溜まっていた。
自分の正体・素性、独房での罪の意識、ヴァニラに本心を話したこと・・・・・
いろいろなことが自分の身の回りで起きている。
「すまない、ヴァニラ。少し・・・横になってもいいか?」
「でしたら頭をこちらに・・・・。」
「え、いや・・・それはいくらなんでも。」
ヴァニラは編物を一時中断し大きな木に寄りかかりそこで足を伸ばした。つまりこの伸ばした足の上で横になる、言わば足枕である。さすがのアレックもこれは遠慮したかった。
「私なら大丈夫ですから。」
「・・・・・・。」
「それにそのままだと虫にかまれてしまいます。」
心の葛藤のすえ諦めるように、アレックはヴァニラの足(正確にいえば膝)の上に頭を乗せた。遠慮したいという気持ちが強かったがせっかくヴァニラが言ってくれているのだからもったいないと思ったのである。
「大丈夫・・・・か?」
「私なら大丈夫です。」
「ありがとう・・・・・ヴァ・・ニラ・・・。」
ヴァニラの膝がとても気持ちが良かったのかアレックはヴァニラの膝の上で寝てしまった。まるで遊び疲れた子供のようにぐっすりと眠っている。
「いろいろなことが・・・ありましたからね。」
眠っているアレックの髪を撫でながら一人つぶやいた。するとアレックの声が聞こえてきた。
「ん・・・・・かあ・・さん・・・」
多分寝言であるがアレックはまるで母親と夢の中で会話をしているようだ。ヴァニラは黙ってそれを聞いている。
「約・・・・束する・・・よ、母さん。タクト・・・や・・・みんな・・・を・・・ヴァニラ・・・を絶対・・・・守る・・から・・・。」
「アレックさん・・・・。」
「だから・・・・・しん・・・ぱいしなくて・・・いいから・・。」
自分に言い聞かせているのか・・・それとも夢のなかで会っている母親に言っているのか、それはわからない。ただ確かなこと、それはアレックが自分の母親を死なせてしまった代わりにこの世界にいる仲間のタクト達を命にかえても守るということだ。ヴァニラはアレックの頭を抱えるように木に寄りかかりながら眠りについた。
それはまるで実の親子のように――――――
「アレック・デメシス大尉とヴァニラ・H中尉は至急ブリーフィングルームまで来て下さい。繰り返します・・・・」
艦全体にアナウスが流れた。公園でもそれは聞こえアレックが目を覚ますと同時にヴァニラも目が覚めた。二人が眠っている間に艦隊はローム星系に到着していた。アナウスが流れたがヴァニラとアレックは公園で眠っていたため聞こえていなかった。その間に二人を除く全員が集まっていた。仕方がなく二度目のアナウスが流れたというわけだ。
「今・・・・俺たちを呼んでいたな。」
「はい。急いだほうがいいかもしれませんね。」
「そうだな。」
クジラルームに動物たちを返さないといけなかったが呼ばれてしまったので仕方なくアレックはクロミエに通信をして動物たちを連れて帰ってもらうことにした。通路を歩いている途中アレックがヴァニラに話しかけた。
「ヴァニラ、大丈夫だったか?その・・・足に負担が掛かっていたとか。」
「いえ、特に何もありませんでした。アレックさんは・・・・寝ているときはとても穏やかな顔をするのですね。」
「え・・・?」
アレックは普段あまり笑いを見せないでいて一軒クールなイメージがある。さらにヴァニラのような容姿を持っているためそれがより強く見えてしまう。しかし、ヴァニラはアレックの寝顔を見たときとても幼く見えたに違いない。
「そんな風に言われたのは初めてかな。今までそんな余裕がなかったから。」
「・・・・・・。」
「さぁ早く行かないとまたみんなに質問攻めに遭ってしまう。」
二人は歩くスピードを速くしてブリーフィングルームに向かった。ブリーフィングルームに着きなかに入るとすでにタクトたちが集まっていた。遅れたということはアレックとヴァニラにとっては悲劇(?)のようなものだ。
「遅いわよ!二人とも何やってたのよ!?艦内放送聞こえてなかったの?」
「すまない、寝過ごしてしまった。」
「でも不思議ですわね。アレックさんはまだわかりますがどうしてヴァニラさんまで遅れてしまったのか興味がありますわね。」
一度目の艦内放送で起きなかったのが運の尽きと言える。ヴァニラは顔を赤くしアレックはどう説明していいかわからなくなり混乱していた。話題をそらすかのようにマイヤーズはその会話に割って入った。
『おいおい、俺たちがここに集まったのは二人をからかうためじゃないだろ?』
『そうですよ、みなさん。私たちがここに集まったのはエオニアの大艦隊を打ち倒すための作戦会議なのですから真剣になってください。』
マイヤーズとちとせは真剣な表情でタクトたちに言った。マイヤーズたちはエオニアをようやく追い詰めたのだから少し興奮しているのだろう。この世界を助けにきた側としては迷惑な話だ。
「わかったわよ。せっかくいいところだったのに・・・・・。」
「仕方がありませんわね。この話はこの戦いが終わってからごゆっくりお聞かせくださいまし。アレックさん、ヴァニラさん。」
『・・・話がまとまったところでまずは状況把握だ。カークス、説明してくれ。』
「わかりました。」
カークスはローム星系のマップをモニターに出した。
カークスが潜入させたスパイの情報だとエオニアの艦隊は約5時間後にやってくるというものだ。ここでフォルテが不思議そうにマイヤーズたちに聞こえるように言った。
「侵攻スピードがやけに遅いね。いつもならもっと早く来てもおかしくない。」
「多分、クロノ・ドライブが使えないからだろう。」
「どうしてクロノ・ドライブが使えないのですか?」
時空転移発生装置は通常クロノ・ドライブと連結して初めて使用可能になる。つまり、転移装置が破壊されればそれに伴いクロノ・ドライブも使用不可能になってしまうとても脆い品物なのだ。アレックの攻撃によって大部分の艦隊が転移装置を破壊されたためクロノ・ドライブが使えず通常航行で侵攻している。侵攻するスピードが遅いのはこれが原因である。
「なるほど、それで私たちがいち早くローム星系に到着することができたというわけですね。」
『そういうことになるかな。あ、そうだ。今回の作戦に協力することになった『ヴァル・ファスク』の人を紹介しよう。どうぞ。』
マイヤーズがドアの向こうに話しかけるとドアが開き、そこから男の姿が出てきた。特徴をあげるなら『ヴァル・ファスク』特有の顔の印、髪は長くシルバーでありとても落ち着いている。
「冗談だろ、おい・・・・。」
『どうしたんだ、タクト。まぁいいか俺と一緒に来たロフィル将軍だ。本当は俺たちと一緒にシャトルに乗ってくるつもりだったんだけど。』
「それは貴殿が興奮していたからであろう。我にとっては意味もないこと・・・・我の任務は貴殿に付き添いこの世界を我らの世界と同じようにさせないためここにいる。紹介などはどうでもよいことだ。」
『相変わらずロフィルは真面目というかただ無口なだけなのかわからないよ。』
マイヤーズはロフィルの肩を叩くとロフィルは苦笑いをした。
トランスバール共和国と『ヴァル・ファスク』が連合軍なって以来ロフィルはマイヤーズを補佐つまり副官となり数々の死地を共に切り抜けてきた戦友である。親友のように話しているマイヤーズたちをただタクトたちは呆然と見ていた。
「はは・・・やっぱり世界が違うとこうも違うんだ・・・・。」
『ん、なんのことだ?』
「いや・・・話が長くなるけど、この世界のロフィルは・・・・。」
タクトたちはマイヤーズたちになぜ驚いている事情を説明した。この世界でのロフィルはゲルン(未来では死亡となっている)の部下でタクトたちを苦しめた『ヴァル・ファスク』の一人で最後にはヴァインの裏切りによって死んだ人物である。その死んだ人物が目の前にいるのだから驚かないのがおかしい。
「そうか・・・・我は貴殿達に迷惑をかけたらしいな。申し訳ない。」
「い、いや君が悪いわけじゃないから。」
『そうだぞ。俺たちの世界ではお前は人望の厚い人物なんだから、この世界とは全然関係がないだろ?』
「・・・そういうことにしておこう。」
『よし、無駄話をしすぎたようだな。では作戦を練るとするか。』
話が終わったところでようやく本題に入ることができた。作戦を練るのに二時間も掛かってしまったがそのおかげで精密な作戦が練られた。カークスが忍ばせていたスパイによってエオニアの大艦隊はあと二時間でローム星系内に出現するとの報告を受けたタクトたちはそのまま戦闘準備にかかった。
第十六話「予感」 終
第十七話に続く。