五対一。

 

文字にした場合、どちらが『多勢か?』と問われれば、『五』だと誰もが答えるだろう。

だがどちらが『優勢か?』と問われたら、少しの悩みが生じるはずだ。

問題は『質』。

『量より質』という言葉が有ることから解るように、時たま少数の『良質』が多数の『悪質』を上回ってしまう事は十分にありうる。

 

そんな『量より質』を『軍人』が語る過程で、必ず例に挙げられるのが『紋章機』と呼ばれる大型戦闘機。

トランスバール皇国の象徴たる『白き月』が有している『ロストテクノロジー』の結晶。

適性を示す者だけが動かす事ができ、『HELO』と呼ばれる思いに答えるシステムを内封している。

実力は『想い』に答える形で『無限大』と言われ、多くの『多勢に無勢』をひっくり返してきた最強の兵器。

 

もし五が『駆逐艦』で、一が『紋章機』ならば誰もが『一』の優勢を信じて疑いはしないだろう。

だが今回は五も一も……『全てが紋章機』なのだ。

ならば勝つのはどちらだろうか? 勿論多い方……そうでなければ成らないはずだ。

しかし……繰り広げられるのは悪夢だ。

 

 

 

 

 

悪夢だった。

ソレを見る者達、具体的に言えばトランスバール皇国の軍人達は、それをそれ以外の言葉でどう表現すれば良いのか解らなかった。

 

 

『紋章機』

 

それは皇国軍の旗印だった。守護女神だった。切り札だった。

あの黒き月の大軍勢を押し退ける事ができたのは、間違いなく紋章機のお陰だった。

エデンすら滅ぼしたヴァルファスクの本星にまで乗り込み、首領を撃破出来たのも紋章機の功であることは間違いない。

それからの騒乱たる時代に、明日が見えないテロに怯えていた皇国軍人たちの支えとなったのも紋章機だった。

『紋章機が居るのだから負けは無い』と

 

 

その紋章機が……

 

ヒラリと黒い天使が舞った。

なんと言うことは無い。軽い気持ちでの曲芸飛行。

別に狙ったわけでもない。何となく当たるような気がしたから撃っただけだ。

 

なのに堕ちていく。無敵であるはずの紋章機が、簡単に堕ちて行く。

翼と剣だけ綺麗に奪われて、折れては成らない御旗が折れる。

弄ばれる赤子のように、倒れて成らない守護女神が倒れ付す。

まるで紙くずであるかのように、負けてはならない切り札が敗北する。

 

 

何度も言うが一も五も、両者とも紋章機なのだ。

なのに圧倒するのは一。守るべき世界を捨て、愛すべき者を選んだ悲運の天使。

濁流たる運命と策謀に流されて、大事な者を失った天使の羽は、黒く黒く染まっている。

憎しみすら悲しみすら怒りすら憤りすら……そして愛すらも『天恵』の技術は、力に変える。

その禍々しくも美しい事……幸運の星は堕ちた。名を改めて『ルシファースター』。

 

堕天使を駆るのは『強運の女神』。世界を幾度と無く救った本物の救世主。

今は亡き愛しき人へのみ向けられる狂おしい愛は、世界を滅ぼすことすらいとわない。

強運の女神は『裁きの女神』へ。

 

エンジェル隊のムードメーカーは、日課のようにお菓子を作っていたときと変わらぬ笑顔で……問うた。

 

 

「あれ……どうしたの、みんな? そんなんじゃ『ギャラクシーエンジェル』の名が泣いちゃうよ〜?

 それとも……『くだらない銀河』を守る天使なんて、所詮はこの程度なのかな?」

 

『クダラナイ』と……切り捨てられた銀河はなにを思うのだろうか?

 

 

 

 

 

「バカな……」

 

目の前に繰り広げられる惨劇に、思わずレスター・クールダラスは腰が抜けたように、司令官席にその身を落とした。

普段ならば如何なる危機的な状況でも、毅然とした態度で対応する名司令官の姿は無かった。

だがソレをどうこう言える者もまた、ブリッジには存在しない。

誰もが信じられなかった。エルシオールにその任を置く者は皆、紋章機の戦いを最も多く、最も近くで見てきた者。

 

そんな者達だったが……こんな光景を見た事は一度とて無かったのだ。

無数の艦船を相手に、一歩も退かなかった者達が……強固な浮遊防塁の壁を、颯爽と突破した無敵の天使が……

 

 

『落ちて行く』

 

 

『勝てない戦ではない』

数多の艦を秒殺していく『凶つ星』を見ても尚、レスターはそう考えていた。

確かに鈍重な艦であの『元』紋章機を撃墜するのは厳しいかもしれない。

あの『元』エースの攻撃を回避、防御するのは難しいかもしれない。

だが同じ紋章機が五機いるのだ。勝てない事は無い。むしろ勝てる確率のほうが高い。

そう考えているからこそ、あの大虐殺を確認しても、紋章機にGOサインを出したのだ。

 

「アノ五人はエンジェル隊で、あの五機は紋章機なんだぞ!? ソレがこうも容易く……」

 

五機が撃ちかける砲撃は、ルシファースターに掠りもしない。

逆に軽い気持ちで撃ち返す一つ一つの砲撃が、確実に的を打ち抜く。

そう……もうルシファースターの周りを飛び回っている『ソレラは的』にしかなりえていない。

コクピットには傷一つ付けることなく、次々と撃ち抜かれるのは推進器や武装。

飛び回っていた五機の紋章機は今や一機だけ。

この数ヶ月を直属の部下として『アルテミス・アテンダント』のエースを任せていた少女。

 

「頼む……何とか耐えろ」

 

押し切られるのは、レスターの目も見えていた。

だがそれだけ小さく呟き、震える指でコンソールを操作。

無傷で戦力になりそうな艦はほんの僅か。いかに役に立つまいと解っていても、エルシオールの護衛艦は動かせない。

となると……

 

「動かせるのは数隻……援護に回すか? いや……駄目だ。これ以上スクラップを生産するのに意味は無い。

 それに……命令を出したところで従ってくれるか?」

 

アレだけ簡単に虐殺される僚艦を見て、アレだけあっけなく落ちて行く紋章機を見て、動いてくれるだろうか?

 

「手詰まりだ……どうする……」

 

何度戦力分布を見直しても、いかに計算をし直しても、答えはマイナス。

たった一機の紋章機を、友軍が包囲する形になっているというのに、状況は真逆。

怪物の腹の中にでも放り込まれたような感覚。剣先は常に己の額に突きつけられたような錯覚。

 

今までのどんな状況とて、手詰まりなどと考えた事は一度だって無かった。

六機の紋章機が有り、六人のエンジェル隊が居て、あの英雄っぽくない英雄的な指揮官が居て……何度も修羅場を潜ってきた。

負けた事は無い。負けたと言うのは死を意味し、死んでいない以上、自分達は『無敗』と言っても間違えない。

 

それが……一人の指揮官を失い、一人のエンジェル隊と一機の紋章機が離反しただけで……

 

「負ける……」

 

指揮官たるもの、どんな状況でもそんな事を言っては成らないのも、レスターはよく理解している。

理解した上で、知性が本能に敗北した。ただ生命の直感が告げている。いや……知性すらも生命の直感を肯定する。

 

「俺達は……何と戦っている……」

 

 

 

 

 

「なあ……ベルモット」

 

「なんだい? リゼルヴァのアニキ」

 

「僕たち……要らないんじゃないか?」

 

「そんな気がしないでもないな〜」

 

ヴァルハラ軍総旗艦『ヘブンズ・ゲート』の余りにも広く、風景なブリッジでリゼルヴァ・キアンティとベルモット・マティンはそんな会話をしていた。

彼らの本職は、勿論他のメンバーと同じで戦闘機乗りなのだが、未だに問題が多い無人艦の戦闘プログラムの改善作業に、この場所に残っている。

リゼルヴァは戦術的な変更を加え、ベルモットは装備運用のプログラム構築の為。

 

そんな二人は他の誰よりも余裕を持って、新たなる主の戦いぶりを見物する事ができた。

ちなみのその感想は……

 

 

「なんと圧倒的なことか……」

 

リゼルヴァはその強さを目の当たりにするまでは、正直ミルフィーユ桜葉に、心から従うつもりなど無かった。

彼女にゾッコンなカミュ・O・ラフロイグや、戦えれば何でも良いと考えるレッド・アイやギネス・スタウト、そして目の前の機械が弄れればどこでも良いというベルモットとも違う。

彼の根底に有るのは『権力に対する執着』だ。単純な『名誉欲』なのだ。

没落貴族の生まれである彼は、栄光から苦汁まで全て嘗め尽くした。

そんなリゼルヴァがエオニアに加担した理由は、『新たな権力は取り入るに容易』であり『名誉を得やすい』からだ。

故にエオニアには勝ってもらわなければならなかったし、その為に遂力するのは当然である。

 

だが今回の戦はどうか?

確かに地獄と言えなくも無い空間から助け出してくれた事には、礼を言ってもいいが、『世界を相手に戦争をする』等と言うのは馬鹿げている。

ミルフィーユの話からすれば宇宙は想像以上に深く、トランスバールと同等か、それ以上の力を持つ者達が存在する。

そんな話まで聞いてしまっては、『銀河を相手に戦争』等ということに、彼はやる気を出す事はできなかった。

 

故に『う〜ん……やっぱりダメダメですね。ちょっと手助けして来ようかな?』等と言って、大将が前線に出る愚行も見逃したのだ。

 

『死んだらそれはそれで終わり』等と不謹慎な事も考えていた。

 

 

そう……とり合えず従っているだけである主が、圧倒的な強さを見るまでは。

戦闘機の攻撃とは思えない大威力は、次々とトランスバールの艦隊を沈めていく。

自分たちヘルハウンズが、何度も『一対一』で戦って落とせなかった紋章機を、『一対五』で軽くあしらう姿を見るまでは。

 

「ハッハッハ……圧倒的じゃないか……コレなら……」

 

それは間違いなく、彼が憧れる『権力』すら圧倒する『純粋な力』。

銀河を滅ぼす片棒を担ぐと言うのも、誰からも与えられない『至極の名誉』ではないだろうか?

どうせ一度は死んだ身だ。もう命とやらにも深い執着は持っていない。

普通ならば笑って終わる絵空事だが、そんなおとぎ話を叶える力を持った『最強の堕天使』が自分たちの主なのだ。

 

「これならば……得られぬ名誉では無いか……」

 

一瞬で深く、複雑な思考を繰り返し、リゼルヴァは決めた。

『この配役……演じきろう』と。彼も彼とて考えているようで、闘争と本能に忠実な『ハウンズ 獣の群れ』の一角なのだ。

 

「ベルモット……我らのお姫様の戦闘データ、とっているな?」

 

「もちろん。もっとも……艦隊の再編成の片手間だから、ただマシーンに読ませているだけだけどね?」

 

そんなベルモットの言葉に、リゼルヴァはため息を付き、手近なコンソールに向う。

ベルモットほど上手くは無いが、扱えない事は無い。

 

「再編成は僕がやっておくから、お前はデータをしっかり取っておいてくれ。

 この前お姫様が話していた『夢物語的な戦術論』……アレを実現するのに必要だ」

 

「えぇ!? アレやるの!? 確か『無理だ』って言ってたのリゼルヴァのアニキじゃ……」

 

「気が変わった。というよりも……『やる気になった』だけだ」

 

そんなリゼルヴァの言葉に、ベルモットはグルグル牛乳ビン底眼鏡で覆われた目を細め、口元でニンマリと笑みを作る。

彼にしてみても艦隊の再編成より、面白い仕事である事は間違いないのだから。

そんなベルモットの扱いを知っている点では、リゼルヴァは策士と呼べなくも無い。

 

 

最も策略と言うモノは、『強大な力』や『純粋すぎる狂気』の前では無意味なのだが……

 

 

 

 

 

正直最初は解らなかった。解りたくなど無かった。『最高の戦友と刃を交える感覚』など……

だがもうそんな事は言っていられない。今現在進行形で刃を交えているのだから。

 

「やっぱりちとせは、他の皆よりも強いね。ずっと実戦していたからかな?」

 

刃を交えていると言うのに……通信機から聴こえてくるのは、聴き慣れた優しい声。

『お菓子作ったんだ。ちとせも一緒に食べようよ〜』と誘いに来てくれた時と、同じ声。

なのに!……私こと烏丸ちとせは……ミルフィーユ桜葉先輩と……戦っている。

エルシオール内にあったシミュレーションででは無い。

真空の宇宙を飛び交い、本物の翼と本物の砲火が交錯する『殺し合い』だ。

 

 

「わっ! 今の射撃は危なかったな〜。ちとせは『私と戦う事』に迷いがないね。

 うん、そうじゃなきゃいけないと思うよ」

 

迷いが無い? 何を言っているのだろう、この人は?

私は迷いすぎているのと言うのに……もう迷子になってしまいそうなほどに。

 

マンガやアニメなどで、二つのまったく正反対の考えが思考内でぶつかるとき、二つの人格を付与して、その討論と言う形で結論を導き出すシーンが良くある……

 

 

 

一人の人間として、女としての『烏丸ちとせ』が涙を流しながら問う。

『どうして!? どうして私たちが戦わなければならないの!?』

 

紋章機のパイロットとして、軍人としての『烏丸ちとせ』が冷静に答える。

『彼女が敵だからに決まっている』

 

 

女としての『烏丸ちとせ』が叫んだ。

『ミルフィー先輩が敵であるはずが無い!

 だって彼女は先輩で、友達で、戦友で、銀河を救った英雄なのよ!?』

 

軍人としての『烏丸ちとせ』も言葉を荒げる。

『彼女は戦線を布告し、友軍艦を沈めたのだぞ!?

 ならば皇国の敵、銀河の敵、レスター司令の敵、そして私の敵だ!!』

 

 

 

答えなど出ないのだ。出ないほうが良いに決まっている。

友と言い切るには彼女の行いは残酷で、敵と言い切るには彼女は優しくて親しい仲なのだから。

こうしている間にも、葛藤の間にも、戦闘は続行している。

手は目まぐるしい勢いで操縦桿を捌き、指は一瞬を見逃さずトリガーを引き、戦闘という行為に熱せられた感情はHELOによりエネルギーを絞り出す。

 

思えば自分は随分と気持ちと言うものが、固まってしまったのではないだろうか?

昔の自分ならばこんな状況で、紋章機を動かす事はでき無いだろう。戦闘行為なんて、もっての他だ。

 

だが今の自分はどうだろう?……平然と兵器を操り、平然と殺し合いをする自分が居た・・・…

 

 

 

ちとせの愛機たるシャープシューターと、ルシファースターが、漆黒の宇宙空間で交錯する。

 

『近付けば当たる』なんて無粋で、一般論な考えは通用しない。

敵を狙うのではなく、『スキ』を狙う。

如何なる名うての戦闘機乗りとて、動作によるモノ、機体の構造上仕方が無いモノなど、スキは確かに存在する。

そのスキを狙っているのだから、真っ向からぶつかるような急接近も、攻撃のチャンスとはならない。

接近して来ようとも、相手に攻撃に足るスキが無ければ、その攻撃は無意味。

むしろ攻撃を放つ事でスキが生じ、己が攻撃される事にも繋がる。

 

だからこそ二機の紋章機は、沈黙で踊る。

その武装が火を噴く回数は限りなく少なく、ただお互いの距離を測り、スキを探す軌道を描き続ける。

 

そんな動作を幾度と繰り返しながら、ちとせは呟く。

 

 

「駄目だ……」

 

自分の真骨頂はよく理解している。

超長距離からのピンポイント射撃こそが自分の、シャープシューターの本領。

だが普通の距離でのドックファイトが出来ないわけではない。むしろそっちもある程度の自信を持っていた。

単機運用艦隊である以上、あらゆる状況をこなせる様でなければ、艦隊の運営は成り立たない。

そのために特訓もしたし、実戦で十数機の戦闘機を単身で落とした事もある。

 

だが……目の前の相手は次元が違った。

『撃墜王と撃墜王次点の差を教えてあげようか?』とミルフィー先輩は言っていた。

まさに教えられた。この人と同じエンジェル隊であったことが不思議であるほどに、彼女は強い。

銀河に名を轟かせた最強のエース。強運の星。戦場で微笑む幸福の女神。

その名に偽りは無く、むしろ『名前が負けている』気がして成らない。

 

なぜ彼女が強いのか? 簡単に言えばスキが無い。

私がスキだと感じているものも、彼女にはスキとなっていない。

さっきからこちらの攻撃をレールガンで撃ち落すなんていう、曲芸を見せるほどの余裕がある。

 

だが私は……さっきから何度『落とされた!』と思ったことか。何度も有ったはずの絶対のチャンスを、ミルフィー先輩は撃ってこなかった。

まるで楽しむように少しずつ羽の先を吹き飛ばし、シールドを揺さぶる。

 

だけどこちらにはまだシャープシューターの、女神の弓を引く者の由来たる『長距離レールガン』と、標準を定める『大型索敵レーダー』がある。

この二つが有れば一撃で勝利する事も可能。軍人としての私がそう推測しかけていると・・・…告げられる宣告。

 

 

「さてと! 皆の実力もわかったし、艦隊も退却と再編成できたみたいだから、私も『お暇』しようかな?」

 

告げるのはそれだけ。結果は一瞬。

 

 

「えっ? どこ?」

 

『どこ?』等という言葉を、戦闘機乗りが使った時点で、その人物は『死んでいる』も同然。

だがちとせも銀河にその名を轟かすエースパイロットだ。そんな彼女だからこそ、普通では相手を見失いなど決してありえない。

もちろんレーダーは相手を捉えているし、画面もソレを映している。

 

なのになぜ消えたと感じるのか? 理由は単純。

余りに早く、余りにも唐突に、余りにも華麗に動く機体を『動いたと認識できなかった』のだ。

普通の人間では目で追うことが出来ない機動を描きながら、ちとせが認識しきる前に、ルシファースターは『歌う』。

 

 

結果は単純。ちとせの敗北。

吹き飛ばされるレールガンの砲身。形を失うウィング。盾の役割を放棄するシールド。迎撃を拒否するファランクス。

そして……主の生命維持という機能『以外』を放棄するシステム。

 

ルシファースターを映していた、球状のフルスクリーンディスプレイは闇に沈み、ミルフィーユの声を届けていた通信機は沈黙する。

 

 

『圧倒的なまでの敗北』

 

 

一度も体験した事のないその衝撃に、目と翼を奪われた恐怖に、ちとせの口から響くのは見知らぬ闇で迷子になった子供の悲鳴。

意識が自我の保存の為に、ブレイカーをオフにする瞬間……ちとせの耳に届くミルフィーユの言葉は、初めて悲しそうに呟いた。

 

 

 

「ちとせ……クールダラス副司令が好きなんだよね? 二人のカップルって私とタクトさんに似ている気がするんだ〜だから一つ忠告するね。

 本当に好きな人が自分の後ろで艦に乗っているんだよ? 自分が倒れたらその人も死んでしまう。

 そうならない様に……私みたいにならないように……ちとせ……もっと強くならなきゃ駄目だよ?」と

 

 

 

この日が新たな戦争の幕開け。

歌い手が壊れてしまうまで続く……天使のセレナードの歌い始め。