―― 後書き ――



普段は、後書きというものはあまり書かない方なのですが。
いちおう最後の歌は解説しといた方がいいかな、と思って今回は書くことにしました。
間違ってる可能性、大いにありなので(死)。


『 士の征ける 道に咲きたる夜桜を 照らす月にぞ我やなりたし 』




「士」=サムライ。つまりレスターのこと。

「征(ゆ)く」=戦に赴くこと。ここでは『戦い続ける』というニュアンス。



「道に咲きたる夜桜」

まず、桜は武士道の象徴です。
これを踏まえて、「桜の咲いている道」とはすなわち「武士道」を意味します。
そして夜桜。つまり夜。レスターが盲目であることを、夜の闇に例えているのです。


「照らす月」

月の光は夜道を照らします。月明かりさえあれば、人間は夜闇の中でも迷わずに、何とか歩いて行けます。
また、夜道を歩く機会があったら空を見上げて下さい。月はどこまでもついて来ます。
数万キロの彼方にあっても、変わらず道を照らし続けてくれます。



「我やなりたし」

そんな月に、私はなりたい、と歌っているわけです。
助動詞の活用をめぐって、1時間以上苦しめられた忌まわしい個所です(爆)。
そして結局、これで正しいのか分かりません(核爆)。
なお、物語の中でちとせがエンジェル隊の皆に説明している通り、この歌は場面的には

「夜道を歩く侍が夜桜を見て、それを照らす光をたどって初めて、頭上に月が輝いている事に気付く」

という設定になっています。
サムライは、月の存在に気付くんですよ(強調)。

だいたいこんな感じだということを理解してもらえれば、物語の結びで書いたような訳になるわけです。
お分かり頂けましたでしょうか?
お願いです、分かって下さい(泣)。



……さて。
せっかくですし、少しだけ本編について語ってみます。
本当のことを言いますと、こんな結末を迎えるとは、逆井も予想していませんでした。
第13章でちとせがレスターに告白しますが、逆井の考えでは、ここでレスターは断るはずだったんです。
真のサムライならば、女の愛など受けるはずが無いと。
頭の中には、女になびかず、ひたすら剣の道に生きた宮本武蔵のイメージがありました。

しかしです。
では、ここで断ったとしたら、ちとせはどうなるのでしょう? タクトは、エンジェル隊の皆はどうなるのでしょう?
後に残るのはレスター自身の自己満足だけで、みんな心に一生ものの悔恨を抱くことになってしまいます。
それがサムライのする事でしょうか?
この物語は大団円のハッピーエンドで終わります。
「甘い」とおっしゃる方もいるでしょう。「現実はこんなにうまく行かない」とも、「ご都合主義だ」とおっしゃる方も
いるでしょう。
それで逆井は構いません。

『リアリティ上等、ご都合主義バンザイ。夢が無くて何のフィクションだ』

SSを書く上で、これこそが逆井の信条です。
これを読んでくれている読者様に、少しでもご理解いただけたなら逆井は果報者です。


では最後にCMを。
掲示板でも触れましたが、この月神楽は、逆井のもう1つの投稿小説「GA男塾」と双子のSSです。
月神楽で抑圧されたギャグ衝動をGA男塾で、GA男塾で抑圧されたシリアス衝動を月神楽で発散させながら、これまで
やってきました。
月神楽は完結しましたが、GA男塾の方はまだまだ続きます。
暗い影などみじんもありませんが、こちらも確かに同じレスターであり、タクトであり、エンジェル隊です。
彼らのバカでやかましいドタバタ劇を、「ああ、今日もバカやってるなぁ」と微笑ましく見守って行っていただけたら
幸いです。


そんなわけで。
最後までおつきあい頂き、ありがとうございました&お疲れ様でした。
またお会いしましょう。




2004/8/4  逆井和成
















〜管理人コメント〜

私ごときがこの作品に対する批評をしても良いのか、かなり不安になっていますが…。
…あ、どうも。自己紹介が遅れました。
当サイト「Angel Wing」管理人の佐野清流です。

和風純愛小説「月神楽」の投稿に関する話は、掲示板の書き込みよりも少しだけ早く私に伝わっていました。
その時には、「和風純愛小説」「レスター&ちとせ」「シリアス」としか聞いていなかったのですけど……このようなお話だとは思いもしませんでした(もちろん良い意味で、です)。
逆井さんのご都合により数話ごとに分けて投稿されたのですが…まず8月4日深夜の時点で送られてきていた第9節辺りまでを一度に読んで……。


その時点での率直な感想は――「痛かったです」。


レスターさん、あなたの考えについては愚鈍な私でも理解していたのですが…かなり心が痛いです。
あなたの行動が、そしてちとせの心情が。
うおお、逆井さん…早く第10節以降を送ってくれ〜…という感じで読んでいました。

全部読んでみてから分かったのですが、第10節以降から少しずつレスターに対する誤解が解け始めるんですよね。
つまり最初、私はレスターが仲間達から疎外されていくという一番辛い部分までしか見ていなかったという事です。
…ふ、謀りましたね逆井さん(笑)。





さて…ではそろそろ私自身も書く事を非常に畏れている(“おそれる”の漢字はイメージ的にこれで合っています)月神楽の感想に入りたいと思います。

まず、全体的に思ったこと� �
逆井さんはもともとの作品にオリジナル設定を加えるのが上手ですよね…。
私なんて原作の世界観を壊さないように力を入れているせいで、オリジナル設定(特に既存のキャラに関する追加設定)なんて恐ろしくて入れられないんですよ。
その点、逆井さんの月神楽はオリジナル設定を加えながらも世界観は全く乱れていない――素晴らしいです。


全体的に思ったこと�◆�
シリアスって、ここまでテンションを落とす所は落とさなければならないのでせうか?
この話を読んでから私のシリアスを読むと、私のシリアスはシリアス度が随分弱いような気がします。
私の「シリアス」に対する考え方にちょっと疑問を持ち始めている今日この頃です。


全体的に思ったこと��。
「痛いです」。
さっきも書きましたがあえて書かせていただきます。

「痛いです」。

そして、痛いけれど読後感の良い話でした。








う〜ん、結局最後まで感想を書く事を避けていたようなコメントですね…。
…だって怖いし。
太宰や漱石に「お前の文章変だぞ」と言うようなものですよ(笑)。





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