今日もいい天気。
太陽がまぶしい。
空がキラキラ光っている。
そして―――――――――。
誰かが飛んでるようにも見えたのは、僕だけかもしれない。

僕の『テンシ』  作:高瀬 未沙

「えー?美紗さん、今日いないのー?」
下校途中。小星が湖太郎に話し掛けた。
「うん。なんだか、昨日からいないみたいで・・・」
「どーしたんだろーなー。美紗さん」
天も心配するなか、湖太郎だけはなぜか心配にはなれなかった。
どうせすぐ帰って来るだろう。笑いながら帰ってくるだろう。
そんな無神経な気持ちでもない。
じゃあ、なんだ・・・?この安心感・・・。
「そーいえば、ずっと前もこんなことなかったっけ?」
「あー、あったねー。3日くらいしたら帰ってきたこと」
・・・そんな事もあったな・・・。
確か・・・『テンシ』のなる試験って言ってたっけ・・・。
なんだ?『テンシ』の試験って。そんな職業聞いた事もない。
「んじゃ、前と一緒なんじゃない?すぐ戻ってくるって」
「そーだなー。な、湖太郎」
「あ・・・。うん」
そうかもしれない。
前と一緒で・・・。すぐに戻ってくる。
今考えれば、そんな無神経でも通じるような気がした。
そう考えると、安心できる。

「ただいまー・・・」
と言っても、誰も返事をしない。
いつものことだけど・・・。
誰もいない部屋。
一人でいればかなり広いけど、でも・・・・。
いつも美紗さんも一緒に勝手に部屋に入って、一人ではしゃいで・・・。
美紗さんが来て、最初は正直、うっとうしい人と思っただけだった。
でも、美紗さんが来てから、孤独感なんて一度も感じたこともなかった。
「・・・あ?」
自然と涙が出てきた。
どうして?
なんで、美紗さんがいないだけで・・・?
寂しい?苦しい?そんなんじゃない・・・。
温かい涙だった。
拭いても拭いても、どんどん溢れてくる。
「美・・・紗さ・・・ん」
『湖太郎くん』
―――――――!
声がした。
湖太郎のは、自然に足がベランダへと運ばされる。
「・・・・・・」
空を見た。無限大に広がる空。
「え・・・?」
一瞬、あの人が見えたような気がした。

―3日後―
「てひひー!湖太郎くーん!」
「うわっ!み、美紗さん!?」
美紗は、湖太郎に抱きつく。
「逢いたかったっス!逢いたかったっス!」
「わ、分かりましたから離して下さい!!!」
「てひひー。ごめんっス」
美紗は湖太郎から離れた。
湖太郎は、自然と笑顔になった。
なんだか落ち着く・・・。

僕は分かった。
なぜ、あの時、安心感が生まれたのか。
それは―――――。

美紗さんはいつも側にいるから。
『テンシ』として――――。

FIN.



〜管理人感想〜

美紗のいない日。
空虚な湖太郎の気持ちが良く伝わってくる小説です。
湖太郎のモノローグが入る、一人称に近い形式もそれを引き立てる重要な役割を果たしているんでしょうね。