『俺は自分が知りうる情報を可能な範囲で彼らに話した。そして、彼女には俺の過去を話した』

 

 

 

第四章「明かされし真実と忌まわしき過去」

 

 

 

                  1

 

 

「まず言っておく。俺はこの世界の人間じゃない」

 

 

「「えぇ!?」」

 

 

「俺は惑星間統治帝政国家ガーリアンの特捜機動部隊所属、階級は上級特査」

「・・・・・」

「任務で俺はこの世界・・・EDENに潜入した」

茫然自失となっている一同に気付かずスラスラとまくし立てる。

「ちょっと待ってよ!!」

一番最初に我に返ったのはランファだった。

「任務って何よ?」

刺が含んだ声で訊ねてくる。

まだ信じられない様子でランファの問いに一同が大きく縦に首を振った。

「AFを外界に持ち去った男・・・フォート・マイヤーズの抹殺だ」

「ま・・・マイヤーズって!!」

一同の注目が伊織からタクトに移り変わるが、驚いているのはタクト本人のようだ。

一方、本人の恋人であるミルフィーユはまさか、と言わんばかりに表情で訊ねた。

 

「ま・・・・まさか・・・?」

引きつり震えながらも、やっと声に出す事が出来る本人。

そのまさかだ、というように無言で頷く伊織。

「ちょっと待ちな!!それじゃあ、タクトがアンタの世界に居るってことかい!?」

身を乗り出してフォルテが詰問する。

「そうだ。正確に言えば・・・タクトの子供に当たるが」

「どういうことですか・・・・?」

次にちとせが複雑な表情を浮かべて問う。

伊織の回答に疑問を感じているようだ。

「平行宇宙。実際的にありえないと言われがちだが。これは実在する」

伊織は更に詳しく述べ始めた。

 

 

この宇宙には幾つもの宇宙が存在しその宇宙には自分がそれぞれ一人づつ存在するという。

おおよその数はわからないが少なくとも120以上はあると、伊織は述べた。

 

彼が所属する特捜機動部隊は彼の故郷、ガーリアンで開発された「Armamentrame」と称される有人単独操巨大人型兵器の悪用を防ぐ為、主な活動内容はガーリアンの治安維持が全般だが、

「基本的な所轄地域は存在しない」

「どういうことですの?」

キッパリと断言する伊織にミントがティーカップに紅茶を注ぎながら質問を述べる。

片方の耳が縦にピンと立っていた。

「ガーリアンはEDENのような技術は無いが軍事力や科学技術が目まぐるしい程、発展していてな。空間転移装置が開発された」

 

 

「「空間・・・・転移?」」

 

 

詳しい説明はよしてくれと言い肩をすくめた。

「ただ、外界―――――――いわゆる別宇宙の調査に使う」

「わかった。・・・で?俺の子供は何をやったんだ?」

タクトの問いの途端、伊織の表情が急に険しくなった。

瞳には怒りといった感情の光が宿っている。

「フォートは部隊の仲間を皆殺しにし、あいつの機体に・・・雪華の機体に細工した・・!!」

静かに告げられた。

声がいつもより低くどす黒い怒気が含まれている。

憎しみや怒りが周囲の大気を捻じ曲げるようだった。

伊織は右手の指が白くなるまで、きつく手を握り締めており手の平から血が流れている。

 

「君は彼に復讐をしようとしているけど・・・・・それだけか?」

まさか、とばかり鼻で笑い、

「本部の命令でもある」

と素っ気無い態度で告げた。

「そうか。じゃあこの話はいいよ。次に機体だけど・・・・」

そうだな、と言ってちとせが差し出した紙コップを受け取り紅茶を飲む。

「妙な味だ・・・・」

紅茶を余り口にしない伊織は素直に感想を述べ続けた。

 

「『Armamentrame』それがあの機体がカテゴライズされている兵器の総称だ」

それから、伊織はAFについて様々な事を説明した。

 

搭乗時にはパイロットの神経と機体の電磁神経を接続する。

さらに動力源に埋め込まれているコアに精神を侵食されて「一体化」し始めて機体の操縦が可能になる。

電磁神経との接続により柔軟かつ精密な動作ができ戦闘では有利な戦況を生み出す事ができる。

しかし、

「機体のダメージは搭乗者の身体で再現される」

その言葉に一同に再び衝撃が走り、ちとせが泣きそうな顔でしゃくりを上げ始めた。

「やっぱり・・・わたし・・伊織さんのことぉ・・・・!!」

「気にするなと言っただろ?この通り俺はピンピンしてる」

ちとせの頭をくしゃくしゃと撫でながら言った。

 

質問はそれっきりで後はピクニックを楽しみ始めた。

 

 

「さてと、俺は少し散歩にでも言ってくるか」

独り言のように呟き伊織は銀河展望公園の奥に向かって歩き出した。

風に吹かれながら伊織は久しぶりに自然の美しさを堪能する。

以前いた世界でもこのような景色はあった。

しかし、それを楽しむ余裕などどこにも無かった。

両親はおらず生まれてから一度も人の暖かさを感じずに生きてきた。

戦う為、そして苦しむ為に生まれてきた自分に嫌悪感を抱き始める。

 

彼女との出会いが―――――彼を変えた。

しかし、全て過去の話。

どんなに望んでも過去は過去。

ならば、前に進むしかないのだ。

 

 

命を捨てでも・・・

 

 

気が付くと頬を伝う一条の雫に気付いた。

それが涙だということに気が付くと少しホッとした自分がいる。

 

 

「こうして涙を流せる事は人間である証なんだよ?」

 

 

彼女の声が脳裏に響いた。

目頭が熱くなり景色が滲み始めるのが分かる。

拭おうとせずにただ、ひたすら歩く。

ピクニックの会場から離れたことに気がつき慌てて戻り始めた。

 

 

 

 

「伊織さん・・・・」

「ちとせ・・・・」

ちとせを下の名前で呼んでいる自分に伊織は驚き周囲に目をやった。

既にエンジェル隊の姿は無くレジャーシートも無い。

「皆さんお帰りになられました。もう夜ですし」

「そうか・・・・綺麗だな」

空を眺めると漆黒の闇が支配し所々、星が輝きを放っている。

うっとりしたように見つめるちとせ。

「伊織さん・・・・何故、泣いたんですか?」

「――――――何?」

何故、そんな事を聞くんだろう?――――――ついそう思ってしまった。

「俺の考えている事分かるのか?」

真顔で聞いたら、ふきだされてしまった。

「いいえ・・・・。涙の跡がありましたので・・・・・・・」

クスクスと笑いながら本当の事を述べる。

伊織は安心した様に吐息を吐きその場にしゃがみ込んだ。

柔らかい芝生が心地よかった。

 

「そうだな。泣いていたな・・・・俺」

独り言のように返す伊織の隣にちとせもしゃがみ込み彼の顔を覗き込んだ。

「何だ?」

「話せることだけでいいですから・・・・話してください」

必死に訴えるかけるちとせ。

その時の伊織は彼女の瞳をどこかで見た気がした。

とても、懐かしい。

 

「わかった・・・・せっかくだから聞いてくれないか?」

力無く答える伊織に頷くちとせ。

 

彼はもう一つの事を話した。

忌まわしき過去を・・・・

 

                2

 

彼が十六の時。

当時、最新鋭のAFフレスヴェルグモデルの搭乗者を務めていた。

危険性が高いAFの上位に位置するフレスヴェルグモデルはパイロットに過度の負担をかけることを知らされた。

知らされた上で志願した。

「俺になんて居場所など無かったから・・・・・・・・」

「そんな!!」

まるで、自らの命を突き放すような言い方にちとせは声を上げて伊織を睨み付けた。

「居場所が無いのは事実だった。戻れる場所も・・・・帰れる場所も、何も無かった」

諦念が混じり遠い景色を眺めるようにボンヤリと返す伊織。

更に彼は続けた。

 

―――――――――――――――――――――――――

 

 

 

 

「お疲れさんボウズ!!」

「どうも」

戦闘終了後、機体から出た伊織は整備員に叩かれながらも部屋に戻ろうとしたが、ある機体の前で立ち止まり、その搭乗者を待つことにした。

機体の調整の所為だろうか?

搭乗者が現われる事は無いので伊織は諦めて自室に引き返すことにし格納庫を後にする。

 

「待ってよう!!」

 

後ろから声がして振り向くと黒い髪と雪のような白い肌が印象的な少女が小走りで近づいてきて、伊織の瞳を除きこんできた。

顔が近かったからつい、頬を染めてしまい、

「アハハハハハハ!!かわいい」

と晴々とした笑顔で笑われてしまった。

不快感というものは微塵も無く、むしろ心を晴らしてくれる。

そんな気持ちの良い笑顔だった。

「雪華か・・・・からかうのはよしてくれ」

苦笑しながら述べた。

しかし、黒髪の少女――――――雪華は伊織の頬から赤みが引かないことが気に入り、

「照れてるの?フフッ」

と微笑を浮かべた。

 

「あっ」

脚がもつれ雪華が小さくよろめき伊織の胸に倒れこんだ。

伊織も慌てて脚に力をこめて雪華を支える。

「ご・・・・ゴメン」

「良いさ」

頬を染め恥ずかしがりながらも謝る雪華の姿もとても魅力的だった。

「“リプレイ“か?」

うん、と小さく頷く雪華。

“リプレイ“というのはAFパイロットと切っても切れない持病のようなものだった。

精神侵食をされることにより操縦が可能なAF。

しかし、それは精神的、肉体的に大きく負担をかけることを意味している。

雪華は頭に手をやり、息が苦しそうな息遣いに変わっていた。

「おい・・・・大丈夫か!?」

顔色が悪くなる雪華に伊織の表情にも焦燥の念が浮かび始める。

更に一層、苦しそうにうめき、伊織が医務室に連れて行こうとして抱きかかえた。

お姫様抱っこにも見えるがレスキュー隊員の人命救助にもみえる。

雪華を抱きかかえ走り出そうとした時、

「だっまされたーーーーッ!!」

と、元気の良い声が聞こえ雪華の顔を見ると満面の笑みを浮かべている。

「何だよ。・・心配掛けさせやがって!!」

「あぁ!!伊織、怒ったぁ!」

アハハハハと笑う雪華の無邪気な笑顔。

人の温もりを知らずに育ってきた彼にとってその笑顔は彼の心に十分すぎるくらいの感情を生み出した。

その、無邪気な笑顔の妙な温もり。

「な・・・・何?」

じぃと伊織に見据えられた所為か雪華も紅潮してきた。

見詰め合う二人。恋人同士にも見える。

伊織の頬もいつのまにか緋色に染まり雪華の紅潮も収まらない。

「いや・・・何でも無い」

降ろそうとした時、

「ヤッ!」

と言って雪華が伊織の首に手を回しすがり付くように彼の胸に顔を埋めた。

 

「ちょ・・・・雪華!?」

突然の出来事に混乱し、伊織はただ混乱するばかりだった。

頬の緋色も色を増し熱を出したみたいに変化する。

「伊織!運んで・・・・!!」

ニッコリと微笑まれた。

溜め息を吐き、この妙な火照りを抑えられるなら良いか、と思い伊織は雪華を抱きかかえ彼女の部屋に向かって歩き出した。

「ねぇ?伊織ってお母さんとお父さん、いないの?」

二人とも喋らず沈黙を守り続けると思いきや雪華が好奇心を抑えられず子供のような表情で瞳を輝かせ訪ねて来た。

「両親、か・・・・」

歩きながら呟く。

彼は気がついたら軍の施設にいた。

産み落とした母親の姿など見たことなど無い。

敵を倒す為に徹底的に訓練された。

今じゃ一級線の工作員としても活躍が出来る。

 

 

「ちょっと!!聞いてるの?」

「あっ!!ゴメン」

ぼうっとし、答えない伊織に雪華が頬を膨らませて詰問する。

何で謝るのよぉ、と笑う。

「雪華は?」

「うん、いるよ。会いたいなぁ」

「会ってないのか?」

伊織の問いにうん、と無言で頷く雪華。

「かれこれ、六年も会ってないの。今度の任務が終われば休暇が貰えるから・・・・そしたら」

遠い目をしながらも楽しそうに大好きな両親の姿を思い出しフフッと笑う。

AFパイロットでは無く年相応の年齢の娘が見せる柔らかい笑顔だった。

本当に両親を愛していると見ただけで分かる。

「そしたら?」

伊織の問いに待ってました、とばかりにまた可愛らしい微笑を浮かべ、

「伊織を父さん、母さんに紹介するの!!」

まるで子供のようにはしゃぐ雪華。

伊織はただ、苦笑を浮かべるしか出来なかった。

 

「さぁ、着いたぞ」

「わーい!ありがとう!!」

部屋の中に入りベッドの上に寝かせ布団を掛けてあげた。

 

 

――――――――――――――――

 

 

「理由はわからなかった。ただ、コイツには無事でいて欲しい、生きていて欲しい・・・・そう思った」

「・・・・・・・・・・・・・・・」

苦笑を浮かべながら語る伊織。

彼の話を黙って聞き夜空を眺めるちとせ。

黄金色に輝く満月が頭上から光を送り二人を照らし出しているようにも見える。

「だが・・・・・戦闘は激化の一途を辿るばかりだった」

悲しみが含まれ伊織は続けた。

 

―――――――――――――――――――――

 

 

「雪華ーーッ!!」

雪華機を囲む無人人型兵器を装備の単分子カッターで一挙に二機、切り裂いた。

反撃とばかりに敵の砲撃が<マーク・ヌル>の左腕を吹き飛ばす。

「ぐぁぁぁぁぁぁぁっ!!」

余りの激痛に叫び声が上がる。

骨ごとねじ切られ全身にまで痛みがまわり視界がボンヤリする。

雪華機に波状攻撃を繰り出そうとフォーメーションを取る敵部隊。

「やらせるかよぉぉぉぉぉ!!!」

伊織の暴力衝動に素直に従い<マーク・ヌル>は得意の超接近戦を周囲の敵機に仕掛ける。

胸部を切り裂き、腹部に刺しこみ、縦横無尽の大胆な攻撃だった。

相手を破壊する欲求に支配され左腕の感覚など既に無かった。

最後の一機に伊織が大きく振りかぶり頭部から突き刺す。

いや、押し潰すの方が正しい。

大きく金属と金属がぶつかり、拉げる鈍い音が伊織の鼓膜を襲う。

 

その時、悲劇は起きた。

残っていた敵の攻撃が真っ直ぐ飛来した。

それも、雪華機に。

「あっ!!」

避けられたはずだった。

だが、ワンテンポ遅れ攻撃はコックピットを貫いてしまったのだ。

爆発はせず溺れ死んだ人間のようにその場に浮く。

 

 

「お前ぇぇぇぇぇぇぇぇッ!!

 

 

凄まじい怒りに支配され伊織はその敵機の腹部にカッターを刺しこみ大きく捻る。

爆散する敵機。

 

 

 

 

爆風から避けた格納庫に到着したものの今の<マーク・ヌル>は酷い状態だった。

オイルが黒い血の様に止め処なく流れている。

コックピットから出た伊織は痛みを押さえ込み急いで雪華機のカタパルトへと向かい駆け出した。

コックピットはこじ開けられ血生臭く、吐き気を催す悪臭が立ち込めている。

既に雪華は医務室に搬送されたらしい。

重い足を引きずり骨が軋む様な痛みを出す左腕を右手で持ちながら、医務室に向かう。

彼の目には涙が浮かんでいた。

「雪華!!」

真っ白で統一された医務室で雪華は生命維持装置に身をがんじがらめにされた状態だった。

「雪・・・・華」

その光景に擦れ声しか出す事が出来なかった。

怯え切った自分に激しい自己嫌悪を感じる。

 

「い・・・・おり?」

力無く目を開けて呟くように発せられたその言葉。

既に命の灯火が消えかけている様子だった。

「雪華!!」

「伊織・・・・ありが・・・・とう。心配・・・・してくれて」

安心させない為に笑顔を浮かべるもその笑顔は普段のような無邪気で光り輝くものでは無く作り笑いだと鈍感な彼にもすぐに分かった。

「もう・・・・無理みたい」

「馬鹿野郎!!弱気になるなよ!!・・・・両親に会うんだろ!!」

力無く笑う雪華。

既に自分の命が長くもたないことを知っているようだ。

 

「いお・・・り・・・・聞いて・・・・ほしい・・ことがある・・・・・の」

「な・・・・なんだ?」

ぼろぼろと涙を零し震えながら聞いた。

こんな経験は初めてだった。

戦場では多くの兵士が死んでいく。

目の前で見ても自分が気にすることじゃなかった。

ずっとそう思ってきた彼は初めて人の死の悲しさを知ったのだ。

大切な・・・・大好きな人の死を・・・・・

 

皮肉にも人の感情を理解し温もりを知った直後に知ってしまった。

今目の前にいる温もりは徐々に冷たくなっていく。

「好きだよ・・・・・・い・・・・おりの・・・・こと」

言い終えると激しく咳き込む雪華。

見ていて目を覆いたくなるような痛々しい光景だった。

「これ以上喋る―――――」

「言いたいの!!」

大きく声を荒げ伊織の静止をかき消す。

息遣いがゆっくりと安らかなテンポを奏でた。

 

「伊織は・・・・どう?・・・・私のこと・・・・好き?」

「うっ・・・・うぅっ!あぁ・・・・・好きだ・・・・!!」

 

 

――――――――――――――――

 

 

「嘘じゃなかった。いつの間にか俺は彼女に好意を寄せていたんだ」

目に涙を浮かべる伊織をちとせも悲しそうな表情で見つめる。

見つめるしか出来なかった。

 

 

 

かける言葉が・・・・・・無かった

 

 

 

 

――――――――――――――

「あぁ・・・・嬉し・・・い。あり・・・・と・・・う」

 

 

 

ピーーーーーーーッ

 

 

「雪華・・・・・?・・・・死んだのか?・・・・・・雪華・・・・・・!!」

彼女は安らかに瞳を閉じ笑顔で寝ているように静かに息を引き取った。

遂に彼にとって大切な温もりはいなくなってしまった。

 

 

「うぁーーーーーーーっ!!」

 

 

大粒の涙が伊織の瞳からぼろぼろと零れ落ちる。

子供のように声をあげて泣き叫び、雪華にすがりつきながら伊織は泣き続けた。

 

生命維持装置の無機性な合成音だけがいつまでも医務室に響いていた。

 

 

――――――――――――――――――

 

「結局・・・・俺は大事な人を・・・・失った」

悲しげに笑う伊織の瞳から輝く雫が零れ落ちた。

 

 

月明かりに照らされた雫は・・・・・・・・美しかった。

 

 

 

 

 

第四章   完    続く

 

 

 

 

 

 

 

 

後書き

 

はい!どうもイレギュラーです。

伊織の悲しい過去がようやく判明しました。

最愛の者の死。

果てしなく続く戦いの中で芽生えた、小さく、そして淡い恋心。

それは、戦火の楯となった人間の中で生まれ、そして皮肉にも戦火にかき消されてしまった。

さて?

何故、雪華が動けなかったのか?既に答えは今までのお話で出ています。

次章をお楽しみに・・・・古畑・・・・じゃなくて、イレギュラーでした。

 

 

 

                設定

 

一条 雪華

 

性別:17歳   身長:153cm

伊織の同期。

極めて優秀なパイロットでその操縦技術は伊織でもかなわず、部隊の中で最強の称号の持ち主。

両親が好きで本当は争い事が嫌いな少女。

伊織に好意を寄せ積極的にアタックを掛ける快活な性格の持ち主。

機体のトラブルによりコックピットに攻撃を受けてしまい重傷を負ってしまう。

大好きな両親に再会することも無く、伊織に自らの想いを告げて静かに息を引き取る。