ギャラクシーエンジェルBeloved lovers

 

 

【暗雲低迷?不穏な世界】

 

 

「すみませ〜ん、在庫が底を突きました〜」

コンビニ店員の非情なセリフ

 

「う〜ん、食材が無くってね、またきておくれよ、悪いね」

食堂調理主任の言葉はクルーを絶望の淵に追いやる。 

 

一部のクルーが倉庫に侵入したが、コンテナの大半が空、この報告は全員の士気の低下

にも貢献してしまい、廊下を空腹でゾンビ化した(さすがに比喩)集団が歩き、ハラへ

った〜と、いいながら歩く様は、一昔前のゾンビゲームを彷彿させ

「って、無理矢理シリアス展開を続けようとするなぁっ!!」

最近めっきりツッコミ担当のランファが大声で・・・

「誰がツッコミ担当よ!」

「ランファ、お前ついに空中に幻覚が・・・・」

「フォルテさん違いますって・・・・」

 

 

食糧不足、命からがら逃げ出したエルシオールは物資の積み込みも途中だった上、本来乗

り込むわけでもない月の巫女もいるため、食料消費は約二倍となった、しかも食料自体、

大して積み込まれておらず、物資の大半は艦の修理に使われる装甲版や戦闘用の弾薬だった。

 

「クロノ・ドライブを終えたら、近くの港で補給しよう」グ〜〜

 

と、間抜けな腹の虫と共にタクトが宣言しても、誰もそれをとがめる者はいなかった。

 

 

 

「エルシオール大気圏内に突入、降下始めました、ポイントIYA―5963、皇国軍メナーウ惑星駐留基地」

「連中、まさか皇国軍の基地で補給をするつもりか・・・・」

細いメガネを掛け、やせた中年がそう言った、頭には海軍指揮官の帽子が乗っている。

元々健康そうには見えないのだが、スクリーンの青白い光を受けて余計不健康に見える。

スクリーンには大気圏内に降下を始めるエルシオールが映っていた。

「あらあら、まあまあ、危機感欠如ですかね?」

男の隣に立つのはリボンとフリフリドレスを身につけた若い女だった、普通なら目をそらした

くなる少女趣味だが、不思議と似合っていた。

「〈スキーズ・ブラウニル〉との回線を開け」

「了解(アイ・サー)」

メインモニターに一人の女の顔が映った、金髪の無表情な女だ。

「キミット大佐、エルシオールを指揮しているのは皇国の英雄ではなく危機感のない無能なのかね?」

と、メガネの男が言うと

「ストーム艦長、彼らはこの事態に対しての正確な情報を得ていません、致し方ないかと」

「白き月を取り囲んだ艦隊が軍の物だと言うことは分かっているだろう・・・、それにあの基地は既

に連中の手が伸びている」

「ストーム艦長、本艦はこれより大気圏に突入し、エルシオールを追尾します、〈ギャロップ〉は

そのまま衛星軌道上で待機をお願いします」

女が言うと、男は

「ああ、現場指揮は君に一任されている、好きにやりたまえ、キミット大佐」

「はっ」

男の無愛想な――もともと何もかも不満があるような顔だが――態度にもやはり表情は動かない。

通信がとぎれたあと、男――アルベルト・ウォン・ストーム少将は帽子を目深(まぶか)にかぶり、イスに

腰を下ろした。

「エルシオールはどのように対処するのか、英雄の腕を拝見させてもらおう」

ストームはモニターを見上げてそう言った。

 

「〈スキーズ・ブラウニル〉はこれより大気圏内に突入する、各担当士官は持ち場に着け」

「了解(アイ・メム)」

「了解(アイ・メム)」

「了解(アイ・メム)」

代理の任務を金髪の女―――セレス・キミット大佐―――が引き継いだため、艦の指揮は彼女が執る、

それぞれの部署からの報告を聞いたあとに彼女は

「神楽坂少将はどこに?」

と、聞いた。

神楽坂蒼乃、例の黒髪の美女のことだがスキーズ・ブラウニル副長であり、特別な事情がない限りは

艦の指揮は執らない、だが、戦闘中、作戦行動中は基本的にブリッジにいるものなのだ。

「少将でしたら、格納庫に行かれましたが、空中戦用フレームの確認に行くとか・・・」

 と、先任下士官の一人が言うと、セレスはその下士官をにらみつけ

「少将はパイロットでも整備中隊でもないだろう、今すぐ連れ戻せ」

「無理ですよ、あの人を捕まえられる人なんてほんの一握りです」

「ふむ、まあ良いのではないかね? キミット君」

と、そこで今まで脇の隻で黙っていた男が声を上げた、灰色の髪をオールバックにし、鋭くはねた前

髪が特徴的だ。

彼はメガネのフレームを指で押し上げ

「彼女自身が何かをすることはない、大目に見ても良いのではないかね?」

するとそこに更にもう一人

「たしかに、私にもこの件は○(まる)と出ているが」

栗色の髪をした美人(スキーズはかっこいいヤツとか美人が多いなぁ)が言うと、セレスは諦めたかの

ようにして正面に向き直り

「もういい、突入を開始する」

「了解(アイ・メム)」

なんだかんだ言って、エルシオールもスキーズ・ブラウニルも、大した違いがないのでは?

 

 

 

と、そのころエルシオールと言えば、皇国軍の基地のドックにはいるため、基地の管制で誘導されて

いる途中だった。

「ああ、これでやっと白いご飯が食べられる」

涙を流しながら言うタクトにレスターは呆れつつ。

「喜ぶ気持ちは分からんでも無いが・・・そのセリフはいつの時代の人間だ?」

「いいのいいの、おいしいご飯が食べられれば。ん?」

などと冗談交じりのせりふを言っているタクトの目に、基地にある別のハッチが複数開いていくのが

見えた。

「盛大に歓迎でもするつもりかな?」

「そんな訳あるか・・・出撃か? この星系では珍しい・・・」

タクトとレスターが開いたハッチ、そしてそこから出てくる戦艦やMHを見ていると、

「!! 基地より発進した戦艦、及びMHからロックされています!」

「なに!?」

アルモの突然の報告に、タクトは目を見張る。

油断しきっていたこの瞬間にいきなり攻撃が来れば当たり前だ。

「基地からの誘導を無視して回避運動!! 右舷にシールドのエネルギーを回せ!」

敵が現れているのは右舷側、そちらから、ミサイルやレーザー、レールガンと武装の全てがエルシオール

に牙をむける。

「何でこんなところで! 基地のすぐ近くだぞ!」

攻撃によって発生した衝撃で、艦長席からずり落ちそうになりつつ、タクトが言うと、

「それより、何で俺たちが攻撃されにゃならん・・、間違ってこの艦(エルシオール)の武装でもロックオンさせたか?」

レスターのぼやきに、オペレーター全員から。

「そんな訳ありません!」

「私達を疑うんですか!?」

「人でなし!」

「そこまで言うな!」(レスター)

「アルモもあんな男に惚れちゃあ・・・」

「わー!わー!」

「実は他のことが原因なのかも?」

「司令がこの基地の女性隊員のお風呂を覗いたとか」

「してないよ!ここでは・・・」(タクト)

「いつやった、どこでやった! 女好きはいつ治る!?」(レスター)

「いや、だいぶ前の話で、しかも学生時代の修学旅こ・・・」(タクト)

「変態!」

「色情狂!」

「人間以下!」

「辞表出せ!」

「たんぼを帰せ!」

「んだんだ!!」

ブリッジ要員(男性も含む)の集中砲火を浴びたタクトは、

「何か関係ない叫びも混ざっていたようだけど・・・、それより敵を何とかする方が最優先かと・・・」

『司令がまじめな意見を言ってる!?』

「驚くところか!!」

もしも敵がこの会話を聞いていたら、あまりにあほらしくて攻撃を止めていたかもしれない。しかし、

無論会話を聞いているわけもなく、なおかつ、相手は文字通りに聞く耳を持っていなかった。

 

 

 

メナーウ駐留基地地下通路

ズ・・・ウゥン・・・・

上の方から遠い爆音が聞こえる

「うーん、始まったね?」

メナーウ駐留基地の副司令官、マーシー・ウキタケはのんびりとして声を上げながらも、早足で廊下を

歩いていた。脇には皇国軍の制服を着た男が二人付き添っている、しかしその色はほとんど黒などの色

で構成されていた。

「あの連中は?」

「十分ほどで到着するそうです」

「はやいねぇ、まあ、スピードもあの機体の取り柄の一つだけど・・・」

と、そこで一つの扉の前で立ち止まり

シュン

扉が開く

「はーい、みなさん、十分以内に撤収しまーす」

 

 

 

メナーウ駐留基地司令室

「何が起こっている! だれだ、あの艦とMHを動かしているのは!? MHは最近やっと少ない予算

をこつこつ貯めてなんとか12機配備できた・・・、MHは高いのだぞぉぉ!! MHは量産型でも10億

(日本円)は下らない・・・」

「司令! 錯乱して空中に話しかけないで下さい!」

「やかましぃぃぃぃ!!」

「(あんたがだよ!!)」

と言うわけで、敵(エルシオールから見て)が出てきたメナーウ基地も大混乱になっていた。会話からも

分かるとおり、エルシオールへの攻撃は、この基地が意図して行ったことではない。

「司令! 艦隊、及びMHから生体反応感知できず!」

「馬鹿な! エオニアの無人艦隊でもあるまいし、そんなはずが・・・」

「システムの自己診断プログラムにも異常在りません、全ての艦、MHに人間は乗っていません!!」

メナーウ基地の司令官が叫び、オペレーターも叫び、対処するため副司令官もかけずり回り、もう一人の

副司令官は・・・副司令官は・・・

「ウキタケはどうした!? この非常時にどこに・・・」

「ウキタケ副指令でしたら、今こちらに向かっています、艦のプログラムに問題があったのではと言うこと

で、無事な艦のプログラムの確認を・・・・」

「とっとと終わらせてこっちに戻らせろ!! この馬鹿者がぁ!!」

頭の血管きれるぞあんた、とか言いたくなるほど叫ぶと、司令官はドカッとイスに腰を下ろした。

「そうだ。エルシオールはどうした、暴走した艦から攻撃を受けていたはず・・・」

どうやらこの司令官は艦が暴走して動いているのだという結論に達したらしい。

「は・・・、その・・・」

「報告は明瞭にしろ!」

「いえ、司令の心臓と血圧に悪いかと思いまして」

「下らんこと言ってないで! とっとと報告せんか!」

「は・・はっ、でしたら・・・精神安定剤を飲んでから・・・」

「クビにするぞ貴様ぁぁぁ!!!」

この司令官が何かを叫ぶたびに鼓膜がビリビリとふるえてくる。

「はっ、ではご報告します。 エルシオール、及び、搭載されている紋章機は、艦隊、MHを撃破しつつ

この基地の裏側に回りこみ、回避運動を取っています。

既にスパード級三隻、バーメル級四隻、ザーフ級三隻、ジゼル級二隻撃沈、MH〈キシル〉タイプが五機撃破、

三機が中破って、司令! 

青筋が赤く(・・・・・)なってます! 誰か安定剤のませろ!!」

とてつもない予算をつぎ込んだ兵器があっさり吹き飛ばされたので、さすがに司令官もオーバーヒート、

これでもし、原因不明のままこの事件が終わっていたなら、この司令官は責任を負わされてクビ、ないしは

左遷だっただろう。しかし、幸か不幸かこの一件は、そうはならなかった。

 

シュン

 

音を立てて司令室のドアが開く、入ってきたのは先ほど話題に上った、マーシー・ウキタケ副指令。

「だぁぁ!! ウキタケ! 貴様この非常時に何・・・を・・・?」

安定剤を飲んだばかりにもかかわらず、再び怒鳴り始めた司令官は、部屋に入ってきた男、ウキタケを見て、

その言葉を止めた・・・

 

 

 

メナーウ基地周辺

エンジェル隊の五人は紋章機に乗り込み敵と交戦中だった、エルシオールでも全て無人と確認され、全機撃墜

する構えなのだが。

「戦艦はともかく、MHはちょこまか動き回って!!」

と、ランファが毒づきながら機体中央のバルカン砲を連射する(設定資料集だと中型ミサイルと言われてるけど、

ゲームじゃそう見えないよねぇ?)が、MHは機体をひねり、装備しているMH用連装ライフルを撃ち込んでく

る、カンフーファイターは持ち前の機動性で全て回避していくが、お互いに攻撃が命中しないのでは話にならない。

「ランファ! うしろ!」

「え? きゃぁ!」

エンジェル隊の誰かの声に反応してとっさに振り向いたランファだったが、機体はまともな回避が出来ずに、

もう一機から放たれたライフルに後から撃たれる。

 ラッキースターとハーベスターには、それぞれエネルギーシールドが搭載されているが、他の機体にも一応

のシールドは搭載されている、ただ、防御力が比べものにならないほど低い。

 ライフル弾はシールドを突き破り、カンフーファイター本体に突き刺さる、高速戦闘を基本とした機体のた

め、装甲は薄く、みるみるうちに機体強度のゲージが減っていく。

 

エルシオールのブリッジ

「ランファ! くそっ、ハーベスターはカンフーファイターの修理を、ラッキースターは援護、トリックマス

ターとハッピートリガーはエルシオール進路上の敵を排除!」

『了解!』

タクトが指示を下し、エンジェル隊の声が帰ってくるが、ランファの声が聞こえない。

「ランファ? どうした!」

「司令! カンフーファイターと搭乗者(パイロット)のリンク率急速に低下! 意識を失いかけています、このままでは墜落

の危険が!」

「どうすればいい、どうすれば・・・・」

「落ち着け、タクト」

と、タクトに言うレスター本人の顔にも焦りが伺えた。

「基地の近くの戦闘じゃ、行動範囲が限定される・・・」

そう、敵となるMHがいくら動き回ろうと、フライヤーあたりで殲滅することは出来る、しかし、場所がメナー

ウ基地のすぐ近くで、流れ弾を基地に当てないように注意し無くてはならない。しかも市街地もすぐ近く、今紋

章機やエルシオールから市街地を見れば、黒い波のような人影が動いていくのが見えるだろう。

「せめて住民の避難が完了すれば・・・」

乗組員の全ての願いは、もうしばらく聞き入れられそうになかった。

 

 

 

レナード&ちとせ邸(借家)(及びフェイツイ、シリアも)

「予想より早かったな・・・」

窓からメナーウ基地を眺め、そしてエルシオールと紋章機を見上げる。少し視線を下げれば、家の荷物が積み終

わったトラックが見えた。と言っても、家具の大半はこの家に始めから備え付けてあり、エルシオールで使って

いた物の大半は艦の部屋に置きっぱなしなので荷物は大した量ではない。

「さて、ここもそろそろ流れ弾が飛んできそうだ、急いで避難しよう」

と言って、後ろに立つシリアを見る。

「そうだな、エルシオールと合流するのか?」

「もちろん」

と、そこでいつもの微笑が現れ

「彼女、ちとせを連れたままスキーズに合流するわけにはいかないだろう。変更内容は既に伝えてある」

「なら、良いのだが・・・レナード、ちとせの問題は早めに終わらせるべきだ、彼女の心のためにも」

「分かっている」

そこで彼は、最近よく見せる、悲しい表情を見せて・・・・

 

 

 

エルシオールのブリッジ

「タクト! 何があった!?」

ブリッジのドアからルフトが飛び込んでくる

「ルフト先生、それが状況がよく分からなくて・・・カンフーファイターもやられて、出来ればこの宙域から離脱を」

「むぅ、シヴァ陛下とノアは奥の部屋に避難させておいたが、やはりカンフーファイターを収容したら離脱を・・・」

タクトとルフトが戦況をにらみはなしているところに

「新たに後方から戦艦クラス3!巡洋艦、及び駆逐艦それぞれ4! MH7機!」

「そう簡単に逃がしてはくれないか」

タクトのこめかみを汗が流れた

 

 

 

借家の前

「レナードさん! 早く!」

トラックの前で二人を待っていたちとせは、レナードとシリアの姿を目にして叫んだ。

「市街地にも被害が出てきたようで、私達はどうします?」

「エルシオールと合流します」

「え?」

間をおかずして答えた言葉に、予想の内にあったとはいえちとせは驚きを隠せなかった。

「ですが・・・」

「ここからも見えるとおり、エルシオールも紋章機も全力を出せません、流れ弾に注意し、撃墜する場所も考え

なければ被害が出ますからね」

宇宙空間ならまだ簡単だろう(爆発したあとの破片が全方位に散らばるがGAでは無視する方向らしい)、しかし

重力のある地上では、倒して敵機が落ちた場所は大惨事になる、市街地などもってのほか、エネルギーのライン

も避けて、せめて駐車場とか広場とか、とにかく開けた場所の上で撃墜する必要があるのだ。

「だいぶピンチのようですが、せめて我々が加われば、戦況も好転するでしょう」

「そうですね、わかりました」

レナードの意見はもっとも、ちとせはある一点を覗いて疑問を持たなかった、その一点は

「(空を飛んでいるエルシオールにどうやって合流するのでしょう?)」

ということ。

レナードはエルシオールと、そしてメナーウ基地に視線を向け

「(さて、遺志を継ぐ者達はどう出るか、それによって我々の動きもかわる)」

「それにしても、なぜエルシオールと皇国の艦が戦闘を・・・」

トラックの助手席に乗り込みながら、ちとせはレナードに聞いてきた、ちなみにレナードは運転席、残り二人は荷

台に乗り込んだ。

「どうやらあの艦を操っている連中がいるようですね」

「え? それは・・・いったい・・・」

「彼らの名は・・・」

 

 

 

「我々の名は! 月の後継者! エオニア閣下の遺志を継ぐ者!」

再びメナーウ駐留基地司令室

「ウキタケ! 貴様何をっ! むぅ!?」

司令がいつもの通り怒鳴りかけた時、もう一人の副司令と、司令室にいた他の男が司令官の両腕を押さえて拘束した。

「き、貴様ら! 何をする! おいウキタケ! 貴様、何をたくらんで・・・」

「すみませんねー、司令。我々は忙しいのですよ、ランブル副司令君、ちゃんと押さえといてよ」

「はっ」

ウキタケの言葉に、もう一人の司令官であるランブルが応える。

「貴様ら! なんだ! 何が目的だ!!」

司令の怒鳴り声を完全に無視し、ウキタケや他の兵士達が皇国軍の制服を脱ぐ、その下から現れたのは、黒で統一

された皇国軍の制服。いや、先ほどのセリフを聞いたあとならば想像するのはたやすい、エオニア線駅においてエ

オニアの配下が着ていた制服と全く同じデザインだ。

着替えが終わったあと、ウキタケはコンソールを操作し、基地の内部、そして町にも聞こえるように外部スピーカ

ーもオンにして

 

 

 

スキーズ・ブラウニル発令所

「流れ弾がきます、対戦車ミサイル、方位2−0−0」

異常に落ち着いた女の声に反応し、セレスが操舵手に命令を下す。

「回避運動、左28度、上12度」

「了解です」

淡々と答えた操舵手はまだ小さな少女だった、少女の周りには光の環の用な物がいくつも浮かんでいる、いや、よく

見ればそれは全て細かい数式の集まりだ。

「回避運動完了、作戦開始時刻より1時間経過、あと約10分で司令とエルシオールが合流します」

「分かった、前進三分の一、ポイントE(エコー)まで移動する、火器管制(FCO)、近接迎撃兵器システム(CIWS)はOFFにしておけ、射線

からこちらの位置を特定される」

「了解(アイ・メム)」

オペレーターの報告、セレスがそのほかの部署にも命令を下す、淀みなく停滞無く。

 

 

 

「あーあー、聞こえますかー? 本日は晴天なりー、我が輩はコロ助ナリー、伏せ字無しで大丈夫ナリかー? よし、聞こえるな」

基地のすぐ側で戦闘を行っていたエンジェル隊も、その声を耳にしていた。

「なんだい、ありゃぁ・・・」

「それより、ミルフィーさんとランファさんが・・・」

フォルテとミントの会話を聞いて、

「問題在りません、二人とも無事です、ですが、機体の方は損傷が激しいです」

ヴァニラが報告をしてくる。

カンフーファイターが墜落した時、墜落地点にミサイルを撃ち込み、爆風によって落下の衝撃を在る程度軽減させ、

そのまま墜落地点にラッキースターを滑り込ませ、盾になったのだ。

 緊急時にミルフィーユが取った行動は、あまりにも危険なものだったが、そのおかげで二人とも生きている。

「ヴァニラ、二人を回収してくれ、機体を回収するために、いったんエルシオールを降下させる」

タクトからの指示通りにヴァニラは二人を回収、続いて二機を回収しようとし、エルシオールはハッチを開けたまま降下をして

 

「マイヤーズ司令! トラックが一台本艦に近づいてきます」

「なにぃ!?」

「なんだ、それは! 映像を出せ!」

スクリーンに映されたトラックは

 

窓から見える景色は、まるで流れる走馬燈の様に・・・・

「きゃぁぁぁぁぁぁ!!」

いつもの落ち着いたちとせに似つかわしくない(でも意外と錯乱状態が多いよね)叫び声を上げながら、助手席に

しがみついていたちとせ。

「れ、レナードさん!? 取りあえずどうやってエルシオールの乗り込むかのオチが読めてきたのですが・・・」

「今回は幸運だった、どうやって乗り込もうか迷っていたところで・・・」

「考えてなかったんですか?」

高速で移動するトラックの中で二人とも大声を張り上げる。

「全く考えが出なかったけど、不幸中の幸い、エルシオールがハッチ開放したまま降下してくるなら」

と、そこでレナードはにこやかにエルシオールを見上げて、みるみるうちにエルシオールが近づいてきて、両開き

になっているハッチの右扉を、

「壁を走るのはあり得なイタ! ひ、ひはは・・(し、舌が・・)」

「これだけ早く移動している車でそれだけしゃべれば、舌の一つもかみますよ。生麦生米生卵、カエルぴょこぴょ

こ三ぴょこぴょこ」

などと言いながら全く舌をかまず、ハッチの扉を走りきって格納庫の脇のスペースに着地

「東京特許許可局、坊主が上手に・・・、つきましたよ」

「次はもっと安全に・・・、イタタタ・・・」

目を白黒させる整備班の面々を尻目にのんきに二人は会話をしている、無論普通の車で壁を走るなどあり得ない、

民間船から軍の艦まで、広く使用されている重力発生装置の応用でほぼ垂直の壁を走行したのだ。

「それはともかく、クレータ班長!」

「は、はい!?」

突然現れた軽トラと、素性不明の荷台にいる二人組(荷台はむき出しではないので落ちません)に呆然としていたク

レータが、突然呼ばれて更に驚いている。

「すぐにブリッジに通信を繋いで下さい、タクトさんに用事があります」

 

 

 

エルシオールのブリッジ

「お、おい、今の軽トラ、艦内に入ってきたぞ・・・」

こめかみから一筋汗を流し、レスターが呆然と呟く、

「うーん、凄いマシンテクニック」

「そう言うレベルの問題か?」

相変わらずアホな会話・・・ゴホンゴホンッ

「司令! 格納庫から通信です」

「え?」

タクトが反応する前にスクリーンの端に画面が浮かび

「レナード!?」

映ったその人影を目にして、タクトは思わず艦長席から立ち上がった。

「お久しぶりですね、皆さん。それはそうとタクトさん、シャープシューターとアークエンジェルの発進許可を」

「ちとせも一緒なのか?」

「はい、ですから早く」

「わ、分かった、急いで出てくれ」

「了解」

素速く会話を打ち切ると、通信はすぐにとぎれた。

「さっきの軽トラ、まさかレナードが?」

正解

 

 

 

ラッキースターとカンフーファイターが回収され、現在戦えるのは残り三機のみ、全力を出せないのを良いことに

向こうは攻撃の手をゆるめない。

しかし、そこにピンチに現れるヒーローのごとく、

「空の上でこんにちは、久しぶりの登場です」

『レナード(さん)!?』

「私もいまふ(います)・・イタタ、ひはがまひゃ(舌がまだ)」

『ちとせ(さん)!?』

「驚き方のパターン一緒ですか?」

純白の機体に、特徴的な、まるで大きな盾のような物が機体下部に突いているアークエンジェル。そして長距離狙撃

用の長い砲身と特徴的なレーダーがついた青の機体シャープシューター、間違いなく問題の二人の機体だ。

「お二人とも何で・・」

「事情の説明をしているほど有利な状況とも思えませんが・・・?」

ミントの言葉を遮ってレナードが言う

「みんな、聞こえるか? レナードの言うとおり、今は時間がない、シャープシューターが狙撃して敵の機体強度を

削って、アークエンジェルがMHで安全な区域まで敵機を移す、とどめは残りの三機で刺す。」

『了解!』

そのあとは詳しく描写する必要もないだろう、狙撃による奇襲を受けた敵機をアークエンジェルが掴んで投げ飛ばし

ライフルを撃ち込み、袋だたきかと言うほどの攻撃を、トリックマスター、ハッピートリガー、ハーベスターが叩き

込む、形勢は一気に逆転した。

 

 

 

スキーズ・ブラウニル発令所

「司令及び以下三名がエルシオールに合流しました」

発令所にいるオペレーターの一人が報告をし、セレスが無表情にスクリーンを眺める。

「本艦はこれより光学迷彩モードを維持しつつエルシオールの後方7時方向にて待機、ポイントMMP−093」

「了解(アイ・メム)」

操舵手が応答し、他の人間も全て何かの仕事を行っている

「だと言うのに、なぜ貴女はのんびりとお茶を飲んでいるのですか?」

セレスはかなりの美人である、しかし、今彼女の目を見る者がいれば、大抵は腰を抜かすか泣いて逃げるか。

「あら、別に私は仕事がないだけよ?」

どうやらこの黒髪の美女は例外のようだった、優雅な仕草で口元にティーカップを近づけ、洗練された仕草で紅茶を

飲む、しかもその全てを自然にこなすのだ。

「だとしてもです、先ほどからずっと何処かへ行っていて、今更戻って今度はのんびりしているだけ、ミルガルド司令がなんと・・・」

「良いじゃないの、本当に私は出番がないのよ?」

セレスの言葉を遮り蒼乃が弁明するが、生真面目なセレスが聞き入れるはずもなく

「そう言う問題では・・・、何があった?」

蒼乃に言及をする途中でセレスは何の前触れもなく振り返った、これはセレス自身が何かを感じたのか・・それとも

「報告します、いえ、やはり外部音声をお聞きになった方が」

「出せ」

「了解(アイ・メム)」

会部音声から流れたのは、戦闘が終わったメナーウ基地からの新たな声であった

 

 

 

「我々、月の後継者、エオニア閣下の遺志を継ぐ者、略して、えーと、何だっけ」

「まだ考えてません」

「ええっーー!? まずいよそれ、今これ外に繋がってるのに」

「ウキタケ博士、マイクのスイッチきればいいのでは?」

「おお・・・」

ぶつっ

よく分からないがウキタケ副司令は連中の間では博士扱いらしい

 

しばらくお待ち下さい。

 

ぶつっ

「お待たせしました、我々の名は、支持率72パーセントの略称、遺志を継ぐ者ってことに先ほど決定した!!」

パチパチパチ

「というわけで、フレンドリィな会話の後で申し訳がないが」

フレンドリィなのか? と全員が首をかしげる、そもそもこいつらのノリの軽さは何?

「占拠早々この基地を爆破する、我々以外の基地要員、及び周辺の民間人は急いで避難するように。それと業務連絡、

遺志を継ぐ者のメンバーは、所定の位置について作戦行動を・・・」

「どうどうと作戦行動放送しないで下さい!」

「ははは、冗談冗談」

ウキタケとよく分からない部下との会話は、あほらしすぎてやる気が出ない。

 

 

 

エルシオール格納庫

「立った今帰艦したばかりだってのに、聞き捨てならないセリフが堂々と流れてるじゃないか」

スピーカーとモニターをにらみつけてフォルテが言うと、早足でエンジェル隊が格納jこから出て行きブリッジに集

合することとなった。

 

エルシオールのブリッジ

「まずはいったん状況報告から、ではまずヴァニラさんからお二人の容態について」

「はい」

ミント司会で始まったミーティング、ヴァニラが一歩前に出て発言する。

「まずミルフィーさんとランファさんですが、お二人自身には怪我はなく、どちらも強い衝撃による脳しんとうと

診断されました、しばらくすれば意識も回復するでしょう」

「なんだ、それなら心配いらないな」

タクトがほっと一息つくと、すぐさま次の話に移る

「次にクレータ班長から紋章機についての報告を」

「はい」

今度はクレータがモニター越しに報告を始める

「まずはラッキースターですが、機体自体には大した損傷はありません。カンフーファイターと地面との間に挟まり、

強い衝撃が与えられパイロットが気絶したために制御を失っただけのようです。」

だがそこで画面の横にカンフーファイターの図面が映る

「ですが、カンフーファイターは敵MHのライフル弾の直撃を受けたためH.A.L.O.システムとのリンクに支障が発生、

システムと繋がっていたパイロット自身の脳に衝撃があたえられたと思われます」

「おいおい、大丈夫なのか?」

思わず上がった声にクレータは落ち着いて

「問題在りません、あくまで一時的なものです」

「そうか・・・」

「なら良いけど」

口々に安堵の言葉を漏らすが、ミーティングは更に次の話へと進む

「次に、レナードさんから事の経緯をご説明頂けますか?」

「私ですか?」

いきなり自分に話を振られるとは思っていなかったのか、軽い驚きの表情をレナードが見せる。だがそれはすぐにい

つもの表情へと戻り、

「分かりました、ではご説明しましょう」

と言って、一歩前に出る

「まずはあの二人、フェイツイとシリアですが、あの二人の身元は私が保証します、二人ともミルガルド家の関係者です」

実際にはレナードから説明される前にデータベースで検索してある程度裏は取ってあるのだが、色々と伺わしいと

ころの出てきているレナードの言葉なので、丸ごと鵜呑みには出来ない。無論それを口に出すことも出来ないのだが。

「三日ほど前からそろそろエルシオールに戻ろうと考えて荷物をまとめていたのですが、ちょうど今回の戦いが起こ

りまして、用意していたトラックに乗り込んで全員で脱出してきました。ちなみに壁を走ったのは重力発生装置の応

用です、違法改造ギリギリなので秘密ですよ」

とそこで人差し指を唇の前で立ててみせる、それと同時に長い髪が軽く揺れ、動きの一つ一つが妙に様になっている、

普通の男がやったら気色悪いだけだが、この男がやると妙に違和感がない。

「(こうしてみると、相変わらずなんだけどね・・)」

フォルテがそんなことを考えている間にも、絶え間なくレナードの説明は続く、皆さんは覚えているかは怪しいが、

第一章からレナードの説明好きは現れているのだ。(アークエンジェルについて)(今読み返すと結構恥ずかしい

なー、あの文章。え!?今もダメですか!?)

「後は説明の必要もないでしょうが、紋章機に乗り込んで戦うだけ、だいたい彼らは一体何がしたいのかも分からな・・・」

「司令!」

レナードの説明を遮ってオペレーターが叫ぶ

「どうした!」

「再びメナーウ基地から放送が始まりました!」

「出してくれ」

「はいっ」

 

 

 

「さて、周辺住民の避難も完了したようですので、エルシオール!聞こえてますね?

わたしは遺志を継ぐ者の臨時代表者、マーシー・ウキタケです、先ほど放送しましたとおり、この基地を爆破、皆さん

のご飯にも灰になって頂きます、じゃ、そう言うことで」

ブツッ

 

 

 

『まてぇーーーーっ! ご飯!!!』

ぐ〜〜〜

「ここに何をしにきてたのか・・・、忙しすぎて忘れていましたわ・・・」

「思い出したらハラ減ってきた・・・」

「・・・・・・」

「あの・・・、先輩? どうされました?」

「空腹で倒れるなんて・・・」

ちとせとレナードが頭を抱える

後で繰り広げられる会話を無視し(意識すると自分も倒れたくなるし)、タクトは

「エルシオールは急速離脱、後に大気圏突破、取りあえず他の場所で食糧確保! 早くしないとみんな死ぬわぁぁ!!」

『了解!!』

食べ物の恨みは恐ろしい、空腹のクルー達は殺気だった目でメナーウ基地をにらみつけ、いつか必ずぶち殺す、

と言うように教育上よろしくないセリフをさんざん頭の中で繰り返すのでした。

と、忙しい艦内の中で、爆破されたメナーウ基地から飛び去る複数の飛行物体を確認した物はいなかった。

 

 

 

数時間後

エルシオール通路

「あの・・・、お話って何ですか?」

ちとせがレナードと向き合う、二人は星の淡い光に照らされている。

「ちとせ・・・、私は馬鹿ではありません」

「え?」

唐突にレナードは語る

「あの舞踏会の時、貴女をパートナーに選んだのは、貴女の心に区切りをつけるため。

ですが、あのとき私は言い出せなかった、貴女を傷つけることに恐怖した、そして結局は、考えてきたこととは逆

のことになり、余計貴女を引きつけた」

「レナードさん何を・・!?」

「わたしは!」

レナードは声を荒げる

「貴女の気持ちに気付かないほど馬鹿ではない、貴女が私を好きでいるのは嬉しいこと、ですが、私は貴女を愛せない」

まさしく何の兆候も見せず、ちとせのアプローチに気付かないふりをして、

「結論を先延ばしにしてきただけでした、結果はかわらないのに貴女の心を傷つけまいとするが故に時間が経ち、

余計貴女を苦しめることとなった」

もっと早く言っていれば、短い片思いで済んだはずのことが、共に過ごす時間が長くなりすぎた。

レナードは落ち着いた口調でちとせに語りかける

「私には好きな人がいます、素晴らしい女性です。だから貴女は愛せない、それだけです」

短く告げるとレナードはちとせの横をすり抜け足早に去っていった、すれ違いざまにレナードは。

「すみません、ちとせさん(・・・・・)」

はっ、と驚いて顔を上げるが、既にレナードは通路の向こうに消えていた。

ちとせは、ただ静かに泣いた。

 

 

 

「けじめを付けるのが遅いから、彼女は泣いた」

角を曲がってすぐに、壁により掛かったシリアがそう言うと

「確かに、舞踏会の時に私が彼女の気持ちを・・・」

「今更過去を振り返っても遅い、このまま何もしないでいるよりは、たとえ遅れてでも彼女に言ってやって良かった」

若草色の長い髪をいじりながら、シリアは淡々と言う

「たしかに、オブスティネートと合流するまで先延ばしには出来なかったさ、だけど、胸が痛いよ」

「自分でまいた種だろう」

「胸が痛い時に、耳まで痛くしないでくれよ」

そこで、いつもの微笑が出るのだが、その表情は何処か疲れた笑顔だった

「この件は仕方ない、とにかく終わった。それより〈スキーズ〉と〈ギャロップ〉は?」

「迷彩モードで追尾中、エルシオールのレーダーは正常に作動しているが、探知は不可能、そもそもこの報告に意

味があるのかが分からない、どちらかの艦が主砲かミサイルでも撃たない限りエルシオールが気付くことはない」

「一応規則みたいな物だから」

軽くレナードが肩をすくめる、シリアは軽く嘆息してから

「だいたい私はオブスティネートとは関係がない・・・」

「それは前にも聞いた、我慢して欲しいな。私と長く話しても大して怪しまれないのはシリアくらいだ、他の隊員達

では怪しまれる、長々と月の巫女(・・・・)と話をするのは目立つからね、設定上は大した面識じゃないことになっているし」

「とにかく、もう良いだろう、後はしばらく流れに身を任せるだけだ」

「そうだな」

二人はそれだけ言うと、別れてそれぞれの部屋に向かった。

 

 

 

医務室

既に通路の照明は落とされている、暗い通路を、数人の月の巫女が素速く歩いている。

扉の左右に二人ずつ並び、一人がドアの開閉ボタンを押す シュン と音を立ててドアが開き、すかさず一人の女が

医務室に飛び込みケーラの方を向く

「あら?」

ケーラが声を上げて振り向こうとしたその時、女の目が一瞬光りケーラは眠りに落ちた。

此処までの間、時間にして二秒半。

通路にいた残りの三人も医務室に入り、一組の男女が入り口を見張る。そして柔らかい髪をした美少年がベットに寝

かされているミルフィーユとランファに近寄り、二人の額に手を置く。

・・・・・・・・・・

十秒ばかりそうしていただろうか、少年は二人の額から手を離し、残りの三人と共に素速く医務室から走り去っていった。

 

エルシオールには、まだ何が起こるか分からない。

 

 

つづく

 

 

【あとがき】

 なんかいきなり敵が出てきて空腹と攻撃でエルシオールは大ピンチ、ちとせとレナードにフェイツイとシリアも

ついてきてなんだか話もどんどん進みます。

 ラストはラストでちとせふられる、レナードとシリアが意味ありげな会話をして謎の四人組も登場、話は急ピッチ

で進みます。

 ちなみに今回からは色々おまけも付きましたが、おまけなしでもずいぶんと話が長いなぁ、前回も長かったけど

今回は更にその上を行く長さになりました。(反省)

 

それでは皆さん、次回のあとがきでお会いしましょう

       GA�兇盻颪�気がある作者がやるあとがき

 

 

【次回予告】

複数の陰謀  傷つくちとせの心

そしてそれぞれの運め・・

「そう言えば乗ってるはずのシヴァ陛下やルフト将軍、ノヴァとかがろくに出てこないけど?」

「そりゃぁ作者が登場人物多いと誰かしばらく何も話さない状態とかが続いて変になるから、適当な理由

付けて出さないようにしてるだけですって」

おーい、今シリアスな雰囲気の次回予告…

「うっさい」

いや、このまじめな次回予告は

「だまれ」

そもそもあんた達誰だよ、名前上げないと分からな・・

「次回、陰謀(いんぼう)詭計(きけい)の種明かし」

話聞いてる?

「かつて無き破壊に天使は嘆く」

その最後のせりふは自分が…

「だまれ!!」

………

 

 おまけ   最初の頃より抜粋

一部のクルーが倉庫に侵入したが、コンテナの大半が空、この報告は全員の士気の低下にも貢献してしまい、廊下を空腹でゾンビ化した(さすがに比喩)集団が歩き、ハラへった〜と、いいながら歩く様は、一昔前のゾンビゲームを彷彿させ、

 「ゾンビは頭を打ち抜けば良いんだよぉ!!」

ドンッドンッドンッ

「フォルテさん! 人を撃っちゃダメですって!!」

「おらぁ!!」

「おなかが減って気性が荒く・・・」