機体設定資料弐之章

 

 

 

 

『時粒子制御動力機関内蔵型高機動戦機』

 

VAF−Alsvidr「リヒトクーゲル」

 

開発コード:『DZX』    識別モデル:アルスヴィド

 

全高:45.6M       重量:90t

 

正式適合者:天都伊織(聖光騎士団第七団団長)

 

<機体解説>

帝政圏現行最強のAF。

 

背中に六枚のウイングバインダーを備え機動力を強化した機体で全AF中、最高の機動能力を持ち、特徴は<マーク・ヌル>に内蔵されていた強化合金骨格を更に改良し、「Variable Frame」と呼ばれる超高硬度の可変式フレームに換装し戦闘機形態に変形することも可能になった。

武装面でも火力の向上が図られ単体で戦闘母艦と互角の戦闘を展開する事が出来る。

しかし、ガーリアンは更にスペックの向上を目指した。

時粒子を制御する装置を動力機関に内蔵したのである。

結果、この事により<リヒトクーゲル>は機体のシステムを解放することによって、空間を支配する絶対的時流から強制的に解き放たれ、高速すら超えた速度で活動が可能になった。(※1)

モデルの名前である「アルスヴィド」とは北欧神話で「焼き尽くす者」という意味。

その名に恥じず、その名の通り復讐に燃える伊織の憎しみの感情がそのまま具現化した機体とも言えるのではないだろうか?

そして、伊織すら焼き尽くすと言うもう一つの意味も秘めている。

なお、高スペックの分、搭乗である伊織にかかる負担も従来のAFの数倍も跳ね上がっており、活動限界時間は3000秒(※2)

機体の塗色は漆黒をベースにしたブルーグリーン。

 

<機動戦闘時武装>:速射砲

          光学反応弾

          ウィングブレード

<汎用戦闘時武装>:投擲用レーザーダガー

          マルチランチャー(ビームバルカン、ビームソード、拡散レーザー砲)

 

≪必殺≫:『V・Fアタック』

 

<武装面解説(機動戦闘時武装)>

≪速射砲≫:速射砲は簡単に言うならばGA−002『カンフーファイター』に装備されている機銃と同じ類の武器だ。

こちらは、機動戦闘時は『敵を迅速に撃破するという』というのが機動戦闘形態開発当初のコンセプトのため特殊装甲並び複合重装甲を簡単に貫く高硬度の弾丸が使用されている。

 

≪光学反応弾≫: “ガーリアン”の旧世代文明があったとされている遺跡で発見され実用化された。

 

≪ウィングブレード≫:機動戦闘時に両翼、背部に展開されるウイングにフィールドの刃を発生させ斬り付ける斬撃兵器。

特殊装甲、複合装甲、防御用バリアすらも寸断する威力を秘める。

 

 

 

<武装面解説(汎用戦闘時武装)>

≪マルチランチャー≫:全距離対応の万能兵装。

通常はビームバルカンや拡散レーザー砲、レーザー砲といった射撃武器だが銃口に<リヒトクーゲル>からエネルギー供給することにより

高出力の収束レーザーソードを発生させ、接近戦にも使用できる。

 

≪投擲用レーザーダガー≫:ホーミングレーザー発振機が取り払われ新たにレーザーダガーの生成装置が<リヒトクーゲル>の左掌に内蔵された。

主に牽制として使用されるが使い勝手が良く拡散するので対高速戦闘機戦に向く。

 

≪必殺≫:『V・Fアタック』は防護用のフィールドを機体前方に発生させ敵に特攻する荒業で強化型浮遊防塁を突き破るほどの破壊力を秘める。

突撃時に周囲の敵に衝撃波を叩き込むなど攻撃範囲も広く改良されている。

 

<動力機関解説>

時間は空間と共に物質世界を構築する。

空間の上に時間が存在し、空間を支配するのも自動的に時間と言う事になる。

これにより、ある科学者は時粒子を自在に制御できる機関を開発。

即座にこの機関は<リヒトクーゲル>に積み込まれた。

この<時粒子制御機関>はその名のとおり時粒子を制御、調整することによって空間を絶対的に支配する時間の楔から解き放たれる。

つまり、時の流れの原則を突き破り、物理法則が届かぬ領域に踏み入れ、高速を超えた戦闘が可能になるのだ。

高速を遥かに上回る戦闘を繰り広げている最中、対応のシステムを積んでいない周囲のものの目では「高速を超えた戦闘」はほんの一瞬の出来事になり、一方「高速を超えた戦闘」を展開する者からは周囲の物質の時が止まったように見えてしまうのである。

 

 

 

※1:一回の戦闘にシステム解放は二回。それ以上の使用は機体に負担がかかる。

※2:機体ではなく搭乗者の伊織の身体的問題を考慮した上での活動限界時間